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ボツを食らった結婚式スピーチ原稿

Evernoteのメモを整理してたらボツになった友人の結婚式スピーチの原稿が出てきた。

僕には互いに悪態を突き合う「日山」という幼馴染がいるのだが、この原稿はそんな日山から5年ほど前に「今度結婚するのでスピーチをしてほしい」と連絡がきたときに書いた原稿だ。

当時は、職業柄もあってか結婚式の余興を頼まれることが多かったこともあり面倒くさいので速攻でお断りしたのだが、日山はしつこく説得してくる。最終的にはあまりにもしつこかったので根負けしてしまい、条件付きで承諾することにした。
 
その条件とは

「スピーチの原稿だけ書くので、お前がお前自身にスピーチしてくれ」

といったものだった。

条件にあるように当然僕は前には出ないし、僕がスピーチ原稿を書いたということも公表しない。新郎である日山が友人席に立ち、自分自身に向けてスピーチをする。本来、自分が座っていた新郎席には自分自身のパネルを置くことで意味のわからない状況を少しでもわかりやすくしていこうという話もした。

結婚式という晴れ晴れしい舞台、こんなときくらい自分で自分を褒めてあげるのは良いことだ。

ただ、残念なことに僕が書き上げたスピーチ原稿を渡すと速攻で「使えるか」と返事がきた。せっかく15分くらいかけて人が一生懸命書いた原稿を一蹴するのは如何なものかと憤りもあったが、彼の門出の邪魔をするわけにもいかず、僕は渋々書いた原稿を取り下げた。

そんなスピーチ原稿が出てきたので、ここで供養しておこうと思う。 

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