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無門関・考察

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無門関の公案の、個人的な考察です。
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#特講

無門関第四十六則「竿頭進歩」⑥

 無門関第四十六則「竿頭進歩」について綴っています。  公案の現代語訳は、こちら。  あの講習会の何がそんなに怖いのか。 「オレは大丈夫だもん」と思う人に、「人間は自分が思うほど頑丈じゃないよ」という話を、してみます。  講習中、受講者は、ぐいぐい会に引きずり込まれる人と、比較的冷静を保つ人に分かれ始めます。  私が読んだ資料には、「喫煙者は、比較的、変化の進行度合が遅かった」ということが書かれていました。  喫煙者は、煙草を吸うために、自発的に喫煙所に集まります。  勢

無門関第四十六則「竿頭進歩」⑤

 無門関第四十六則「竿頭進歩」について綴っています。  公案の現代語訳は、こちら。  ヤバい講習会シリーズ5日目から。  この頃から、受講者に、いろんな変化が表れます。  6日目からは、日常の軽作業を体験しながら、会での暮らしについて教わります。  初日でもサラッとは触れられますが、初日とは、受講者の反応がかなり違ってきます。  詳しい内容は割愛しますが、要は、初日に比べて「話されることが、受講者の頭にダイレクトに染みこんでしまう」ということです。  これ、恐ろしいのは

無門関第四十六則「竿頭進歩」④

 無門関第四十六則「竿頭進歩」について綴っています。  公案の現代語訳は、こちら。  前回の続き。講習会の4日目からです。  この辺りから、少しずつ疲労がたまり始めます。  この講習の間、受講者は大きな広間に幾つも布団を敷き、その布団に二人一組で一緒に寝ることになります。  初めて会ったばかりの他人と同じ布団で寝るんです。  連日、わずかな休憩と、食事、入浴等を除けば、ぶっ通しで考えさせられるのに、質のいい睡眠がとれない。疲労が残り始めます。  講習会4日目。 「あなたは

無門関第四十六則「竿頭進歩」③

 無門関第四十六則「竿頭進歩」について。  公案の現代語訳は、こちら。  「本当に起ったヤバい話」を綴っています。  2日目。講習の進行役が、例えばこんなお題を出します。 「嫌いなものは、なんですか?」  進行役は穏やかに受講者をランダムに指名し、指名された受講者は「嫌いなものはトマトです」「カエルです」「酒が嫌いです」「会社の上司が」などと思い思いに答えます。  事前に各受講者に「必要だから」と聞き取りを行っていたのでしょう。  準備されていた各々の「嫌いなもの」の

無門関第四十六則「竿頭進歩」②

 無門関第四十六則「竿頭進歩」について、綴っています。  公案の現代語訳は、こちら。  今回は、前回の続き。  前回予告した、「とってもヤバい話」を、数回に分けて綴る予定です。  具体的な団体名は、ここでは伏せることにします。 「どこで起ったのか」は、今回のテーマには重要ではないと思うので。  その会は、農業と酪農を基盤としたコミューンの体をしています。  会員はその団体の敷地で集団生活を送り、農業や酪農に従事し、生産物を分配して食し、余剰生産物を近隣の住民に売り、その