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人生そのもの

職業作曲家を目指すのはおやめなさい。

僕はいつも若手の作家志望の人にそう伝えている。

ミリオンセラーが多数生み出されていた時代ならまだしも、今の時代に作家一本で食っていけるほど、音楽はお金を生み出してくれない。いや、音楽がお金を生み出さない訳ではなく、分配の仕組みの問題かもしれない。

まー、運良くコンペに採用されて数曲ヒットしたとしよう。暫くは鼻息荒げて、曲書きまくって、それなりに成果は出るだろう。
しかし、ライバルは増える事はあっても減る事は無い。今、君が寝ている間にも世界中で新曲が生み出されている。若手作家は次々に新しいアイディアで勝負してくる訳だ。

それからそのうち結婚もしたくなるだろう。そうなると子供も出来て養うべき家族も増えて行く。
1人の時とは比べ物にならないほどやるべき事、心配事は増えるし、その他色んな事に体力と時間とお金を奪われて行く。 集中したくても出来なくなる事が多々ある。人生とはそういうものだ。それを楽しめないと勿体ない。

なので生涯独身で作家として生きて行くなら、まだなんとかなるかもしれない。コストもかからないし、時間も自由だ。それを推奨する。

で何を言いたかったのか、、、、、、

そうそう、作家活動は人生の中での通過点に過ぎないという事。その先に色んな選択が待っている。だから様々なスキルを身につけ、人と出会い、また新たな自分を生み出す事が必要。
人生という総合芸術を自分でプロデュースしなければいけない。そういう覚悟で一歩を踏み出さなければいけない。

だからきれい事かもしれないけど、僕はむやみやたらと作家を生み出す事はしたくない。
僕と出会って学ぶ人には僕が経験した人生そのものを伝えたいと思っている。絶望もあれば希望もある。光があれば影もある。楽ありゃ苦もある。

そしてまだ見たことのない未来が僕達の「テーマ」ではないかと思う。


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