
母性と父性
あたしには「男の父性本能を刺激する」という妙な才能がある。
あたしとつき合った男たちは、なぜか親しくなるにつれ「お父さん」っぽい振る舞いをするようになる。つまり、あたしを「娘」のように扱うようになるのだ。
そのことをハッキリと自覚したのは、初めて年下の男が彼氏になったときだ。
年上の男が彼女を(愛情を持って)小馬鹿にしたり「しょーがねぇなぁ」と言いながら助けてくれたりするのはよくあることだが、同じことを年下からやられると違和感を覚える。
だが、自分の男に「弱くて頼りない生き物」扱いされるのは、不思議とイヤじゃない。
これが会社の同僚とかだったらムカつくであろう。
でも恋人だけは「しょーがねぇから俺が守ってやるよ」的な意志を感じるせいか、ダメな奴扱いされても腹が立たない。
この続きをみるには
この続き:
2,089文字
記事を購入
300円