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シカク運営振り返り記 第29回 夜勤バイトを始める(たけしげみゆき)

2016年夏。私はある出来事がきっかけで精神が限界に達し、突然夜勤のアルバイトを始めた。
この一件は私とシカクの行く末を大きく変える遠因のひとつになったので、少し脱線にはなるが書いておくことにする。


事の発端は2015年の秋ごろ。私は軽い気持ちで見たゲーム実況がきっかけで、ある乙女ゲームに大ハマりした。
しかし当時の夫で初代店長で超絶モラハラ野郎のB(第18回参照)は、なぜかオタクを毛嫌いしていた。さらに束縛がひどく、怒り方も常識外れ。どれくらい常識外れかというと、私が実家の部屋に好きなバンドのポスターを貼っているのを見て「俺以外の男の写真を部屋に貼るなんて浮気と同じや」という独創的な貞操観念を持ち出してポスターを剥がさせるくらい。
なので乙女ゲームに入れ込んでるなんて何重にもアウトなこと、絶対に言えなかった。

だけど一度火がついたオタクのハートは止められない。
私はTwitterの裏アカを作り、そこでゲームの感想をつぶやいたり、こっそり描いた絵をアップし始めた。次第に少しずつファン仲間のフォロワーが増え、友達もできた。
昼間はシカクで働き、夜はBのお守り(これも第18回参照)、Bが寝静まった夜中にこっそり起きてオタク活動。体力的にはかなり厳しかったが、それ以上に楽しかった。好きなものを語り合える仲間、湧き出る創作欲、そして尊い推し。この世界があれば辛い日々も乗り越えられる。そう思っていた。

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