負け犬しもでさんの奇跡・31

しもで先生、講師業について偉そうに語る

今回は珍しく、2020年の話から始めましょうかね。
気がつけば、マージャン教室の講師歴18年。
講師として足りない面はまだまだありますが、マージャンを教えるにあたり、気をつけている事について、いくつかお話しようと思います。

・教えすぎない
早く覚えてもらおうと思って、いっぺんにあれもこれも教えようとしても、教わる側は混乱してしまうもの。
生徒さんは、分からない事が多くて当たり前なのです。さらに言えば、何を聞いていいのかが分からないくらい。
だからこそ、教えるのは少しずつで。
たくさん教えたところで、教わる側の受け入れ容量には限度がありますからね。

・いかに「楽しい」と思ってもらうか
マージャンは、無駄に難しいゲームなのです。
初心者の状態からゲームを覚えるようになるまでには、高低問わずハードルがいくつもあります。
マージャンの楽しさに行き着く前に、
「マージャンって難しいわ~」
「こんなの覚えられないわ」
と、なるべく思わせないように気を遣っています。
「難しい」と多少思ったとしても、それ以上に「楽しい」と思ってくれないと、続けてくれないものです。

・「何回言えばわかるのか」と思ってはいけない
マージャンはわざわざ覚えなくても、その人の人生には影響がありません。
教室に通っていても、なかなか覚えない人はいます。
でも、そこで教える側がイライラしてはいけません。覚えようと思って、教室に来てくれているのですから。
100回「わからない」って言われたら、101回繰り返し教えるつもりで接します。
マージャン覚えようと頑張っている人に対して、生徒さんの能力が低いからといって、教える側がサジを投げてはいけませんよね。

・「テクニック」よりも「気持ち」
生徒さんに対して真摯に接していれば、教え方が多少下手でも、生徒さんはついてきてくれます。
マージャンが上手になるのが目的ではなく、マージャンを楽しんでくれる事が目的ですからね。

・見守る
生徒さんにとっては、マージャンって遊び道具みたいなもの。
その遊び道具を使っている方々を、
「いかにみんなで楽しく遊んでくれるか」
見守るのも大事な仕事。
最初のうちは、最低限必要なルールとかを教える必要があります。
しかし、ある程度までいったら、
「これ捨てちゃダメ」
「こっちを捨てなさい」
とかは、こちらからはなるべく言わないようにしています。
生徒さんが「どうしていいか分からない」というような仕草をしたり、生徒さんから質問を受けた時に教える、というのが、しもで先生の基本的なスタンスです。
イメージとしては、
「園児を見守る保育士さん」
といったところでしょうか。
危ない事をしない限り、楽しそうに遊んでいるのをなるべく見守る。
最初から「あれダメこれダメ」だと、生徒さんものびのび出来ないと思うのです。

・「マージャンって面白い」と思ってくれる人を1人でも増やしたい
マージャン教室とは少しズレるかもしれませんが。
マージャンには、楽しむ方法が色々あります。
教室・健康マージャン・フリー・セット・競技・親睦大会・インターネットなどなど。
それぞれ楽しみ方を問わず、とにかく「マージャン楽しい」と思ってくれる人がどんどん増えてほしいです。
自分とは違うステージでマージャンをしている人がいても、その人を否定せず、自分の楽しみ方でマージャンに接してくれれば、と思っています。

一番最後は、「教える」というよりも「普及」という観点ですね。
これからも微力ながら、マージャンの楽しさを伝えられればと思います。

しもでさん、当時のしもで先生にダメ出しをする

それでは時を戻しましょう。2002年の春先です。
福岡に来たばかりの、当時のしもで先生はどうだったのでしょうか。

来て早々、入門コースの生徒さんを4人ほど、担当する事になりました。いずれも年配の女性の方でした。
とはいうものの、マージャン教室の仕事が初めてなのに加え、マージャンをゼロから教えること自体も初めて。
しもで先生の最初の教え子、果たしてどれだけ覚えてくれるのでしょうか。

慣れないなりに、一生懸命教えたつもりだったのですが、なかなか覚えてくれません。
「生徒さんに、マージャン覚えてもらわなきゃ」
という気持ちが先走り、
「なんで、こんな事も覚えられないんだ~」
って、苛立ったものです。

入門コース以外に、中級以上の実践コースなどもありました。
新米のしもで先生は、
「ダメなところは、教えてあげて直させないと」
という感じで、悪い意味で頑張ってやっていました。
「上達することによって、楽しみが増える」
と信じて、一生懸命教えていましたね。
もちろん、中にはそういう人もいるでしょうが、
「マージャンを覚える目的なんて、人それぞれ」
という事をよくわかっていませんでした。

そう、お気づきの方もいるでしょう。
当時のしもで先生は、教えるスキルはおろか、マージャンを教えるという事に対する意識がまるで足りなかったわけですね。
まぁ、今が足りてるわけではないと思いますが。

というわけで、前途多難なスタートを切った、新米のしもで先生。
今までのマージャン人生には無かった文化や出来事が多くて、新鮮ではありましたが、マージャン教室の仕事にやりがいを感じるのは、まだまだ先の話なのでした。

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