見出し画像

はじめての沖縄は八重山だった。台湾の基隆を発ったフェリーは翌朝、石垣港に着いた。八重山諸島は日本から向かうと、日本の西端。しかしアジアから眺めると、台湾にいちばん近い沖縄。今回は八重山と台湾の話をしてみようと思う。税込み290円のつまみ動画&エッセイ。

 動画は日本の西端の八重山の話である。僕にとって、東京からやってくる八重山は、ただの沖縄以上の意味があった。しかし八重山にはもうひとつの顔がある。なぜ石垣島の繁華街には立派な店構えの中国料理店がある?
本土の仏壇は沖縄ではトートーメーという。そこを見ると中国語がずらり。そんな八重山物語を。
 この記事は隔週日曜日更新。新しい酒飲み話が加わっていきます。

沖縄に台湾版ディズニーランド

 あれは李登輝が台湾の総統を務めていた時期だった。台湾では国民党が存在感をもっていた時代である。当時の日本は、韓国や台湾からの観光客に対し、ビザを免除する話がもちあがっていた。そんなとき、台湾からこんな話が流れてきた。
「台湾の資金で沖縄にディズニーランドのような施設をつくる。そこに遊びにいく台湾人はビザを免除することを日本政府に要求したい」
 その話を聞いたとき、台湾の人たちは沖縄にそんな思いを抱いていることを知った。台湾の人たちは沖縄を琉球という。そこからは、昔からそう呼んでいたという歴史的な伝統以上の存在としての沖縄がある気がする。たとえば、台北から那覇行きの飛行機に乗る。その表示はたぶん、いまも琉球のはずだ。沖縄ではない。
 その機運に乗じていたのかは判断できないが、当時の沖縄では「沖縄独立論」が盛んに交わされたいた。1990年代である。日本から独立するというタイトルの本も何冊か出ている。台湾と一緒にやろうという話ではなかったが。
 沖縄と台湾。そこには、本土の僕らの憶測を超えるものがあるのかもしれない。
 八重山は台湾に最も近い沖縄である。
 

続きをみるには

残り 1,765字

¥ 290

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

新しい構造をめざしています。