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アスリートと睡眠

関学サッカー部は90分という短い練習時間だけど、上げ日や普通の練習の時でも体にかかる負荷は高いと思う。

みんなに知っておいて欲しいのは、90分というサッカーの試合と同じ時間の中で密度の濃い練習をすることが大事ということ。

サッカーの練習は長々練習しても、体力的にも精神的にもきつい。だからこそ90分の時間の中で密度の濃い練習をするし、こっちもそういう意図を持って短時間で密度が濃くなる練習を組んでいる。

こういう意図を汲み取って、練習と練習の間を極力短くしてやるときは集中して練習してほしい。

前おきはこのくらいにして、今回のテーマはそんな負荷のかかった体をどう回復させるかということ。方法は1つではないし一人一人の体に合ったコンディション調整はあるが、今回は「睡眠」にフォーカスした話をしようと思う。

◉睡眠とパフォーマンスの関係性

まずは睡眠の話しをする前に、「最高の睡眠」の定義を、

「脳、体、精神を最高のコンディションに整える質の高い睡眠」

とする。これは、長時間寝ることで日中の活動の質は上がらず、睡眠は質の高さによって高いパフォーマンスを引き起こすことができるということである。

では、質の高い最高の睡眠とはなにか。
睡眠の質は、最初の90分で決まると言われている。

眠りにはレム睡眠(脳は起きていて体が眠っている睡眠)とノンレム睡眠(脳も体も寝ている睡眠)の二種類がありそれを繰り返しながら眠っている。

ここで重要なのは、最初のノンレム睡眠をいかに深くするかということ。
ここで深く眠れればその後の睡眠リズムも整うし、自律神経やホルモンの働きも良くなり翌日のパフォーマンスも上がる。逆にこの90分のノンレム睡眠が疎かになると、何時間寝ようが残りの睡眠も疎かになってしまうのだ。

◉質の高い睡眠法

しかし、睡眠が大事というのは分かっているが、なかなか寝付けないんだ、と悩んでいる人が多いのではないか。

実は、深い睡眠に初めから入るためには条件がある。それは、

①体温を高くする。
②脳のスイッチを切る

である。
この2つが質の高い睡眠において非常に重要であるのだ。

①体温を高くする

まず、質のいい睡眠であれば体温は下がる。睡眠中は温度を下げて臓器や筋肉、脳を休ませているからである。(深部体温といい、日中高くて夜間は低い。)

一方で手足の温度(皮膚温度)は日中低くて夜間に高い。

スムーズな睡眠に際しては、この深部体温と皮膚温度の差が縮まっていることが鍵になる。

つまり、手足の皮膚温度を上げることで毛細血管から熱放射をし、効率的に深部体温を下げるのである。

このように皮膚温度を上げるために適切なものが、

・就寝90分前の入浴

である。

入浴によって、皮膚温度だけでなく深部体温も上昇する。深部体温は上がった分だけ下がる傾向にあるため、深部体温が皮膚温度と差が徐々に縮まっていきその差が最も縮まるのが入浴90分後なのである。

また、体温だけでなく適切な室温を保つことも睡眠において重要である。

②脳のスイッチを切る

体温が理想通りに変動してもそれだけでは眠れない。悩み事があったり寝る直前までスマホを触っていて脳が興奮状態であればなかなか眠りは訪れないし、睡眠の質も確保できない。

だからといって何も考えるなというのは難しいので、ここで眠くなるときのイメージをしてほしい。

授業中や講演会などの景色の変わらない単調な状況だと眠くなると思う。
これは、脳が単調な状況だと頭を使わないから脳は考えることをやめ退屈して眠くなるのである。これをモノトナスの法則という。

寝る前は出来る限りこのモノトナス(単調)な状況を作ってほしい。

◉まとめ

簡単にまとめると、

・睡眠において重要なのは量より質。
・睡眠の実は最初の90分で決まる。
・質の高い睡眠には、「体温」と「脳のスイッ チを切る」ことが大切

ということである。

このように質のよい睡眠は高いパフォーマンスに影響するので、個人個人で睡眠のルーティンを作り生産性のある日々を送りましょう。

めちゃくちゃ割愛して説明してるのでもっと知りたい人は
「スタンフォード式最高の睡眠」(西野精治)
「トップアスリートが実践してる最高の回復法」(富家孝)

などの本でも読んでみてください。

それではよい睡眠を。






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