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「鮪のシマハラ」1号店は総額2,000万円で仕上げる。


 6月のオープンに向けてアクセル全開の「鮪のシマハラ」ですが、初期費用は総額2000万円に設定しています。物件取得費用や食器代等すべて込みで2000万円です。つまり物件を取得し人を採用して、メニュー開発、食器やユニフォームの購入……すべてを終えオープンまでに2000万円しか使えないということです。飲食関係者の方ならご理解いただけると思いますが、かなり厳しい数字です。都内の中心地であれば物件取得費用だけでも1000万円近く必要です。

 初期費用に枠を設定している理由は、身銭なのであまり使いたくないというのもありますが、企業としての収益性を早く高めたいというのが一番です。回収が早いドル箱店を3つ4つ持たなければ多店舗展開に勢いがつきません。また「鮪のシマハラ」で新しいことにどんどん挑戦するためにも現金を多く残すモデルが必要です。一億円かけたからといって売上が5倍になるわけではありません。マグロ=ビジネスである以上、「結局いくら儲かってんの?」というゴールにたどり着きます。

 コンセプトがしっかりしていて、お店がとがっていれば、内装はテーブルとイスがあれば十分いうのが私の信条です。お洒落な内装でお客様をよびたいわけではありません。やはりマグロでお客様に来て欲しいのです。

 上海の1号店も粗末なテーブルとイスを並べた24席の食堂のような店でした。そこから上海でのマグロ快進撃が始まりました。店もスタッフもギラギラしていました。あのころの自分に戻りたいのです。「鮪のシマハラ」が圧倒的であるために豪華な内装が必要とは考えていません。「初期費用2000万円で不当に利益をあげる店。」が私たちのマグロ伝説のスタートです。ダメです。考えただけで悶絶しそうです。

 神保町1号店はイカセンターさんの店舗あとに居ぬきで入ります。イカセンターさんの看板にバッテンをして、うえからペンキで「鮪のシマハラ」と書き直す。本当にそれくらいのことしかできません。来店されたお客様が「本当に金がかかってないな。」とびっくりされる様子が目に浮かびます。そこで提供されるマグロにまた驚かされる。最高です。店舗の粗末さにおいても圧倒的な「鮪のシマハラ」です。


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