【島田組】社員インタビュー #01|土木部 磯部さん
こんにちは!新潟大学3年の長谷川葵です。
今回から3回にわたり、島田組の社員の方々へのインタビュー記事を公開していく予定です。
記念すべき第1回目は、土木部グループマネージャー、磯部さん!磯部さんが、どんなビジョンをもって働いているのか……。大学生の私だからこそ聞き出せる言葉があると思い、現場に向かいました。
【質問項目一覧】
磯部さんのプロフィール
現場に到着した私は、まず工事現場を見学させていただきました。今回の現場は、国道252号線沿いの組み立て歩道。ここでは主に、今回の工事に関してのお話を伺います!
――現在、磯部さんは、どのような工事に携わられていますか?
磯:現在は、国道252号線沿いの組立歩道の補強工事を担当しています。ここは昔から湧水が多い土地で、その水が長年の間抜け切らなかったため、歩道部分に無理な力がかかってしまい、地下の一部コンクリートが破損してしまっているんです。その破損部分を補修する工事を行っています。現状、約40%ほどが完成した形です。
――請負から施行までの流れを教えてください
磯:この工事は新潟県から依頼を受けて行っています。道路工事の場合、依頼を受けたのち、まず、事前確認コンサルタントを通じて現場の状況を把握します。その確認が完了後、行政からの承諾を経て施行開始、という流れになります。でも、このプロセスは現場によるところが多いので、ケースバイケースで、状況判断を行っている形です。
――今回の現場は、何名くらいで作業を進められていますか?
磯:今回の現場は3名で常時作業を行っています。工期は180日ほどの予定です。
ここからは場所を移して、磯部さんのこれまでを伺います。
――この仕事を選んだきっかけを教えてください
磯:実家が建設業を営んでいたという部分から、若い頃から職業に関する選択は、「もうこれしかない」というところでした。この仕事を始めたのは18歳の時。島田組に入社したのは、平成20年(2008年)です。
――建設業に関して、磯部さん自身が働き始めたころと変わったなと思うところはありますか?
磯:休日制度は大きく変わったと感じます。私がこの業界で働き始めたころは、休日は第1第3日曜日くらい。一か月の休みが2回なんてのは当たり前の時代でした。それに比べたら、今はバラ色ですね(笑)。今はもう、それこそ完全週休2日制に移行しているので、土日祝は完全休日です。これは、私が入社した平成20年頃は、「推奨」という形だったと記憶しています。時代の流れに沿って、完全週休2日制が定着していった印象です。
長:そのほかにもありますか?
磯:安全管理に関してはかなり変わったと感じます。今でいうと高所作業の安全帯の着用義務とかそういったものが厳しくなってきているし、その辺に関する教育も熱心になってきましたよね。
長:確かに…。私の祖父も大工をやっているのですが、15年ほど前に、作業中、屋根から落ちて入院したことがありました。
磯:やっぱりどうしても、こういう建設業っていうのは危険と隣り合わせなので、その危険に関しての感覚が疎いんですよ。度胸試しのような側面もあって、危なくてなんぼ、「このくらいの高さであれば、安全帯は必要ない」みたいなところも昔はありました。今はもう逆で、いかに安全を確保しながら作業を進めるかが最優先です。
ーー1日のスケジュールを教えてください
磯:朝8時に点呼を行い、作業を開始します。10時と15時に休憩をはさみ、17時に作業終了、というのが全体の流れです。私個人の流れとしては、7時過ぎから大体の作業の組み立てを行ったり、安全関係の書類の作成を行っています。そして17時の作業終了後から30分ほど、翌日の作業の見立てですとか、作業状況を写真に残したりの業務を行っている形になります。
――作業を行う中で大切にしていることはありますか?
磯:危機管理です。逆質問ですけど、危機管理って何だと思いますか?
長:危機管理…。起こりうるリスク、危険性を事前に潰しておくことでしょうか。
磯:うん。要は想定をすること。危機管理のスタートは「想定」なんです。どういうことが起こりうるかという想定で、その想定に対して、どうすればよい対処ができるかということを考え、その結果どうなるかまでもっていく。そこまでがセットで、危機管理だと私は捉えています。
――1つの現場には、平均して何名くらいの社員さんが従事されますか?
磯:大勢で作業を行わないとならない現場、例えば、作業エリアが広くて工事が多岐にわたる現場は、同時施工の必要性があるので、多くの人手が必要になります。その一方で、1つの工程を1班でこなすことのできる現場であれば、大体5人くらいで回せると思います。
長:それでは少し毛色を変えて、働く環境に関してお話を伺いたいです。
――島田組に勤務されている従業員の方は、どういった人が多いと感じますか?
磯:素直な人が多いと感じます。偏見を持たない人が多いです。この業界だと、思い込みや予想がハマるときはドンピシャに当たるんですが、それが足かせになることも多々あります。現場のトップの指示に対して、社員一人ひとりが自分の考えを持ちつつも、集団でまとまって進んでいこうという姿勢を示してくれていると感じています。集団のまとまりは強く感じますね。
――これまで多くの後輩が入社してきたと思いますが、磯部さんご自身は、そうした後輩から見てどのような先輩でありたいとお考えですか?
磯:価値観を押し付けない先輩でありたいです。いろいろな部分について、「自分はこうだったから、こうだ」という決めつけた価値観があるとは思うんだけど、それを相手に押し付けないというのが、今、一番気をつけていることではあります。
――若い世代からみて、今、どのような先輩がカッコいい先輩だと思いますか?
磯:若い世代からみてカッコいい……。口を出さずに責任をとる先輩が一番カッコいいんじゃないでしょうか。我々が若い時も、自分の好きなようにやらせてくれて、失敗した際の責任は一緒にとってくれる先輩をカッコいいと思っていました。これは、別に世代関係なく、そうなんじゃないですか?逆に私から聞きたいくらいですよ。理想の先輩像があれば、そうなろうと努力するしね。
――磯部さんは、土木部のグループマネージャーとして多岐にわたる工事に取り組まれていると思います。こうした工事を通じて、磯部さん自身、どのような人たちを幸せにしていると思いますか?
磯:今回の道路の補修工事であれば、そこを利用する人ですよね。そこを利用する人が、利用しやすいようにすることが我々の仕事なので。
長:工事を通じて、地域社会の皆さんと関わる機会はありますか?
磯:ありますよ。その関わりを自分から排除することも簡単です。例えばこの歩道工事だったら、区長さんと事前に連絡を取りあって作業を行っているのですが、その時にただ事務的に伝えるのか、それとも「お互い大変ですけど……」と世間話を交えて伝えるのかでは、受け止め方が違ってくると思うんです。きちんとした人間関係の構築って、社内もそうだし、発注者側もそうだし、いろんな部分で大切になってくると思います。工事を円滑に進めるためにも、周りの人と上手くやっていくためにも、そういった関わりは重要になってくる。チームでやっている以上、それが全てと言ってもいいんじゃないでしょうか。
――最後に磯部さん自身の今後の展望をお伺いしたいです
磯:若い世代の人々から業界に入ってもらいたいという気持ちも、もちろんありますが、シニアを活用する方向に進んで行ってもらいたいと思うんです。70歳定年というのも見えている状況下で、例えば、60歳から70歳のシニア枠を設けて、その人たちが若い人と同じような環境の下で、共存して仕事ができること、これが私の思う理想の形です。その部分に自分が関われるのであれば、そうしたいなという気持ちはあります。
長:インタビューは以上です。本日は貴重なお時間ありがとうございました!
今回は、土木部グループマネージャーの磯部さんにお話を伺いました。
今回のインタビューで一番印象に残ったのは、磯部さんの将来の展望に関してのお言葉です。若手に注目しがちな風潮の中、シニア制度に関して言及され、また同時に、「その部分に自分が関われるのであれば、そうしたいなという気持ちがある」とも仰っていたのが印象的でした。そのため、シニア活用に関して、より詳しくその展望・構想を知りたく、後日、改めてお話を伺いました。
磯部さんは、そのシニア採用の構想を、「65歳以上の年金受給者を対象にした、特定のスキルや資格をもった人材を採用し、社員の資質向上を目的とした教育システムに取り入れる」ことだと仰っていました。また、新人教育や、技術教育、施工管理教育を主な業務とし、非常勤またはフレックスタイム制で、雇用契約を結び、現在の再雇用制度とは異なった採用形式を提案されていました。
今年4月に社長が交代し、「上を向いて挑む。」というコーポレートメッセージのもとで、新たな取り組みを行う島田組。
そんな島田組において、今回、磯部さんが語ったシニア採用構想は、非常に有意義なものであると私自身感じました。世間の風潮として、若者の採用や活用に着目しがちである中、シニアの活用も高齢化が進む現代において豊富な人材の活用という観点で必要不可欠な要素であると考えます。
島田組として、上を向いて挑み、人とまちの幸せを想像するためには、幅広い年代の社員のみなさん、ひとりひとりが目標を持って、業務を行う必要があります。今回の社員インタビュー記事を通じて、ひとりひとりの社員さんが、何を考えて仕事に従事されているのかを知るきっかけとなったら幸いです。
次回は、建築部の太田さんにお話を伺います!