IBの最後にして最難関 - DPについて

最初に少しご報告。あっくんからしませくんに改名しました。それに伴い、最初の記事を少し編集させてもらいました。

ではもう一度。

どうもおはこんにちは、しませです。名前はしませくんですが、しませと呼んでください!

今回の記事は国際バカロレア(IB)の最後を飾るディプロマプログラム(DP)について話します!
IBを語る上で避けられないのがこのDPで、最難関とも言われています。想像してみてください、11年生(高校2年生)の夏休みに4000文字のエッセイ、10ページにも及ぶ研究論文、よくわからない哲学に関するエッセイと6科目の勉強をする自分の姿を。もう笑うしかないですね(笑)

DPが難しいと言われる1番の理由はこの課題の多さ。6科目の勉強の上にEE(課題論文)、TOK(知の理論)とCASを提出する必要があります。科目でもプログラムの最後に受けるテストとは別にIA(Internal Assessment)というまぁまぁ長いレポートを書く必要があります。それが全て合計して最終的な45点満点中の点数がもらえるわけです。今回はDPを大雑把に紹介したいと思います。

DPについて:6科目

DPを始める前、2年間受けたい6つの科目を自分で選ぶことができます。もちろん在籍している学校にいる先生の有無で受けられる科目の種類は変わりますが、IBは生徒の選択を尊重しているためこのような形式をとっています。また、DPには6つのグループが存在し、これらの中から一つずつ教科を選ぶ形式になっています。

グループ名と主な教科を紹介した表

L&LはLanguage and literature、LはLiterature、A&AはAnalysis and approaches、A&IはApplications and interpretationsの略。これらの具体的な意味はまた別の記事で。
また、グループ6の科目を落としてグループ4の科学をもう1科目選択することができます。
それぞれの教科は7点満点、合計で42点満点です。

HLとSL

それぞれの教科はスタンダードレベル(SL)かハイアーレベル(HL)でとるか選択できます。そして6つの教科のうち最低でも3つはHLでなければいけません。基本的にはHLの方がSLよりも難しいです。感覚としてはHLはSLで学ぶ内容に加えもう1.5倍ぐらい踏み込む感じですね。そのためHLを選択すると少し大学で学ぶ領域に触れる機会があるかも知れません。

著者のしませが選んだ科目を紹介しましょう:
HL - 生物学、化学、数学AA
SL - 英語A L&L、日本語A L&L、経済学

バリバリ理系の教科選択ですね。化学HLではおそらく高校の範囲ではないSN1、SN2反応などが学べて楽しかった印象があります。

自分が大学そして今後の人生で何をしたいのか高校の時点で探求させてくれるIBの強みがこの6教科選択に詰まっていると思います。

DPについて:Core(コア)

6教科に加えて達成しないといけないのがコア。EE、TOKとCASで構成されています。教科の知識だけではなく、研究力、思考力、行動力など社会で活躍するために必要な能力の磨きを目的としています。また、IBスコアの45点満点中3点はEEとTOKの成績によって決まります。

EE - 課題論文

EE(Extended essay)では最大4000文字の論文を生徒に課せられます。内容は自由。本当になんでもOKなんです。僕は生物学で植物を育てながらいろんな環境の影響について書きました。研究内容、方法など全て生徒自身で企画する必要があり、DPで一番難しい課題とも噂されています。基本的には11年生中に研究を終わらせ、夏休み中に論文を書き上げます。夏休みが食われる理由の70%ぐらいはこいつのせいですw。

成績は2022年時点で34点満点。評価は最高のAからEまであります。DPに合格するにはEEでD以上を取る必要があります。

TOK - 知の理論

TOK(Theory of knowledge)はおそらくDPで一番説明が難しい要素です。11年生と12年生のスケジュールには普通に授業として埋め込まれています。TOKの趣旨は生徒に知識の根源、新しい知識の処理方法など幅広い「知識」を考察する能力を向上させること、だと僕は勝手に解釈しています… 実際は哲学の授業に近く色々な思想に惑わされます。

TOKでは二つの課題を提出する必要があります。TOK ExhibitionとTOK Essayです。

まず最初に取り組むのがTOK exhibition。展示会みたいなやつです。生徒には合計35個ぐらいのテーマが渡され、そこから一つ選び展示を構築していく感じです。展示は合計3つの”Object”を選び自分が選んだテーマとの繋がりを説明していく感じです。

次に、12年生の間に書かされるのがTOK essay。毎年6つの設問が与えられ、一つについて最大1600字のエッセイを書くというものです。設問の解釈、論点の発展、根拠など全て生徒に全投げなので途中から訳わからなくなります。この課題のポイントは自分の考えをどれだけ言語できるかで、これを達成するのに何週間もかかったりします。

成績は二つの課題で合計30点満点。評価はEEと同様AからEで、合格にはD以上が必要です。

CAS - 創造、行動、社会奉仕

他の課題とは打って変わり、課外活動系のやつです。

CAS(Creativity, Action, Service)は生徒に学力だけではない能力の習得、向上を目的とした課題です。

創造、行動、社会奉仕、それぞれに対応した活動をしなければならず、毎週活動記録という名の感想文を書かされます。しかし、やらなければDPを合格できないのでかなり根気がいります。

活動の例は、
C 創造:絵を描く、バンド活動、工作活動
A 行動:スポーツ部に入る、ハイキング、サイクリング
S 社会奉仕:ボランティア、家庭教師

など(一つずつでいいですが)やらなければいけません。

それに加え、2年間内に一回、1ヶ月以上の規模のプロジェクトを完了しなければいけません。唯一の救いは自分の好きなことをなんでもできることですかね。

成績は合格か不合格でDPを取得するにはCASを合格しなければいけません。

最後に

どうでしたか?
文字で書くとつらそうに見えますが、実際はコツコツと地道にやっていけばいつの間にかできてる感じですね。
最終成績は45点満点で、世界平均は30-33点ぐらいです。

今回はざっと説明した感じなので、スコアアップへのアドバイスなどを含めた深い解説はまた今後、時間があれば書いていきたいと思います。
この記事を通してDP、ディプロマプログラムのことをもっと知れた!と感じてもらえたらすごく嬉しいです。

また会いましょう。
ほいじゃーねー

しませくん


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