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独立の1年前から読む『一人サロン開業の教科書』

こんにちは!一人サロン経営塾のシマダ アツシです。

自由が丘で1日3名様限定のヘアサロンPelodiasをしております。

カット4,000円のサロンから一気にカット7,000円で一人サロンを独立開業し、1年後に10,000円に価格改定。

今はカット22,000円という価格帯で平均リピート率97.1%(新規もリピーターも含む)

ご新規は受けれないので紹介を含め1年以上お断りしている状況です。

ちなみに男の子2人の父でもありまして、子育てとプライベートも全力で楽しみたいので週休3日で、家族とサロンの顧客を大切にしながら生きてます。

Work Hard.Play Harder.(人生かけて仕事します。命けずって遊びます)がモットー。

より詳しい実績や自己紹介については「一人サロン経営塾」や「Pelodias」のWebサイトをご覧くださいませ。


うまくいかないオーナーの共通点

僕はこれまでの経験を活かして、一人サロンオーナーに向けて情報発信をしたり個別コンサルをしております。

その中でなかなか軌道に乗れなくて困ってる方や、かろうじて赤字ではないけど利益が出ないという方からも相談をいただくんですけど

そういったオーナーの共通点がありまして

「もっと経営の勉強をしておくべきだった…」
「もっと開業準備を入念にすべきだった…」
「もっと早く情報を知りたかった…」

とおっしゃることが多いんです。

このように開業準備や勉強が不十分なままサロン開業し独立した結果、うまくいかずコンサルを依頼したり勉強をしなおしたりするわけです。

なぜこうなってしまうかというと、美容師さんは売れるために(お客様に喜んでいただくために)技術を磨くことに注力してきたからなんですよ。

アシスタントから駆け出しのスタイリストの間はとにかく練習!なにより技術!を身につけるために一生懸命やってきましたよね?

それでようやくお客様がついて、いよいよ独立しようと経営の勉強を始めようとしても、サロンの店長業務や後輩の教育などがあり、十分な時間を取れなかったりします。

結局そのまま勢いで独立開業をしたものの、技術だけではサロン経営はうまくいかない…という現実…

昔から言われてますが美容師としてどれだけ売れてても、経営者として成功するわけではないんです。


もう一つ言うと「じゃあ経営の勉強ってなにすればいいの?」という問題もあります。

本屋さんに行けば「経営」「起業」「マーケティング」といったジャンルの本はたくさん並んでいますが、それは美容室やサロンに最適化されたものではないので、我々には難しすぎて役に立ちません。

サロン開業や美容室経営の本も参考にはなりますが、スタッフ雇用を前提とした事業設計になっており一人サロン向けのものはありません。

そもそも一人サロンって従来型のサロン経営とはやり方が違うんですよ。

ぶっちゃけ。今まで勤務してきたサロンのやり方のまま一人サロンをしてしまうと失敗します。

うーん、なんだかなぁ…

僕はこう考えました。

「そもそも開業前から正しい一人サロンのやり方をお伝えすれば失敗する人が減るのではないか?」

そこで、10年以上かけて勉強してきた「経営」「起業」「マーケティング」などの情報や、自分で開業しサロンを成長させてきたノウハウ、そしてコンサルをしてきた中でよく頂く質問や陥りやすい失敗ポイントなどの知見をマルっとまとめた一人サロン開業の教科書を作りました。


この教科書では、これから一人サロンで独立したい美容師さんに向けて、6ヶ月の開業準備をすることで失敗しないサロン開業をするための方法論をゼロから解説します。


9割のサロンにはコンセプトがない

じつは9割のサロンにはコンセプトがありません。

いや、一応あるようには見せているのですが「コンセプトはなんですか?そのコンセプトを欲しがってるターゲットはどんな人ですか?」

と質問してすぐに答えられるオーナーは滅多にいません。


全国に25万軒。

毎年1万3千のサロンが新しく開業して、毎年1万のサロンが廃業していく中で、選ばれつづけるにはコンセプトやターゲットなどの芯が通ってることが大切です。

「いやいや、コンセプト?ターゲット?なにそれ…」

と思うかもしれませんが、安心してください。

この教科書を使い終わる頃には先ほどの「コンセプトはなんですか?」の質問にサラッと答えられるようになります。


例えば、コンセプトを決めるにはターゲットを決めなければならなくて、ターゲットを決めるには自分の強みやウリを知らなければなりません。

つまり逆算して考えるんですね。

まずは自分の強みやウリを知って→それを欲しがるターゲットをきめる→そして強みとターゲットのニーズを重ね合わせてコンセプトを立てる。

これが強いコンセプトになるのです。

でも、なかなか自分の強みやウリって分かりづらくないですか?

なぜなら自分を客観視することってめちゃめちゃ難しいからです。

では、どうしたら?

他人に教えてもらうしかないんです。

誰があなたの強みを知ってるでしょうか?

あなたの強みやウリ。それを一番よく知ってるのはリピートしてくださるお客様なんですね。

また後ほど詳しく教えていきますが、この教科書ではこのようなマーケティング戦略の部分を大きく扱っているのが特徴です。

なぜなら、コンセプトやターゲットなどマーケティングが固まってないと、あなたも冒頭のオーナーのように路頭に迷ってしまうからです。

では、どんな内容になっているのか?

目次をご紹介していきます。


教科書の目次

この教科書は大きく3つのパートに分かれています。

①開業とお金の話
②マーケティングを考えよう
③サロンの作り方

①開業とお金の話

意外と誰も教えてくれず、相談もしづらいお金の話しをしっかり解説します。

経費や開業費の内訳や、銀行からのお金を借り方なんて学校では習わないですし、勤務先のオーナーも教えてくれませんからね。

・独立してやっていけるか?の指標は指名売上ではなく〇〇率
・サロンを辞めづらい…退職代行はあり?
・一人サロン開業のお金はいくら必要?自己資金がないとダメ?
・一人サロン開業費の内訳
・一人サロン1ヶ月の経費まるごと
・資金調達のやり方とマインドセットの秘訣
・事業計画書は〇〇を煮詰めれば自然とできる
・独立までのスケジュール「14ステップ」
・個人経営か?法人経営か?の答え
・開業届けと青色申告申請書の出し方
・絶対に知っておきたい開業費について
・事業用のカードと口座を用意しよう


②マーケティングを考えよう

独立にあたり最重要タスクであるマーケティング戦略についてステップバイステップで解説します。

ここをクリアにすれば事業計画書もすんなり仕上がりますよ。

・強いコンセプトを決めるために必要なことは?
・自分の強みを知る最良の方法
・ターゲットを明確にする2つのやり方
・自然と売れるメニューの作り方
・価格設定で抑えておくべき3つのポイント
・立地選びの基礎知識と知っておきたい商圏範囲とは
・数値やデータを読み市場調査をしよう
・具体的なテナントの探し方
・内見でチェックすべき11のリスト
・物件契約にかかる費用とは


③サロンの作り方

最新のデジタルツールを使って自動化する方法を惜しげもなく公開してます。

経理も掃除もすべて一人で行う一人サロンだからこそ、手間をはぶき時間を生み出すことが何よりも重要なんですね。

・内装業者と内装費用の注意点
・一人サロンにオススメのシャンプー台
・POS、レジ、クレジット決済の最適解
・Web予約、カルテ、予約表はどう管理してるか
・最先端のサロン作りアイデア7選
・サロン開業のロードマップ


このように全部で28項目あります。気になる内容はありましたか?

じつは、この28項目ほとんどがサロンに勤務しながら準備をすることが可能です。

安定した収入を確保しながらマーケティング戦略を煮詰め、開業にむけて着々と歩を進めましょう。


メリットとデメリット

この教科書を使うメリットは

・あれこれ買わず、この1冊で一人サロン開業ができる
・開業に必要な準備をまよわず最短距離で進める
・30年続くサロンの基礎を固められる
・最新デジタルを駆使したサロン運営で時間が増える

つまり最小限の投資額でまよわず最短距離を進めて、その投資効果は何十年にも及ぶということです。

自分でいうのもなんですが、一人サロン開業を考えてる人は買って損しません。

特典として①マーケティング戦略ワークシート ②備品購入リスト 

をつけていますが、これだけでも大幅な時間短縮になるので、あなたの時給換算したらすぐに元が取れます。

余計な時間はカットし、あなたがやるべきことに集中していただきたい。


逆にこの教科書を買わない方がいい人は

・自習できないタイプの人
・積ん読が多すぎる人

ですね。

本やnoteなど、こういった情報コンテンツは学校や塾の授業とは違って先生のサポートがありません。

なので参考書を買って自分で自習ができなかったり、本を買っただけで満足して読まない本の山が積み上がってるタイプの人は十分に活用できないかもしれません。

まぁ、偉そうにいってる僕も積ん読は多いですけどね笑


でも、ひとつご安心いただきたいのはサポート体制はバッチリです。

もし最後まで読んで、行動してみて、それでもなお難しかったり迷ってしまった時はグループコンサルや個別コンサルによるサポートをご検討ください。必ずお手伝いいたしますのでご安心を。


一人サロンは最高のワークライフ

あなたはどんな一人サロンの未来を描いてますか?

余談ですが、僕の一人サロンの働き方、生き方は

・サロンは週4日、家族と週3日
・お客様は1日3名、19時には閉店
・好きな空間で好きなお客様だけ
・お金持ちじゃないけど十分な収入
・毎月どこかへ旅行か宿泊
・誰も雇わず誰にも雇われず、人間関係ストレスフリー

ありがたいことに自分の理想的な状態を実現できています。

これは技術一辺倒、技術ありきのマインドセットのままだったら不可能でした。

正しい方向に経営ノウハウを学び、マーケティング戦略を考え、サロンで実践してきたからこそと言い切れます。

そこで得たものを体系化し、必要なものはこの教科書に詰めこんであります。

一人サロンはあなたの理想的な働き方、生き方をコントロールできる可能性に満ちあふれてるんですよ。

その実現のために右手にハサミ、左手にスマホ(一人サロン開業の教科書)のプレイングマネージャーでいきましょう!





①開業しようと決めたら

では本編のスタートです。最後までどうぞよろしくお願いいたします。

まずは独立して本当にやっていけるのか?

客観的な数字で判断していく指標をお伝えします。

独立の指標は指名売上ではなく〇〇率

「独立してやっていけるか?」

めちゃめちゃ不安ですよね。

もし今あなたが月の指名売上200万とか300万とかあるなら、売上に対する不安はないかもしれません。

でも数十万の指名売上だったとしたら、独立してやっていけるか?まだ実力が足りないんじゃないか?

不安を感じるのではないでしょうか?

なぜなら、よくある定説で「独立するなら最低でも100万、いや200万は指名売上がないと話にならないよ」という指標があるからです。

確かにそのくらい指名の掴み方を心得ていれば、独立してやっていける可能性は高いといえます。

ただ、そこまでの指名売上に至ってなくても、自信をもって独立を決心できる指標があるので、共有しておきますね。

それは「新規リピート率」と「常連リピート率(4回以上来店)」です。

まだスタイリストデビューして間もない。
新規に入客できる機会が少ない。

そのようなケースでは、十分な実力を持っていたとしても指名100万200万に積み上げるまでに時間がかかってしまいます。

そこで分析してほしいのが「新規リピート率」と「常連リピート率」です。

目安として

新規リピート率「40%以上」
常連リピート率「90%以上」

※設定期間は6ヶ月以内でいいです。

このくらいの数字があれば、リピーターは自動的に積み上がっていきます。

つまり、このまま勤務先のサロンに指名顧客を貯めていくか?

それとも、自分のサロンを作って、そこに指名顧客を貯めていくか?

これだけの違いなんです。

だったらさっさと自分のサロンを作ってしまった方がいいですよね。

さらにいえば自分のサロンでオーナーというポジションを得ることで、リピート率は今よりさらに高まります。

逆にいうと指名売上が200万以上あっても、2つのリピート率がイマイチだったり、独立して新規集客がうまくいかなかったら、厳しい現実が待ち受けてます。

独立を考えるならば指名売上も大切ですが、それ以上にリピート率も分析するようにしてみてください。

※ちなみに、2回目リピート率や3回目リピート率にもそれぞれ意味があって掘るほど課題が浮き彫りになるので、リピート率の改善には有用なんですが、あえて新規と常連の2つに絞っているのは、独立できるかの視点でいえば常連をキープできる守備力と、新規を引き寄せる攻撃力があれば、あとは集客力だけの問題だからです。

サロンを辞めづらい…退職代行はあり?

独立前の相談で意外と多いのが「サロンを辞めさせてもらえなくて…」というもの。

いや、めっちゃ分かりますよ!(急に鼻息荒め)

僕も誠意示して9ヶ月前に退社の意思を伝えてから、毎月オーナーと1対1での食事に誘われ引き留められまくったことも。Soハード!

辞めづらい雰囲気があるとかオーナーが怖いとか、色々な事情があることとお察しします。

そんなわけで最近では退職代行サービスを利用する方も増えてきています。

その前にまず基本的なところをお伝えしておくと労働基準法では「退職の申し入れから2週間経てば会社やオーナーの承認がなくても辞めることができます」

勤めてるサロンが会社であれば(普通は会社です)有給を年5日は取らせる義務があります。

おそらく何年分かの有給が溜まっているケースがほとんどなので、退職の意思を告げたら残りの2週間を有給消化に充てれば即日辞めることが可能。

もし会社が年5日の有給を取らせないと一人当たり30万以下の罰金が課せられます。

で、退職代行サービスではここまでの流れを代行してくれます。

つまりサービスを申し込んだら、もうサロンには行かなくていいので苦しい思いをすることはありません。

(なんなら有給分で代行サービス代金を払っても、プラス返ってくる可能性もある)

「いやいやそこまでではないけど…」という方も、法律ではこれが正しいのだと理解していれば退職のハードルも下がるのではないでしょうか?

お客様の来店サイクルや引き継ぎなど考えると4ヶ月前くらいが妥当なところではありますが、本当に困ってる方、苦しんでる方は退職代行サービスもありだと思いますよ。

僕も不義理をしたことも誠意を尽くしたこともありましたが、どちらにせよ辞めてしまえば過去のこと。

別に絡むこともないし、嫌がらせされないし。されたとしても「弁護士に相談しますよ」とでも言えばいいんじゃないでしょうか。

そんなことよりも、あなたや大切な人の未来を大事にしてくださいね。

一人サロン開業のお金いくら必要?

一人サロンを始めようと思ったときに、まず気になるのが開業資金だと思います。

結論から言うと一人サロンを開業するには800-1200万円くらいは必要になります。

もちろん地方や田舎と都心では家賃も費用も変わってくるので、ざっくりですが。

「え!マジか…そんなに貯金ないし…」という声が聞こえてきそうですが、安心してください。大丈夫です。

自己資金だけで開業する人なんかいないですし、むしろ借入しないなんて逆に無能です。(言い方すみません笑)

なぜなら大金持ちや別事業で成功してからのサロン開業であれば借入は不要ですが、資金に限りがある一般ピープルは自己資金や貯金は生活のために取っておいて、事業は借りてきたお金を使って回す方がクレバーなんですよ。

それに「お金を借りることができる」「計画通りに返せる」という当たり前のことを当たり前にできると銀行や世間からの評価がアップします。

いわゆる実績や社会的信用になるんですね。

実績があると今後なにかにチャレンジしたいな、お金必要だなって時に信用されて借入が有利になります。

先ほど「別事業で成功してからであれば借入は不要」と言ったのは、別事業で借入→返済の実績があればすでに社会的信用があるからです。

なので、初めてサロン開業する時はある程度自己資金が潤沢だったとしても少しは借りた方がいいですし、自己資金が少なくても借りた方がいいです。

借入は悪いことではありません。

むしろ正しく借りてまじめに返す借金は良いことです。

このように新しくサロンを始める人はみんな資金調達をしています。怖がらなくて大丈夫です。

また後ほど資金調達については別途解説します。

一人サロン開業費の内訳

先ほど一人サロン開業には1,000万円前後の費用(それ以上に稼ぎまくるので投資ですけどね)がかかるとお伝えしました。

もっと詳しく内訳を見ていきましょう。

テナントの補償金 3ヶ月〜6ヶ月
工事期間中の家賃 1ヶ月
前家賃 1ヶ月〜2ヶ月
仲介手数料など 1ヶ月
テナント保険料 数万円

※家賃〇ヶ月分という意味です。

家賃10万だとしたら、以上すべて合わせて約60万〜100万になります。

その他の内訳は

内装工事費 1坪40万〜(物価高騰で上がってます)
10坪だとしたら400万〜500万

機材 シャンプー台 80万、デジパー 20万、加温機 20万、鏡、イス 10万

家具、インテリア小物 10万〜
家電 10万〜 冷蔵庫、レンジ、洗濯機、乾燥機、スピーカーなど
美容材料 10万〜 カラー、シャンプー、店販、初期導入費

宣伝広告費 50万〜 ホームページ、ブログ 、ホットペッパー、チラシ

運転資金 100万〜

やはりざっくり1,000万円前後は必要となりますね

工事期間中の家賃に関してはフリーレントといって家賃を免除してくれる場合もありますので、念の為交渉してみても良いかと思います。

内装工事費用は1坪あたり40万からですかね。

昨今のウッドショックやらエネルギー高騰や物価上昇などによりどんどん値上がりしていってます。

1坪あたり50万〜みておいた方が良いかもしれません。

内装に使う材料品質のグレードを抑えることもできますが、ショボい美容室に良いお客様は集まらないのでオススメしません。

それと10年20年先まで持つかも大切な視点です。

初期費用は抑えられたとしても数年で張り替えや交換が必要になってしまえば結果的に損してしまいます。

長期的な視点も忘れないようにしましょう。

後から作り直すのは難しいですし、せっかくの一人サロンでもありますので、納得のいく空間を作ってください。

機材はYUMEシャンプー台は良いお値段しますが、必須ですね。

カットイス、カガミ、炭酸泉、加温機、デジパー機器など。これらは中古にしたら抑えられますので、状態が良いものが運よく見つかればありかと。

材料の初期仕入れですが、それなりに良い商材だと初回導入費としてまとまった仕入れが必要です。

シャンプーからトリートメント、業務用、店販用で一式20万とか30万とかします。

初回はドサッと届くので意外とまとまった費用がかかります


そのようなブランドにこだわらなければ、1つから注文できるものであれば初期費用は抑えられます。

それと、忘れてはならないのが宣伝広告費も重要です。

ホームページ、ブログの製作費。ホットペッパー、チラシ、Google広告など。

開業1年目にどれくらい広告するかによりますが、予算がなくて集客できないと詰むので計上しておいた方がいいです。

ちなみに僕は開業1年で200万円の宣伝広告費を使いましたね。

最後に運転資金です。

プライベートの生活費と固定費。サロンの固定費と変動費。

最低限の維持費がどのくらいかかるか?生活費はどのくらいなのか?を見積もっておくこと。

全く売上が0ってことはないと思いますが、サロンの売上で完全に黒字化するまでに必要な赤字分(運転資金)を確保します。

言うまでもなく、運転資金はあればあるほど安心です。

これは本当のことですが、お金さえあれば潰れないんですよ。

お金の余裕さえあれば広告したりチラシ撒いたりプロモーションしたり、いくらでも打ち手はありますし起死回生の可能性もあります。

黒字になるまで粘り続けることもできます。

運転資金はあればあるほど安心です。ギリギリは絶対にやめましょう。

あと、ちょっとポジショントークも入ってしまいますが、コンサルや顧問などアドバイザーを依頼する費用も資金計画に含めて調達すると運転資金を圧迫しません。

あとから依頼したくなっても資金に余裕がないと厳しくなってしまいますからね。

一人サロン1ヶ月の経費

次は開業した後、サロンを運営していくための経費は何がどのくらいかかるのか?を解説していきます。

ここが明確になると、月にどのくらいの売上があれば独立してやっていけるのかが掴めますからね。

サロンを運営する経費には固定費と変動費があります。

固定費→売上の増減に関係なく必ずかかる固定の経費
変動費→売上の増減に応じて変動する経費

この中でも特に大きな割合を占める大きな経費が3つ「家賃」「仕入」「返済」です。

これら3大経費(家賃、仕入、返済)と固定費、変動費に分けて説明していきますね。

まず3大経費の1つ「家賃」

家賃ってどのくらいが相場か分かりますか?

相場は売上の10%です。

とはいえ、家賃は言うまでもなく固定費で、しかも長期的にかかってくるものなので、可能な限り抑えた方がいいんですよ。

「3日分の売上で払えるくらいが目安」と江戸時代から商売の鉄則として言われてますが、一人サロンなら2日で回収できるくらいが望ましいです。

家賃の目安として80,000円~120,000円程度(もちろん低い方がいい)

適正家賃はご自身の想定売上から逆算すると良いです。

例えば月売上「60万円」だったら「6万円」の家賃なら無理なくやっていけます。

月売上「100万円」だったら「10万円」の家賃が適正。

イメージつきますかね?

逆にいうと「20万円」の物件だったら「200万円」の売上がないと適正ではないということになります。

これであなたの出店したいエリアの物件情報をネットで調べて、シミュレーションしてみてください。

で、先ほど僕は「想定売上から逆算する」といいました。

目標売上ではなく想定売上です。

なぜかというと目標売上って高めに設定しますよね?じゃないと目標じゃないですから。

実際にサロンを始めてみると想定より売上が着いてこなくて、家賃が経営を圧迫するケースは開業あるあるです。

家賃払うために仕事してるみたいになってしまったら悲しいですよね…

なので必ず、低めに見積もった想定売上の10%を家賃目安にしてください。

美容室に限らずビジネス全般に言えることですが、経営がうまくいくところと潰れてしまうところを分かつ最大の原因は家賃の適正額にあります。

売上は毎月一定なわけでもなく、来月や再来月に同じ売上が上がる保証もありません。

コロナのようなこともリーマンショックのようなことも今後も定期的に起こるでしょう。

目立つ立地やオシャレなエリア、広い物件や急行が止まるターミナル駅など、一見あこがれるような物件はありますけど、絶対に惑わされず家賃を抑えた物件を探してください。

変動費はいつでも抑えることができますが、固定費の家賃は後から抑えることができませんからね。

次に3大経費の2つ目「仕入」について

仕入は変動費です。

売上が上がれば仕入が増えて、売上が下がれば仕入が減る変動費なので、抑えようとかあまり気にしなくても良いと思います。

(もちろん過剰在庫はNGですよ)

仕入を分解すると「商品仕入」と「材料仕入」に分かれます。

「商品仕入」に関しては店販がどのくらい売れるかによって大幅に変動します。

「材料仕入」に関しては一人サロンなら技術売上の5%ほどが目安ですね。

店販の販売率は一般的に総売上の5%程度といわれています。

なので商品と材料合わせて試算としては50,000円~100,000円程度になると思います。

商品販売が得意な方はもっと高く想定してくださいね。


次に3大経費の3つ目「返済」について

返済についてはどのくらいの借入額なのか?どのくらいの返済期間なのかによります。

一般的な開業資金が1,000万だとすると、その内の600万から800万ほど借り入れて、8~10年の返済期間を取ると仮定します。

すると毎月の返済額は60,000円から100,000円が目安になると思います。

大きな経費ではありますが、払い終えたら当然この分は利益に変わります。

ここまでの3大経費をまとめると

家賃 80,000~120,000円
仕入 50,000~100,000円
返済 60,000~100,000円

3大経費は抑えめで「190,000円~」高めで「320,000円」ほどになりますね。

ここから固定費の支出について解説していきます。


まず「水道光熱費」

美容室ですのでエアコンや照明やドライヤーなどの電気代、シャンプー台を使うことによる水道料金と給湯器のガス料金。

これらの水道光熱費は10坪ほどのサロンでは地域にもよりますが「月平均25,000円」ほどですかね。

それと「ネット回線」が5,000円ほどかなと。

ケーブルテレビやNURO光などリーズナブルなプランを利用すれば2,000~3,000円に抑えられますが誤差の範囲ですので5,000円としておきます。

水道光熱費 25,000円
ネット回線 5,000円

あとはBGMや電子雑誌などサービスのサブスク経費があれば計上してください。

これらは実質的には固定費になります。


次に変動費の支出について。

まずは「宣伝広告費」

これはサロンが軌道に乗るまでは多めに見積もって良いと思いますが、広告に依存しないように最終的には0円にすべきです。

ホットペッパーは地域とプランでだいぶ差があるのですが最低プランで1ヶ月30,000円~100,000円ほどでしょうかね。

手書きチラシをポスティングすると10,000円~50,000円ほど。

インスタやフェイスブックやGoogle広告は500円から始められて上限がありません。

少額からでもいいので何が効果があるのか色々試してみると良いと思います。

ちなみにPelodiasはオープン1年目に200万円の宣伝広告費をかけましたが、今は0円です。


次に「販促費」

販売促進費やサービス費といって、お客様に喜んでいただくために使う経費ですね。

これは限りなく0円で回してるサロンもけっこうあるのですが、惜しまずかけるべき経費だとぼくは考えます。

ドリンクサービスやお茶漬けのお菓子。電子雑誌や動画配信サービスや誕生日プレゼント。

送料や手数料のサービスも販促費といえるかもしれません。

目安としてカット料金の2~5%ほどはかけるようにしてみてください。

仮にカットが5,000円なら100円から250円ですね。

客数が100人なら10,000円から25,000円になります。


最後に「雑費」ですね。

雑費は多めに見積もっておいた方が良くて、サロンの思わぬ修繕費とか税金や保険料とか、お客様の冠婚葬祭とか色々とあるので。

本当に読めない項目ですけど、ここでは10,000円~50,000円くらいにしておきましょうか。

変動費をまとめると

宣伝広告費 0~100,000円
販促費 10,000~25,000円
雑費 10,000~50,000円

抑えめで「20,000円~」高めで「175,000円」となります。

さてさて、ここまでの「三大経費」と「固定費」と「変動費」を合算してみると

一人サロンの経費はミニマムで240,000円、高めで530,000円

この間に収まると思います。

ここにご自身の生活費をプラスして、それよりも売り上げられる見込みがあるならばGOです!

経費を抑えて運用して100万円売り上げれば76万円があなたの収入になります。

さらに返済が無くなったらどうでしょう?

店舗を構えオーナーになることはもちろんリスクはありますが、しっかりと経営をすれば美容室勤務はもちろんシェアサロンやモール型サロンと比べても大きな経済的メリットと自由度があります。

一人サロンという生き方は時間とお金を自由にコントロールできる可能性に満ちています。

僕は一人サロン経営者はもっと自由にもっと豊かになるべきだと考えています。

資金調達のやり方

さて、資金調達です。

借入といえば銀行だということで、地元の地銀、信用金庫、メガバンクが頭に浮かぶのではないでしょうか?

でも実はこれらは一人サロンなんて相手にしてくれないので行かなくていいです。検討の時間すらムダです。

では、どこに行けばいいのかというと日本政策金融公庫が本命になります。

ほとんどのサロンオーナーはこちらから借り入れてるのではないでしょうか?

審査が通れば2〜3週間で振り込まれるので、着金が早いです。

金利も安く、保証協会や組合を通すとさらに軽減されます。

もう迷わず日本政策金融公庫一択で考えていただければいいかと。

ムダな時間はショートカットしていきましょう。

以下「公庫(こうこ)」と呼びます。

公庫には借入額の30〜40%は自己資金が必要という一説があります。

1000万の開業資金が必要な時に金融公庫から借りるならば少なくとも300万円は自己資金が必要です。

なので独立までに300万円を用意しなければなりません。

もっとも信頼が高いのはコツコツ貯めたお金です。

銀行口座や定期預金や投資信託など記録の残る場所にコツコツ貯めておくことで、計画性と一貫性があると判断されます。

これを読んでくれてる方はアシスタントやスタイリスト駆け出しではないと思いますが、理想はその頃から毎月コツコツ積み立てておくことなんですよね。

逆に、〇月〇日にポーンと300万円が入金されていたら公庫からは「これは何のお金ですか?」と説明を求められます。

このあたりもご注意を。

「いやーそんな計画性もお金もなかったわーオワタ\(^-^)/」

と思った方へ。

これからどうすればいいのかをお伝えしますと。

まずNGなのは消費者金融からのローンや趣味のローンなどがあることです。

話しにならないそうなので、必ずキレイに清算してください。

借入はそれからです。

そして今からでも遅くないので、口座にお金を貯めていきましょう。

それと銀行からすると不動産や車や株などの担保や固い保証人も借りる際の信用に直結します。

次に事業計画と収支計画をしっかりと立てることが重要です。

その出来によって借りられる可能性は上がります。

公庫から借り入れる際のポイントとしては「どのくらい借りれますか?」ではなく「いくら必要だから借してください」というスタンスです。

どれくらい借りれますか?というのはNGです。

まとめると

・なんのために(お金の使い道)
・いくら必要なのか(必要な金額)
・それは何年で返済できるのか(返済計画)
・本当に返済できるのか(担保や保証人や収支計画)

「こうこうこういう計画で、いくら必要なので貸してください。それをいついつまでに黒字化し利益がこのくらいで、何回払いでいついつまでに返します。万が一ダメでも担保と保証人があるのでそちらに損害は与えません。」

このようなスタンスが正解です。

そのためには事業計画書を煮詰めなければなりません。

事業計画に関しては気持ちや熱意ではなく数字で語らないといけませんし、その数字にも客観的な根拠が必要です。


事業計画書はマーケ戦略で明確になる

ではどのように事業計画書を煮詰めていけばいいのか?

ここがハサミを持ってサロンワークだけしておけば良かったプレイヤーから、経営者へとトランスフォーメーションを遂げる第一歩です。

事業計画なんて言うとめちゃめちゃ難しそうに思えるかもしれませんが、安心してください。大丈夫です。

このガイドブックでこれから解説していくマーケティングを煮詰めていけば、自然と事業計画書は明確になります。

どこで、誰が、誰に、何を、いくらで、どうやって提供するのか?

これを1つづつ考えていけば、マーケティング戦略はできあがります。

それに、売上と経費と生活費を予測した計画と、そこからいくらを何年で返済するかの計画を合わせれば事業計画書の出来上がりです。

それを持って公庫に行き、私にお金を貸した方がメリットがある理由を説明しにいきましょう。

そもそもサロンを開業し軌道に乗せる計画が明確になっていなければ失敗しますし、それを第三者の他人が見てツッコミどころがあるようではダメですよね。

歴史的低金利のこの時代、銀行はうまく行きそうなビジネスにはお金を貸したくてたまらないわけですから。

公庫に開業資金すら借りられないようなら、そもそも独立するのは難しいかもしれません。

貸せない=失敗確率が高いから止めた方がいいよ って優しいメッセージでもありますからね。

その場合は素直に出直した方がいいかと思います。


独立までのスケジュール

どうですか?独立する覚悟はできましたか?

「独立する」「サロン開業する」と決めても、何から始めればいいのか?

何から手をつければいいのか分からないので、なかなか先に進めないという相談も多く頂きます。

そこで、独立を決めてから開業までのスケジュールを抑えておきましょう。

どんなことを、いつまでに、どのように準備するのか、これを俯瞰的に具体的に解説します。

開業までの流れは14つのステップになります

独立を決心する
マーケティングを考え始める
コンセプトを決める
出店エリアをリサーチする
集客の準備をする
内装工事の業者を探す
テナントを探す
資金調達をする
退社することを伝える
テナントを契約する(内装工事も契約する)
お客様を引き継ぐ
サロン作りをする
オープン準備をする
いざ開業!

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