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乳児性の大理石骨病の遺伝子検査



先日は骨髄移植に関する内容を書きました。白血球の型であるHLA型についても触れましたが、今回も素人が遺伝子についての内容を書きたいと思います。例によって、詳しく知りたい方はお医者さんや遺伝子科の先生に確認していただくのがいいと思います。


遺伝子検査の必要性
大理石骨病というものは遺伝上の問題で発生する病気だそうです。遺伝子を解析することによって得られる情報があるため、息子が大理石骨とわかったあとで遺伝子検査の検体を提出しました。遺伝子検査の検体!というと大層なものの気がしますが、息子の血液を少量提出しました。大理石骨病になる遺伝子上の要因となるパターンはいくつかあるそうです。大理石骨病の根本的な治療として有効なのが骨髄移植ですが、その遺伝子上の要因パターンとしては骨髄移植が無効なものがあります。身体の負担をかけて骨髄移植して無効な治療をするわけにいかないので、この遺伝子検査の結果をふまえて骨髄移植や治療の方向性を決めていくものになります。


遺伝子検査の注意点
一番注意しなければならないのが遺伝子の解析を進めていっても、必ず要因を突き止められるものでは無いということです。さらにこの遺伝子検査、息子の治療のスケジュール的な意味でだいぶ鬼門だったなと思いました。この遺伝子検査は外部の専門機関に委託して行われます。そして解析には2ヶ月から3ヶ月かかります。
息子の遺伝子検査は一度提出してから約2ヶ月後に回答が届きました。そこから両親の検体を追加して再度検査することになりました。さらに2,3ヶ月!骨髄移植を行うのは勇気のいるものではありますが、少しでも早い治療を望む両親としては再検査に気が遠くなりました。外部委託なので、私たちが急かしたところでお医者さんにこまめに問い合わせしてもらうくらいしか出来ることも無く、時間ばかりが過ぎるような気持ちになりました。しかも、検査の性質上100%明確な結果が得られるものでないことももどかしさが募りました。このことからも骨髄移も植含め、治療ってスピーディーに進んでいくものじゃないんだなとお分かり頂けると思います。


息子の遺伝子検査について
遺伝子検査でどのようなことを調べたのか詳しく書いていきたいと思います。


雑な図ですが、人間は遺伝子情報が入っている2本の遺伝子情報の羅列を持っていると考えてください。その羅列というのは図のように父は持っている2本の羅列のうちどちらか1本、母も同じように1本を子に受け継ぎます。父母から1つずつもらった2本セットになっているものになります。


ここで問題になる大理石骨病になる遺伝子とはどんなものかというと、この遺伝子の羅列の一部に遺伝子情報の変化(エラーとでもいうべきかもしれません)を持っている状態です。遺伝子情報の変化が一度目の検査の時に息子の検体から2箇所見つかっていて、その由来が父だけなのか母だけなのか、両親からなのかを見るのが目的でした。例えば図の左側を見ると、父由来の羅列の中に遺伝子変化が2種類あるとします。そうすると、大理石骨病というものは発症しない事になります。図の右側を見ると、父と母由来の羅列におのおの1つずつ遺伝子変化がある状態です。この場合、大理石骨病が発生する事になります。こちらだということが分かれば骨髄移植が有効なパターンであるため、治療にゴーサインが出ることになります。
ただ、この結果がわかると骨髄移植が有効ということの裏付けになりいい事なのですが、今、妊娠中のお腹の子も大理石骨病の可能性が25%ということになります。2回目、父母の検体を提出したときにこの25%の可能性のことを知り、気持ちが落ち込みました。


遺伝子検査の結果
結果として図の右側、父母から1つずつ遺伝子変化をもらっていることがわかり、骨髄移植にゴーサインが出ることになりました。ほんとに先日、2020年10月の中旬に結果を聞いてきたところです。
骨髄移植についてでも説明しましたが、ドナーの方は
血液検査→家族の同意→健康診断→骨髄移植
という流れで仕事や生活のある中、毎回都合をつけて骨髄移植に必要な項目をこなす必要が出てきます。遺伝子検査を待っていたために、息子の骨髄移植の準備は血液検査まででストップをかけているような状態になっていました。家族としては「これでようやく進めていける!」と、安堵のため息をついたところでした。
ただ、先程も書いた通り、お腹の子も大理石骨病の可能性があることがこれでわかりました。
父母に遺伝子変化が見つかった今回のパターンはとても珍しいそうで、10万人に1人の大理石骨病のうち4%だと考えられるようです。こういった遺伝子の変化を持っている人というのは、日本人に僅かですがいるものだそうですが、たまたま夫婦でこどもに遺伝するのは極めて稀ということです。
なんだかそのことだけ聞くと、
「どうしてどうして僕たちは 出逢ってしまったんだろう」ってユーミンのリフレインが叫んでるが聞こえてきそうですが、こればかりは仕方ないです。
大理石骨病の予兆が発見できる可能性があるので、お腹の子は生まれてからレントゲン検査する予定です。また、採血が問題ない月齢になってから遺伝子検査を行う予定です。

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