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「ゼロ円」発注をしてはいけない。№139

 創業時に最も気を付けなければならいこと。それは「ゼロ円」発注をしないことです。はい。絶対ダメです。甘えてはいけません。

 でもスタートアップ時にはやってしまうんです。私もそうでした。中国ビジネスは「ゼロ円」発注だけでスタートさせたようなものです。だってお金が無いのですから……

 とにかくお金がない。それが創業時です。「簡単な作業だから、タダで手伝ってよ。」「友達だから、出世払いでお願いできないかな?」「ちょっと、これ教えてよ。」会社を興したばかりの社長が良く使うセリフです。これらのセリフを絶対使わない。私はそう決めて「鮪のシマハラ」をスタートさせています。

 なぜ、ダメなのか?それは相手に対するリスペクトが無いからです。「みんな商売をしています。ボランティアではありません。」タダで相手を手伝う理由など何一つないのです。

 会社を興すとは、プロのリングに上がるということです。プロのリングではアイディアも資料もアドバイスも、すべてが有料です。挨拶で交わされる天気の話ですら有料、それくらいの気持ちで臨んでいれば間違いない。それがプロでやるということです。

 会社がらみでの活動はすべて伝票を立てる。これが基本です。金額の問題ではありません。たとえ100円であっても、私は必ず伝票を立てて会計処理を行います。プロのリングで戦っている、ささやかな私のプライドです。

 このプライドが次の仕事を生む。私はそう信じています。水道橋2号店の内装は、有名なデザイナーにデザインを相談しました。結果仕事を依頼するには至りませんでしたが、沢山のアイディアを頂きました。これらも伝票を立て会計処理をさせて頂きました。恥ずかしくなるような少ない金額ですが、私の方から提示させてもらいました。

 「島原さん、そんな少ない金額をもらってもしょうがない。伝票を立てる経費の方が無駄になる。次回スケルトンからやる大きな仕事依頼を期待しているよ。」そう言ってくださいましたが、私の自己満足のために、食い下がり伝票をたてました。

 今回も「鮪のシマハラ」はリングからは下りなかった。次回も胸を張ってデザイナーさんと会うことができます。将来きっと大きな仕事につながることを、私は確信しています。

 ゼロ円発注はダメですが、金額は徹底的に交渉しましょう。値切りましょう。会社の規模は関係ありません。支払う金額は1円でも安く、商売の基本です。

 最後に正直に言います。カッコ良いことを言っていますが、支払いが滞っている案件もたくさんあります。創業間もない「鮪のシマハラ」ですが、すでにいくつかの不義理の案件も抱えています。理由は単純に資金繰りが悪化しているからです。

 これらも解決しなければなりません。逃げることもできないし、解決しなければ商売も継続できません。一刻も早く解決して、これらのストレスから解放されたい。そう思いながら、毎日通帳をながめています。潤沢な内部留保で余裕のある経営を。そんな未来を想像しながら




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