《建築のデザイン》 “居ることが許される空間を作る”建築デザイナー、内藤 廣氏って誰?
『建築のデザイン』マガジン
デザインがメインのnoteですが、建築系は、こちらのマガジンにまとめていきます。
内藤 廣
内藤 廣(ないとう ひろ )は、日本の建築家。1950年、神奈川県横浜生まれ。2022年現在、72歳。早稲田大学理工学部建築学科卒業。1976年、スペインのフェルナンド・イゲーラス(Fernando Higueras)建築設計事務所に勤務。1979年~1981年、菊竹清訓建築設計事務所勤務。1981年、株式会社内藤廣建築設計事務所設立。東京大学名誉教授。
「海の博物館」が出世作。以降、「安曇野ちひろ美術館」、「牧野富太郎記念館」などの公共建築において次々と話題作を生み出す。渋谷や六本木の開発にも関わる。とらやの店舗デザインも手掛ける。「流行を追わず、時に耐えうるものをつくる建築家」と称されています。「人の居場所をつくるのが僕の仕事」と。祖父が事業で成功し、横浜に2000坪の屋敷で生まれる。相続争いなどの結果、多くを失い、内藤廣氏は5歳から鎌倉に移り住んでいます。内藤廣氏の建築思想には、「環境を失う」という体験が強く影響しているそうです(※1)。2001年から10年間、東京大学で教鞭をとる。
内藤氏の建築事務所のウェブサイト
内藤氏のTwitter
内藤廣の仕事
海の博物館(三重県鳥羽市)(1992年)
旭川駅(北海道旭川市)(2011年)
とらや工房(静岡県御殿場)(2006年)
とらや 赤坂店(東京都赤坂)(2018)
高田松原津波復興祈念公園(岩手県陸前高田市)(2019)
牧野富太郎記念館(高知県高知市)(1999年)
関連書籍
『内藤廣設計図面集』
内藤廣氏の、なんと図面集!18の設計図面を紹介しています。とらや赤坂店も含みます。
『建築の難問』
建築につきまとう作家性を削り、匿名性を持ち始めることで、普遍性に近づこうとする内藤廣氏の思想を知れる本。
まとめ
内藤廣氏の建築デザインは、なるほど、作家性を削ろうとしている意図が伺えます。そこの人がいることが許される空間造りという意図もまた具現化され、不思議な優しさの気配が空間に漂います。その優しさは、環境にも及んでおり、それはインフレを起こした環境配慮というものではなく、空間というものは、人のために作られ、いつか自然に返っていくものという達観が造りに及んでいるという意味です。商業施設や公共施設も多く手掛けているので、この「居心地の良さ」を体感しに、お近くの、または興味ある建造物に訪れてみるのも良いかもしれません。わたしは、静岡県御殿場にあるとらや工房の庭が楽しかったです。
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参照
※1
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