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ESSAY:Rocking Chair/自分を解き放つ時間を持つこと

月刊『日本歯科評論』では歯科の先生方にエッセーをご執筆いただく「Rocking  Chair」というコーナーを設け,毎回ご好評いただいております. 本記事では3月号に掲載した「自分を解き放つ時間を持つこと」を全文公開いたします(編集部)

諸隈正和/千葉県千葉市・諸隈歯科医院

歯科医師になって今年で13年ぐらいが経ちました.現在は自宅兼診療所であるため,大学病院勤務時代の片道1時間半の通勤時間が10秒になり,満員電車に乗らないストレスフリーな環境に身を置けていると思います.

ただ,仕事をしていると,天候のように晴れやかに1日を終える日もあれば,曇りや雨の日もあって,仕事にのめり込みやすい性格上,バランスをとって,できる限り遊ぶ時間を見つけるように心掛けています.

そんな時に決まって会うのは地元の仲間で,テキトーな時間に集合してテキトーな話をします.職種も違いますし,遠慮のない口調で笑って話せる時間は,院長になってから気を使うことが多い立場上,心地の良い時間です.

コロナの影響でそんなリフレッシュのための時間をとれなくなってからは,“どうしようか”と試行錯誤して「密の回避」をキーワードに出した答えがバイクとキャンプ! バイクはもともと大好きで,高校生の頃から乗っていましたし,流行り(?)のキャンプはとっても解放的で気持ち良いです.

バイクは,目的地を前日に決めて日の出前から出発し,朝焼けを見ながら朝食を食べて帰宅します.車で千葉は走り尽くしたと思っていましたが,よく通った道もバイク目線だと全く違った発見がありますし,Bluetoothで無線通話しながら走ると車で助手席から話をするより,なぜか会話が弾みます.最後に目的地の海辺や山間で朝焼けを見ると,なんとも言えない良い気分になれますし,コンビニのオニギリが数倍美味しく味わえること間違いなしです.

2021032c ロッキングチェア05


キャンプセットは,コロナが流行する直前の2019年の年末に衝動買いしたものの,自粛ムードから半年近く埃をかぶっていたのですが,やっと出番がきました.毎年,お盆と正月は幼馴染みと「目的地を決めずに旅をする」「高速道路は使わない」をコンセプトに道中で宿を見つけて泊まる旅をしていましたが,キャンプセットがあれば宿も食事もなんとかなる,と決断し「宿なし・食事は自炊」が条件に足されて,自由度と野性味がより増した旅になっています.

昨年の夏は,なんとなく本州最北端を目指そうと,キャンプセットを積み込んで出発しましたが,秋田付近で挫折…….秋田到着を気付かせてくれたのは,巨大なナマハゲたちでした.最後に男鹿半島の海辺で締めの鍋(自炊)をし,千葉に帰ってきた時には,体はヘトヘトながら心は完全に解き放たれていて,翌日から仕事場に気合いを入れて向かうことができました.

バイクはともかく,宿いらずの旅はお勧めしませんが,皆様も密にならずに心を解き放つ時間を設けてみてはいかがでしょうか.



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