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原木椎茸のススメ

 本日、朝から、椎茸の原木の仕込みをしました。
 うちは農家じゃないのに、毎年2月頃になると、椎茸の原木を作ります。

 台地用に事前に準備しておいたドングリの丸太や枝に、ドリルで等間隔に穴を開け、その穴に椎茸の菌のコマを打ち込み、あまり日の当たらないところに一年寝かせる。
 材木も、切った後、ある程度期間を置く必要があるみたいです。
 つまり、おがくずの台地での栽培と違い、収穫まで時間がかかります。
 原木作りは、家族総出に加え、親戚に手伝ってもらいながらの、結構な重労働です。

 寝かせた後の、いよいよ今年椎茸が生えてくる原木は、あまり日が当たらず、湿気のありそうな場所に立てかけておくだけで、基本的には何もしなくてもOKです。
 家庭菜園につきものの、水やり、草取り、肥料追加、こういうことに神経質にならなくてもいいので、その点はとても楽です。
 うちは、外に置いているので、完全に放置です。自然に任せてます。
 なので、豊作の年もあれば、凶作の年もある。
 本当は、温度管理や水分調節をしたほうがいいのかも知れません。

 うちの椎茸栽培は、金と手間と時間をかけた、壮大なギャンブルです。
 ここ数年は、気象がちょっとおかしいのか、やや凶作気味です。

 しかし、どうしてこんな、採算度外視の非効率的なやり方で作るのか。
 それは、段違いで美味い椎茸を食べることができるからです。
 うちでとれた椎茸を、知り合いに食べさせると、皆さんとても喜んでくれます。

 まず、「椎茸って、こんなに大きくなるの?」と言われます。
 どうかすると、大人が片手を広げたくらいの大きさになることもある。
 これは、普通の椎茸農家さんは大きくなる前に収穫する、というだけの話で、椎茸は本来、ほったらかしてると、まあまあ大きくなってしまうものなんです。
 本当は、手頃な大きさで収穫する方が、より美味しいみたいなんですが、食べ物は見た目のインパクトも大事ですから、お裾分けするときは、こういうものを1~2枚混ぜておいたりします。
 それでも充分美味しいですけどね。

 そして、うちの椎茸を天ぷらやソテーにして食べさせると、その歯ごたえと風味に驚かれます。味噌汁に入れたら、出汁が要りません。

「自分が食べてきた椎茸と違う」という言葉は何度か頂きました。

 ほったらかし原木から椎茸が生えてくるのは、春と秋です。
 適度な水分と温度を保てば一年中生えるのかも知れませんけど。
 春の椎茸は数は多いけれど、食感は少々水っぽい。それでもスーパーの椎茸よりは格段に美味いです。
 秋の椎茸は数はやや少ないけれど、食感、味、共に最高です。

 うちの家族は全員、松茸に一切の執着がありません。
 そのくらい美味です。
 シメジや舞茸などの他のキノコにも、同じようなことは言えるのかも知れませんね。

 ホームセンターなどには、コマ打ち済み、寝かせ済みの、「今年生えてきますよ」という状態の椎茸原木が、1本1000円程度で売られていることがあるようですが、うちはこれを買ったことはないので、どういう感じの椎茸が生えてくるかは解りません。
 でも、興味が涌かれた方、「もし生えてこなくても泣かない」とお約束できる方は、買って、適当な場所に置いてみてもよろしいんじゃないかと思います。詳しい話は店員さんにお尋ねください。

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