5/23(土)島子屋オンライン勉強会vol.1〜非認知能力とはなんぞや〜
こんにちは!ちーちゃん@屋久島です。
島子屋では「非認知能力」と「探究学習」をキーワードに
屋久島だからこそできる放課後支援のあり方を模索しています。
さて記念すべき第1回目の勉強会。
まずはじめに対話の時間として
「教育に興味をもったきっかけ」
「屋久島にこんな教育あったらいいな」
2つのお題で参加者のみなさんに語っていただきました。
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いや〜アツかった!
勉強会よりもだいぶ長くなっちゃいましたね笑
でもそれが心地よくも感じられました。
自分の体験やビジョンと今日の場を結びつけることが
体験の内面化を促すきっかけになり、学びにつながっていくのだなあとしみじみ(この話はあとでくわしく!)。
この感覚はぜひとも直接あじわっていただきたいので
みんなの発言内容は割愛します。ぜひ勉強会にご参加あれ〜!
そして離島のあたらしい放課後創造プロジェクトについてかんたんにお話して
(ざっくりすぎる島子屋の説明はこちら↓)
このプロジェクトの柱ともいえる非認知能力について
学びを深めていきました。
「学力テストで測れない 非認知能力が子どもを伸ばす」(中山芳一、2018、東京書籍)
ここからここまでという明確な定義がなく、
なんだかつかみどころのない「非認知能力」。
非認知能力への扉として、とても読みやすくわかりやすかった本のなかから重要ポイントを4つほどピックアップして、サクッと解説しました。
さあいってみよう!
ポイント①【そもそも非認知能力ってなに?】
具体的にいうと好奇心、やり抜く力、自制心など
IQや学力(認知能力)からは測定できない内面の力。
ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマン教授の研究
ペリー就学前プロジェクトの成果によってその重要性が広く知られるようになりました。
イメージとしては、家を建てるときの柱のようなもの。
これはなんとわかりやすい表現!
自己肯定感が土台としてあり、非認知能力が柱としてある(認知能力は窓や塗装のイメージ)。
いくらIQや学力(認知能力)が高くても、土台(自己肯定感)や柱(非認知能力)がガタガタならいつか崩れてしまうよね、ということ。
どれが一番重要ということではなく、家にとってはどれも大事な要素です。
ポイント②【非認知能力はどう扱われているか】
世界(OECD)では社会情動的スキルとして表現されている。社会情動的スキルは、認知的スキルと相互作用的に高まる。つまり、どちらも必要。ふむ。
日本では学習指導要領のなかで生きる力がある。
そのなかの柱に一つに、学びに向かう力、人間性として非認知能力がある。
ふむふむ。
未来の切り口では、今後10〜20年間で、今ある仕事の半分がなくなるといわれている。非認知能力はAIと共存するために必要な力。ほほ〜なるほど。
ここでわたしが重要だと感じたのは、日本でも世界でも未来でも非認知能力は必要な力として位置づけられている。しかも単体としてではなく認知能力やその中間の力と相互的に高まっていくということ。
つい非認知能力にスポットライトをあてがちだけど、認知能力を高める学習の場も、非認知能力を高める場も、どっちも大事なんだよね。うんうん、再認識。
ポイント③【非認知能力をどう高めるか】
ここからさらに踏み込んだ内容になっていきます!
非認知能力を高める場として家庭環境と課外活動が挙げられることもありますが、大切なのは、体験→経験→学び→能力のサイクルでしょと。
体験と経験のちがいってなんじゃい!とおもう方もいることでしょう。
たとえば、わたしが樹海でエコツアーガイドをしていたときの話をしましょう。
あからさまに気だるそうな態度で、文句を言ったり、木を殴ったりする修学旅行生がいました。
その子にとってエコツアーは残念ながら単なる体験でおわったにすぎず、そこからは何も生まれない状態だった(真相はわかりませんが、当時すごくもやもやしました)。
つまりは、私たちが体験するものすべてが必ずしも経験になっている(=内面化されている)わけではないよねということ。
体験をふりかえり、疑問をもったり自分なりに考えたりして学ぶサイクルこそが
非認知能力を高めることにつながる。
探究学習のプロセスとも似ていますね。
ポイント④【評価の方法】
非認知能力について調査するなかで未だ答えがみつかっていないもの、それは
子どもの非認知能力をどう評価するか。
そのヒントになりそうなこともありました!
それは、構成要素を具体化していくというやり方。
(勉強会で話したこと以外に例を考えたのでここで紹介します)
たとえばやり抜く力を例に挙げます。
Aくんのやり抜く力を評価する、というと大まかすぎてピンとこないですよね。
ならば具体化してみよう。
たとえば
・1年間、島子屋にかよう。
・冬休み明けまでに、1つのプロジェクトを達成する
などと設定すればわかりやすいのでは?ということです。
ただし、後者でいうと1つのプロジェクトを達成できたから良い、と評価するのではなく
達成できない場合もプロジェクトに途中まで取り組むことができた、3月に達成した、など肯定的に評価するのがミソ。
非認知能力は明確な定義がないからこそ、なんとなく変化を感じるだけでなく場のなかで具体的な指標をもって評価していくのはどうだろう、というのが要旨でした。
この革新的なアイディアに触れて、
みんなで非認知能力を具体化していく作業を、ワークショップとして企画したらおもしろそうだな〜!と勝手な妄想にふけてしまいました汗
それはさておき、ポイント解説のあとは、感想をシェアするぺちゃくちゃタイム!
・やっぱり非認知能力って大事だよなあ
・屋久島のすべての子に学童などの課外活動を提供できているかっていうとそうじゃない現状があるよね
・でも、そもそも評価できない非認知能力を評価するのってどうなの?
うんうん、とうなずくところ、
うーん、と考えるところ。
お〜、なんだか、共感や疑問、さまざまな感情のなかにある
この場自体が学びに最適な場として存在している…!
島子屋のめざすところが大人たちによって体現されているようで
とってもうれしかったです^^
参加してくださったみなさんありがとう〜!
次回は6月6日(土)オンラインにて夜な夜な開催予定です!
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