北海道旅行その5 小樽、札幌〜黄昏のとき

この日、青春18切符3枚目を使って小樽へ行き、折り返して札幌を目指すことにした。

小樽はもちろん運河倉庫群が主目的。

途中、石原裕次郎氏の記念館?があった気がするが、休館日で入れなかった。

そして運河倉庫では、若かった当時はそれほど風情に趣きを感じず、あまり印象に残っていないのが正直なところだ。大変申し訳ない。いま行けば、恐らく見方も変わっているため色んなワクワクがあると思う。

唯一印象深かったのは、駅から徒歩圏内にあった古い喫茶店。

店員のお姉さんが超絶美人! そしてそこのカツ丼も美味しかった。

これが小樽の印象です。もう一度色んな意味で行かないといけないなと思う今日この頃。

そして札幌のユースホステルで泊をとるため移動。初めての札幌。

なんやこの駅の大きさは!札幌恐るべし。そしてべっぴんさんが多いこと多いこと。僕はあっという間に札幌に魅了された。こう聞くと、魅了のされ方が下心しかないように聞こえるが、大通公園や町並み、駅に鉄道、街として魅力のあるところだと思う。

ユースホステルは街のほぼ中心地にあった。

ここでは、ヘルメット片手にバイクをヒッチハイクして北海道じゅうを旅する、スラッとしたかっこいい女性と出会った。いやぁ、ユースホステルに来る人は面白い人が多い。

その人には美味しいラーメン屋の話を聞いたが、翌日の僕は結局自分で調べた「欅」という味噌ラーメン屋さんに気づいたら行っていた。

隣でほっそりした女性が、僕よりも多い量の味噌ラーメンチャーシュー増しをあっさりと平らげる。もちろん、味噌ラーメンは美味しかったが、その女性の印象が強すぎたのとチャーシューがやたらと分厚かった印象が強い「欅」さんであった。

その後、大通公園や時計台など堪能しその日は終了。自然と戯れてきた前半とは打って変わり、街中をぶらぶらして北海道の違う面を知る素晴らしい機会になった。

翌日は北大に行ってみた。並木があって綺麗。クラーク像もある。昼食を学食でとった。誰でもウエルカムで北海道の懐の深さを感じていた。

しかし功労馬行脚はやはり格別のものであった。この街と自然の織りなす北海道は、他の地域にはない素敵なものだった。

さて…その夜にはいよいよ帰路につく予定になっていた。憧れの寝台列車。

そう、トワイライトエクスプレス!

夕方に発車して、翌朝に金沢に着く。これを楽しみにしていたのだ。もちろん初の寝台列車。

列車に乗り込む。出発の時。北海道ありがとう。


貧乏学生はもちろん一番安い4人部屋。そこでは、70歳は超えていたと思われるおじいさんと一緒の部屋になった。北海道で得たフレンドリーな人たちとのコミュニケーションによって、僕は誰でも喋られるモードに突入していたため、難なくおじいさんと会話を始めた。

何とそのおじいさん、戦争体験者であり、中国やドイツで長らく住んでいて、そのときの話をずっとしてくれた。

色々と事情があってドイツで仕事に従事することに落ち着き、何十年というスパンで、日本語を忘れてしまうほどドイツで仕事をしていたと。

日本に戻ってきて、大阪?京都?あたりで小さな菜園を持ってノンビリ過ごしているとのこと。野球の野村元監督と野菜のやり取りをしていた?とか、そんな話をしていた。なぜ野村元監督とお知り合いなのか、重要なところを全く覚えていない。。

車窓を見ながら、黄昏ながら、おじいさんとずっと話をしてそこそこ経つと、あっという間に暗くなり黄昏の時間も終わり。

2段ベッドが部屋の両サイドに並び、僕たちはそれぞれの1段目で寝ることにした。あー、これで北海道旅行も終わりやぁ。あっという間であった。

書きながら思い出すだけでもなぜか涙してしまう。楽しい思い出であり、人生の一つの糧にもなっている。

金沢には朝の6時頃到着。この旅行で最後に知り合ったおじいさんともお別れ。

握手をしてお互いの健闘を讃え合い、別れた。

おじいさん、ありがとう。

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