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【エッセイ】あゆみむの感じたり考えていること

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ライターあゆみむの、日々の心を書き留めた忘備録。ジェンダーレス、ノンバイナリー、発達障害グレーゾーンADHD/ADD、人が苦手で人が好き。一瞬の記。随想録。
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2019年4月の記事一覧

村上春樹の路地裏であなたと出会いたかった

メアドの数だけ名前を作って、使い捨ての人間関係で生きていたあの頃、身体中が悲鳴をあげて何かを求めていた。 性的な関わりも、私にとってはコミュニケーションの一つに過ぎなかった。むしろ、相手とすぐに深く関われてコスパが良いくらい。目が合う。話す。体に触る。体に入る。どうして「ここから先はちょっとダメよ」ってしなきゃならないのか、正直よくわからなかった。それって頭がかたいだけなんじゃないの? 会ってすぐでもセックスしたら、タメ語で話せる。心を許せるその瞬間は喜びだった。心の、ほ

名前を変えても、私は変わらない。

さよなら、ひらがなの私思春期に、私は自分のファーストネームと距離を置いた。無理やりにでも距離を置いた。平仮名3文字の、まるまるとした、女性らしい雰囲気の名前は自分には似つかわしくない。これを私と思わないでくれ。中学生当時の私は、女性性を忌み嫌い、男性になりたいわけでもなかったが、中性ってことにしてほしかった。いや、むしろ人外の生物でも良かった。できれば、濁点が入っていて、漢字でいかつく、面白い雰囲気になりたかった。 そういうわけで、ここでもう1人の私が誕生した。その名は、戯

今しかなければいいのに。

没頭している時、集中している時、不快を感じることはできない。アンテナがふわふわ過去に行ったり未来に向くと、うっかりごっそり不安や後悔を拾ってきてしまう。 「もしずっとこの状態だったらどうしよう」とふと思った。でも、過去を振り返ってみると、その時々の私は常に、私なりに一生懸命に生きてきた。それが、じっとしていることでも、バタバタしていることでも。ということは、もっと先の将来の私も、きっとそう思うだろうということだ。だから、「もし未来が」という考えること自体にまったく意味がない