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中国(海外)ビジネスの醍醐味

 上海で15年間商売をしました。そのためか、これから中国でビジネスを始めようとする方とお話をさせて頂く機会が多々あります。そのなかで多くいただく質問が「中国人に騙されませんか?中国人は信用できますか?」といった類のものです。

 結論から言うと、中国人だから騙されたり信用できないと言うようなことはないと思います。商売をやっているのです。自社の利益を追求しているのです。図らずも義理を欠いたり、意図的に不義理をされることはよくあることだと思います。それは日本であれ中国であれ同じことです。

 海外では言葉、習慣、育った環境が全く違う相手とビジネスをすることになります。その理解の違いから、相手に騙されたと感じたり約束が反故にされたと感じることはよくあります。その結果、相手を信用できないと考えるようになる。星の数ほどよくある話です。ただそれは相手が中国人だから起こる訳ではなく、理解の違いから生じるものです。

 この「理解の違い」こそが海外ビジネスの醍醐味です。これを楽しみましょう。そうでなければ海外でビジネスをする意味はないと思います。また早い段階で習得したいスキルは、語学ではなくこの「理解の違い」を乗り越えるタフさです。

 「そんな風に解釈していたんだ。」「そんな主張をしてくるんだ。」「そもそも契約書の概念が違う。」そんなことの連続です。「今回はそうきたか?」本当に面白いことを主張してくるなぁ。と楽しんでやるくらいでなければ生き残れません。楽しく、タフに、ポジティブにが基本姿勢です。

 そもそも相手のフィールドに乗り込んでビジネスを展開するのです。アウェイなのです。始める前から「騙されないか?信用できるのか?」などと考える人は、海外ビジネスに向いていないのです。わざわざ海外でビジネスをやる必要はありません。日本国内にも十分な市場があるのですから。

 わたしが中国ビジネスで常に意識してきたことの中に「中国で、中国人相手に、中国人と商売をする。」というものがあります。

 多くの方やビジネス書が「中国で、中国人相手にどう商売するか。」について指南しています。これでは不十分です。最も大切な「中国人と」が抜けています。中国人と一緒にどう商売をするかが抜けているのです。中国に乗り込んで商売をするのに、現地の中国人とどう足並みを揃えるかを考えていないのです。これではうまくいくはずがありません。またそんな外国人が現地人から信用されるはずもありません。

 一緒に商売をする中国の方をまっすぐな目でみる。これがスタートです。商売において、騙し騙されたはお互い様です。日本であっても同じことです。まずは邪念のないまっすぐな目でお互いをみること。そのうえで文化の違いを乗り越えていくタフさを身に付ける。どうです?海外ビジネス楽しすぎませんか。ワクワクしませんか。わたしは間違いなく、中国人と中国ビジネスに育ててもらいました。中国で培ったタフさと鉄のハートを武器に「鮪のシマハラ」を大きく成長させるつもりです。

 今回は中国ビジネスについて書きました。最後に最も多く質問される「中国ビジネスで一番必要なスキルはなんですか?」にお答えします。それは中国人から愛されることです。簡単ですよ。まっすぐな目で見て付き合えばよいのですから。

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