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鹿田、連投七日目にして再び野望を語る

さあとうとう七日目である。諸説あるが最短の説を贔屓してとると行動の習慣化が定着しだす頃である。そして大それた題を掲げたのだがこれも実は鹿田の腹黒い罠なのだ。高頻度にタイトルに自らの名前をいれることで少しでも早く名前を定着させようとしている。鹿田です。よろしくね。

まあいつもながらの駄文はさておき、今日は本当は一つ短編フィクションを上げる予定だったのだが予定より帰宅が遅くなりエッセイに変更した次第である。しかし気分的にフィクションも投稿しておきたかったものだからすこし後ろ髪が引かれつつ長く長く伸びているのである。このままでは危ういとのことでブログから自らのお気に入りを一作アップしたい。

日差しの届かない夏の草はらの葉の陰に
夏虫は一匹静かに今日もひたすら生命活動を続けている。
夏の間しか存在できず、生き物の目には昼間、透明にしか映らない夏虫。
その存在意義など分からないし分かりたいという欲も本人にはない。
ただひたすら蒸す草むらの中、トロリトロリと透明な粘液を跡に残しながら
夏虫は、夏の世界を巡回するのだ。
夏虫は夜になると別の姿を見せる。
日中透明だったその体表は空を反映し、晴天の夜には星々を輝かせ
もっと澄んだ世界に生息する夏虫は天の川までも体表に美しく写した。
そして体表に写しだされた空の世界を今度は虫たちが、好奇心に駆られ覗きに来る。
心地よく鳴いている虫たちでさえその姿を一目見ると瞬時に鳴きやみ
夏虫の方へと寄ってくる。
そうっと夏虫を驚かせないように寄ってきて、
じっと夏虫の体表を覗く。虫たちはすぐ目の前にある星の世界を
じっと覗いて間もなく静かに、とても静かになくのだった。



これは「夏虫」というかれこれ9年ほど前に作った空想短編だ。文章エゴイストの僕は自分で作ったこの短編をえらく気に入り、しまいには紙粘土で夏虫を作ってしまった。残念ながら手元にはもうそれはないのだが、皆さんの空想力を信じてどのようなものだったか説明をしてみたい。

使ったものは紙粘土(乾いた後重いままの種)、水彩絵の具ニス 以上

まず手のひらに収まる程度のナスの形状を作る。ヘタはつけなくていい。そしたらそれを少しだけ上から押しつぶす。底辺で安定するほどにね。次に水彩絵の具の紺色で全体を染める。まんべんなく塗ってくれ。そうそう、手を汚さないように木端を台にしてその真ん中に太い針金を刺しだ土台があるといいね。底までまんべんなく塗れる♪ 

さあ、もう少しで終わるぞ、頑張ってくれ。次に小筆の先に少しだけ黄色の絵の具をつけ、表面にランダムに点をつけている。言わずもがな分かったと思うが星だ。底も忘れずにね。それが終わったら最後に胴体を斜めにぐるっと白い絵の具で帯を巻くように塗ってくれ。次に黄色を少々混ぜて帯に上塗りする。それで天の川ってわけだ。さて今日の作業は終わりだ。しっかり乾燥させてやってくれ。

2日目はあとはニスを塗るだけ。1日目に使った土台をそのまま利用ししっかりコーティングするんだ。あ、言い忘れていたけれど1日目からしっかり床には新聞紙またはブルーシートを敷いているだろうね。床一面を星空にするのも確かに素敵だろうけれど、それは大体自分の足跡でブラックホールのような混沌になってしまうから、余程自信がない限りはよしたほうがいい。さあ、あとは乾かすだけだ。ちなみに僕はそのナスのお尻の方の先端を、少しだけ窄ませて口のようにしたよ。好みだから強制はしない。

さあ、ニスがしっかり乾くとあら不思議、夏虫の完成だ。夏の夜空を思い出したくなったらその体表を覗くんだよ。きっとそこでは幸せそうな顔をした鹿田が空を見上げて、銀河鉄道が来るのを待っていることだろう。

ー終わりー

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