無と存在の地平線

──怪奇なる事象は、突然に起こる。


ある日、それは起こった。

僕は、僕でないモノになった。


──思考する魂と体は、バラバラになり、その魂は〝外のモノ〝になった。伽藍堂の器には、新たなる心〝内なるモノ〝が入った。

それは、今までと真逆の様なモノ、別の思考が始まった。

──新たなる〝内なるモノ〝が、生まれた瞬間であった。


〝外のモノ〝と〝内なるモノ〝は、肉体の記憶の概念によって繋がっていた。だから身体を動かし「何事もなかった」ように振る舞うことには、困ることがなかった。〝外のモノ〝が身体を動かすこともあり又は、〝内なるモノ〝だけで動く事も出来た。


──平行する思考により日常は、過ぎてゆく


しかし、ある日──プツり──と均衡が崩れた。

〝内なるモノ〝は、新たなる〝外のモノ〝となった。


そして器は、思考する心と共に、歪み壊れてしまった。二つ以上の〝外のモノ〝たちは、虚を彷徨い肉体を求める。


自分とは、何者であるのか

何を求めているのか

魂と心は、何が違うのか


無と存在の地平線、たどり着くことのない場所へと

この先には、何があるのだろうか。

僕は、知りたい。零れ落ちたカケラの逝く先を──


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