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【若手さん向け】「最初の上司の影響は大きい」からこそ、私はどうするの?


就職して最初の上司がどんな人なのか。

それによってその人の仕事人としての人生は大きく変わると言われています。最初の上司に教わった仕事のやり方や仕事への向き合い方など、それは建物の土台のようなもので、その土台如何でその上に何を建てられるかが決まるといっても過言ではありません。

(もちろん、最初の上司がどんな人であるかにかかわらず、経験を積む中で人は様々な発達を遂げるのはそのとおりなのですが、今回はちょっとその話は脇に置かせてください)



人によっては、とても素晴らしい上司の下で成長を実感できている人もいるでしょう。
一方で、他の同期と比べて「うちの上司はポンコツだな、私はハズレだ~」と感じている人もいるかもしれません。


でも、もしあなたがまだ若手で、特に、まさに今一人目の上司の下で一所懸命に仕事を覚えようと努力しているのであれば、ぜひ知っていただきたいことがあります。

それは「最初の上司は重要」だからこそ、最初の上司がポンコツでも将来の自分のために出来ることがあるよ、ということ。


それは、この3つです。

 ◆認識すること
 ◆守破離の「守」から
 ◆違和感コレクション

この3つを意識することで、大きな影響がある最初の上司がどのような上司でも(非常に優秀でもポンコツでも)、自分の成長を自分で支援できると私は考えています。



◆認識すること

まず「認識すること」ですが、これは上司に限らず勤め始めた今の環境が自分の仕事人としてのスキルや心構えの形成に大きな影響を持つということを認識しながら仕事を覚えるといいよ、ということです。

直属の上司がその最たるものであるのは間違いないでしょうが、大きな影響を受けるのは上司だけではありません。今のこの日々が、自分の仕事人生にとても大きな影響を受け続けていると認識することで、修行者モードで上司や仕事に向き合おうとする気持ちが強くなります

今この瞬間の学びが自分の見えない資産の形成に大きな影響があるという自覚がある人ほど、言われた仕事を右から左へこなすだけではなく、教えてもらうときには素直に受け止め、何か疑問があれば質問したり、違和感があれば率直に発言したり、自分の血肉にしようと頑張れるはずです。


◆守破離の「守」から

次に「守破離の「守」から」ですが、これはどんな上司の下についたとしても、まずは教えられたやり方で最後までやりとおすということ。

優秀な上司でもポンコツな上司でも、その人がチームでそのやり方を選んでいるのには訳があります。訳というのは、過去から続く経緯であり、その場に流れる文脈です。表面的には不合理に思えるやり方であっても、経緯と文脈から他の方法を選べない場合があります。その経緯と文脈を熟知せずに、代替策を提案することはできません。

まずはその経緯と文脈ごと、教えられたやり方を身につけましょう。大切なのは「その経緯と文脈ごと」身につけるということです。もしその上で、何か変えられるものがあれば「破」の段階です。新しいやり方を試してみてもいいかもしれません。


◆違和感コレクション

最後の「違和感コレクション」は、その上司やチームに対して感じる違和感を「収集(コレクション)」しましょう、ということ。

違和感は自分自身と上司やチームにとっての成長の種です。

上司から指示されたやり方に違和感を覚えたら、そのやり方に違和感を覚えたこと、その違和感の具体的な内容を上司と共有することが大切です。

違和感の原因として自分の側に不合理な点(知識不足等)があれば、それを解消(知識獲得)することは自分の成長に繋がります。
また、違和感の原因として上司の考え方やチームの文化の側に不合理な点(根拠なき慣習等)があれば、それを解消(慣習の見直し等)することが上司やチームの成長に繋がります。

とはいえ、人事異動で転入してきた中堅職員ならいざしらず、新人にはその違和感を言い出すことはおろか、それを言語化するのも簡単ではないかもしれません。
そんなときは、「これこれこういう状況で、こんな違和感を覚えた」ということを書き留めておいて、違和感コレクションとして集めておくのです。

その場で感じた違和感をなかったことにするのではなく記録しておくことで、1mm、1cm、1mと成長するごとに、その違和感を振り返ることができます。
時間が経って解消されていく違和感(適応するのではなく、自分の成長などによって)も出てくるでしょう。
中には、数ヵ月後、チームの中で発言しやすくなってきた頃に、そのチームを前進させるような改善を提案できるかもしれません(もちろんそれも成長につながります)。


◆成長と適応は違う

優秀な上司なのかポンコツな上司なのか、新人がそれを見極めるのは簡単ではありません。

大切なのは優秀な上司とポンコツな上司で働き方や学び方を変えることではなく、どちらにしても成長する主役は自分であって、そのために自分がコントロールできるのは上司ではなく自分の行為だけだということ。

優秀な上司であっても無自覚に指示に従い、何の違和感も覚えずに組織の文化を身に纏っていったら、それは単なる適応であって成長ではありません。(もちろん仕事をするうえで、必要な適応もありますが)

組織のために、組織や上司に合わせて自分を変える(適応)よりも、自分のために必要なチカラを身につける(成長)ことで組織に貢献できるようになる。一見、区別が難しいけれど、後者の方が働く人を幸せにする気がするのですがいかがでしょうか。


★     ★     ★

◆最後に

私の公務員人生で。

いや、私の人生で、最も大きな幸運の一つが就職して最初の係長とのめぐり合わせです。

この係長は新人の頃の私に「新人だろうと、やる気のある人にはどんどん任せるからね!」と言って、その発言どおり当時の私にいろいろな仕事を任せてくれました。

9時5時土日休みで絶対的な終身雇用を期待して公務員になり、その仕事を楽しめるなんてこれっぽっちも期待していなかった私は、その係長の言葉と言葉通りの行動に大きな影響を受けて、仕事を楽しいものとして覚えました

この係長のおかげで、今も仕事は楽しむものだと思えていますし、楽しみながら成果を出すためにどうしたらいいか、考えながら仕事をするクセがつきました。


私は「素晴らしい上司」のおかげで成長できた「幸運」な側の人間かもしれません。


でも、いや、だからこそ。

アタリの上司の下ですさまじく成長する若い人がいる一方で、ハズレの上司(などという分類は少々乱暴なのは承知のうえで)の下で「ステイグマ」を負う若い人が出てしまうのはとても残念。

とはいえ、上司は選べませんし、新人が上司の変化を促すのも不可能。



そう考えると、新人の頃から「自分の成長期にどう学ぶか」を知っておくのは大切なことだと思うんですよね。何なら、高校や大学で身につけられたらいいのにと思うほど。


皆さんは、いかがお考えでしょうか。

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