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エッセイ

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長いつぶやきのようなものです。
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2022年2月の記事一覧

落語講談雑感・談志と伯山

※文中では、著名人の敬称は略します。  小さな頃から落語が好きでした。  小朝と歌丸は上手いなあと思いながら育ち、大人になってから、談志と志の輔の落語に頭をぶん殴られ、惚れ込んで今に至ります。今は、志ん朝も聴きやすくて良いなと思う。上善如水という言葉が浮かびます。  しかし私は随分歳をとるまで、講談の方は、まともに聴いたことがありませんでした。  それまで私が知る講談の演目と言えば、談志が演る源平盛衰記くらい。  源平と言っても、談志が演っている時点で、いわゆる「講談」で

カレーを食べたい日の私

 カレーを無性に食べたくなることがある。  手軽にレトルトを温めるのもいい。  たまには、愛想がいいんだか悪いんだかわからないインド人がやっている店のチキンカレーに、ナンをちぎって浸して口に放り込もうか。  しかし、いちばん厄介なのは、「何かそんな気分じゃない」と思ってしまったときである。  作るしかないじゃないか。  とはいえ、私は、カレーを「作りたい」わけじゃない。  カレーを「食べたい」のだ。  だから、よく解らない名前のスパイスなんかは使わない。  寝ても覚めてもカ

父との会話の記憶・復員兵の選択

 私が小学生だった頃。  その夜いつものように、家族で夕食の卓を囲んでいました。  小学校の授業の一環で、クラスの中でお遊戯会の出し物のようなことをすることがあって、当時私は、劇の台本を書くことを任されることがよくありました。  当時から、完全オリジナルで作り上げることができるほどの才は無く、勢い、童話や昔話をベースにちょいちょいといじって別物にするという手法はこの頃すでによくとっておりました。パロディとか言うんですかね。いいんだよ。手法その物はその昔芥川だってやったことで

私の本棚

 うちの両親は、子の買いそろえた本を、平気で捨てたり勝手に人にあげたりすることがある人だった。  今ならいろんな人から同情される事案であろう。それでも彼らには彼らなりの理由があったのだと思う。私は、家に帰ったらゴロゴロ寝転がって本ばかり読んでいる軽度の活字中毒者だった。両親は多分「余計な趣味に時間を使わなければ、その分勉強の時間を増やせる」と単純に信じていただけで、基本的に善良で真面目な人達だったのだ。だから今更それは咎めまい。  しかし、そのせいで私は、気に入っている本ほ

長続きする関係に存在する共通点

 長続きしそうなカップルと、うまくいかなそうなカップル。  最近、何となく見分けがつくような気がしてきたので、覚え書き程度に記します。  正確に言うと、夫婦にしろ恋人にしろ、相性が良さそうなカップルには、ひとつ共通点があるような気がする、ということです。  勿論物事には何でも例外というものはありますので、あくまでも私の独断と偏見による、大まかな傾向ですけども。  普通に、仲が良さそうなカップルがそのまま末永く添い遂げることも、喧嘩ばかりしてるカップルがあっさり別れること

原木椎茸のススメ

 本日、朝から、椎茸の原木の仕込みをしました。  うちは農家じゃないのに、毎年2月頃になると、椎茸の原木を作ります。  台地用に事前に準備しておいたドングリの丸太や枝に、ドリルで等間隔に穴を開け、その穴に椎茸の菌のコマを打ち込み、あまり日の当たらないところに一年寝かせる。  材木も、切った後、ある程度期間を置く必要があるみたいです。  つまり、おがくずの台地での栽培と違い、収穫まで時間がかかります。  原木作りは、家族総出に加え、親戚に手伝ってもらいながらの、結構な重労働で