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なんで「リサイクル」したほうがいいの?の話

こんにちは。MA(マーケティングオートメーション)ツールのデザイン周りを担当しています、鴨志田です。

今回は以前書いた「THE MODELをイラストにしてみた」の記事の中で、イラストに仕切れなかったけれども「これってめちゃくちゃ大事なのでは?」と思ったことをまとめようと思います。


ビジネスの成長はどこかで鈍化する現象

BtoBで、なんらかのサービスを顧客となる企業に提供し続けるビジネスを考えたとき、この「成長鈍化現象」が起こりえます。

例えば、初期の売り上げ目標が10億円だったとして。

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単価が500万円のサービスで10億円の売り上げを上げるには、このサービスを200件提供することが必要です。仮に受注率30%、つまりお断りされるケースが7割だとすると、666件はサービスの提案をする必要があります。商談化率(提案の機会をいただける確率)を2割と仮定すると、3333の企業に対して「提案させてください!」とお願いをすることになります。

この年、無事10億円の売り上げ目標を達成したとして、翌年はどうなりますか? そうです、大抵の企業では売り上げ目標が上がります。

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仮に翌年は20億円に上がったとしましょう。

前の年と同じようにいく場合もありますが、そうではない場合もあります。大きく変わるのは、「受注率」「商談化率」です。この2つの数値が下がることにより、より多くの提案、アプローチが必要になる=営業パーソンの人数や時間を割く必要が生じるのです。

ビジネスが成長していく初期段階は、営業活動において「アーリーアダプター層」に出会うことができます。アーリーアダプターとは、新しいものごとに敏感な人達のことです。例えば、初期のiPhoneを購入していたギークな人とかがそうです。(詳しく知りたい方は「キャズム理論」で検索検索〜)

10億円が目標だった年は、運よくこの「アーリーアダプター層」に出会えていた可能性があります。ただ、この年で「アーリーアダプター層」のサービス導入が進み、営業が対応する顧客が徐々に「アーリーマジョリティ層」や「レイトマジョリティ層」に移っていきます。これらの層は慎重派なので、他サービスと並行して検討したり、他企業の成功体験を見聞きしてから導入を決めたりします。つまり、提案やアプローチが長引いたり、実らないことが増えてくるのです。

結果、前年は3333件でよかった初回のアプローチは、翌年には約4倍の企業にアプローチしなければいけないことになりました。営業の人員を増やすのか、はたまた既存顧客を巡りに巡ってなんとかアップセルを目指すのか…?

で、どうする?

ということで、「THE MODEL」内で言われている「リサイクルしましょう」という話に繋がってきます。

※リサイクル=ゴミ出しの話ではなく、過去リード獲得したけれども受注に至らなかった顧客をもう一度提案の土俵に立ってもらえるように活動するような流れのこと。

さすがに13333件のリード獲得は至難の業なので、過去出会った方を「リサイクル」してしまいましょう、という話です。

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こんな感じで、アスレチックの途中で離脱していく子どもたちのように、「新規顧客の提案→営業のフォロー→受注」に到るまでに離脱していく顧客がたくさんいます。例えば前年、アプローチした3333企業のうち、2000弱の企業は受注していないわけです。

アスレチックで怪我をしたとか、何か大きな問題がある子どもは戻って来ないかもしれませんが、お腹が空いたとか、近くのブランコに興味を持ったとかであれば、またアスレチックに戻ってくる可能性があります。

営業活動も同じで、他のサービスも検討しているとか、予算が取れなかったとかであれば、また提案の機会をいただける可能性があります。(特に「アーリーマジョリティ層」「レイトマジョリティ層」は慎重に検討してから導入を決める、いう特徴がありましたね。)

現在携わっている日本の中小企業の多くは、数千〜数万単位で過去獲得した顧客データを保持しています。多くの企業は、アスレチックから離脱してしまった企業に対して「去る者追わず」の対応をしているのが現実です。

そのままさようならではなく、気が向いたらまたアスレチックに戻ってきてくれるような「リサイクル」の仕組みを敷いてみましょう。(しかも2回目のチャレンジなので、すんなりゴールできちゃうかも!)

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※書籍『THE MODEL』を参考にしています。

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