過去ネタセレクション007

あっぶねえー連続更新逃すところだったー

今回は過去のロングコントを競う大会に出したネタです。完全に勢いで誤魔化してるけど、割と評価が良かった。

ではご覧下さい。

レイニースターライト
コント/アイカツ!~挨拶活動~

夏宮:初めまして。お嬢さんとお付き合いをさせて頂いてる夏宮レイと申します。

秋崎:ほう、君が夏宮君か。初めまして、ミワの父親の秋崎サトシです。

夏宮:突然ですがお義父さん。折り入って話があります。

秋崎:ほう何だね?

夏宮:私はお嬢さんを真剣に愛しておりますっ!!

秋崎:…………

夏宮:まだ若輩者ではありますが、一応会社を経営しています!だからミワを金銭面で困らせる事もありません!!

秋崎:…………

夏宮:ですので!!お嬢さんを私に下さい!!お願いします!!(頭を深々と下げる)

秋崎:…………

夏宮:初対面で不躾かもしれません!!ですが私はもうミワさん無しでは生きていけません!!

秋崎:…………分かった。君の熱意は伝わった。出来の悪い娘だが宜しく頼むよ。

夏宮:……………………えっ?

秋崎:ミワと君の結婚を認めようじゃないか!

夏宮:……………………がぅ。

秋崎:……ぅ、ん?

夏宮:……………………違う!!

秋崎:…………は、ぃ…………?

夏宮:こんなん私が頭の中で描いてた結婚の挨拶とちゃうわあああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:と、突然どうしたんだね夏宮君!?大丈夫か!?

夏宮:何でこんなにビックリする程アッサリと認めてくれるんやあああああああぁぁぁぁぁ!!?おかしいやろおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

秋崎:えっ。えっ。いや、そんなん言われても…………。私はこの短いやり取りで君が娘を愛してるって熱意が伝わったから許諾したワケであって……。

夏宮:それは分かってるわ!世界で誰よりもミワを愛してるんだ!!この私が!!!父親であるアンタよりも遥かに!!

秋崎:複雑な心境だけど、そうじゃないと困るけどね。

夏宮:だけどな、そこがおかしいんだよ!!おかしいのはお前の顔だけにしろ!!

秋崎:うん、口の利き方気を付けようか。顔については会社の女子社員から言われてて結構気にしてるんだから。

   私の何が悪かったんだね?

夏宮:出会ったばっかのどこぞの骨とも分からんヤツに!!お前が手塩に掛けて大事に大事に育てた娘をホイホイ寄越すんじゃねえよおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

   「お前なんかに娘はやれるか!帰れ!!」って反対しろよおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!じっくり攻略させろよおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!アホかああああああぁぁぁぁぁ!!

秋崎:何やコイツ。

   あ…あのさ、君さ、世界で一番愛してる私の娘が手に入るんだろ?良いじゃないかそれで。

夏宮:最終的にはミワを手に入れて幸せな家庭を手に入れる!!!

   でも!!

   それは父親であるアンタが猛反対して!!!

   私は必死に頭をひたすら下げて説得する!!!

   これが結婚の挨拶の王道のシチュなんだよ!!!

   けどな!!!

   こんだけアッサリと手に入ったら面白くねえんだよ!!!

   この課長止まりがああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:何で私の役職を知ってるんだね。後で教えたであろうミワ呼び出して説教したるわ。

夏宮:ミワにプロポーズしてから今日ここに来るまですっげえ緊張した!!

   緊張のあまり吐き気もした!!てか二回位吐いた!!

   絶対に反対されるやろなって思った!!でもドラマで観た事あるシチュエーションだからちょっとワクワクもした!!

   いつしかその猛反対されるだろうなってワクワクがいつしか緊張を上回った!!

   ワクワクのあまり夜は眠れなかった!!だけど気付いたら朝だった!!

   そんで今日は反対されるだろうなってワクワクを抑えて敢えて平常心で挑んだ!!

   そしたらこのザマだよ!!

秋崎:ええーっ……。そんなに簡単に手に入るの嫌だった?

夏宮:当たり前でしょう!!私の遠足の前夜以来のワクワクを返して下さい!!

秋崎:そこまで必死だと引くわあ……。

夏宮:引きましたか!?私の間違った方向の必死さに引きましたか!?ねえ!!お父さん!!

秋崎:ねえ、その暑苦しいまでの熱意を他に生かせなかったの?勿体無いよ?

夏宮:では!!お父さん!!名誉挽回のチャンスですよ!!良いですか!?行きますよ!?

秋崎:何も失ってへんわ。

夏宮:改めて言わせて頂きます!!

   娘さんを!!私に!!下さい!!お願いします!!(頭を畳にこすりつける)

秋崎:うん。君の暑苦しいまでの熱意が伝わった。ミワを宜しく頼んだよ。

夏宮:ちげえええええええええよおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!何でそうなるんやああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:だってさあ、君さ、娘のミワを愛してるんだよね?

夏宮:当たり前でしょう!!私は彼女に救われたんですよ!?

   彼女が居なかったら今頃私は網走でお勤めしてるか地下帝国でこき使われてるか南の島のソープランドで死ぬまで掘られるかのどれかですよ!?

秋崎:…………君の過去には触れないようにするよ。少なくとも私はこの平々凡々とした人生を謳歌したいんだ、うん。

夏宮:そんなしょうもない人生で良いと思ってるのか!?だからいつまで経っても課長止まりなんだよ!!おとぼけ課長か!?

秋崎:君に私の何が分かるんだね?人を植田まさしの漫画で喩えるんじゃないよ。

夏宮:私言いましたよね!?父親に反発されて、そんでそれを必死に説得するシチュに憧れてるって!

秋崎:うん、さっき聞いたね。

夏宮:聞いたんだったら叶えてくれてくれたって良いだろうがああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!いい大人やろがあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:その台詞 熨斗を付けて 返したい。秋崎サトシ52歳、心の一句。

夏宮:私の何がいけないんですか!?お父さんは何が不満なんでしょうか!?

秋崎:あ、それ私が断った時に使う予定だったヤツ?ごめんね、こんな所で役立てさせちゃって。

   不満と言われてもねえ。特に取りたてて断る理由が無いんだよね。

夏宮:何ですって……?断る理由が無い……?

秋崎:だってさ、ミワももう25歳。立派な大人。会社で働いて自立もしている。結婚も出来る。

   君も見た感じ若いけど、会社も経営しているようだし、身なりもしっかりしている男だし、何よりもミワを愛してくれてる。立派じゃないか。

夏宮:そうですか……。ならば断る理由を作れば宜しいんですねか!?

秋崎:は?

夏宮:ヨッシャー!!やる気出て来たああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

   頑張ってお父さんに嫌われる要素出して!!

   全力で猛反対されて!!

   一旦は諦めるんだけどどうにかこうにか説得してミワと幸せになるんだ!!

秋崎:無駄な遠回りはよしたまえよ。人生で遠回りして良い時は絶対に今じゃないと思うんだ。

夏宮:ではまず一つ目!!!会社を経営している!!!この前提を崩してやる!!!

秋崎:君の精神はとっくに崩れてるね。怖いよ。年下の部長に呼び出し喰らった時より怖いよ。

夏宮:怖い!?今の私怖いですか!?じゃあ前提云々抜きにしてチャレンジしますね!!

秋崎:その無駄に暑苦しいチャレンジ精神があればきっとこれからも大丈夫だ。

夏宮:大丈夫頂きましたああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!よっしゃあああああああ!!!行きますよおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

秋崎:答えは一つだけどね。

夏宮:娘さんをおおおおおお!!!私にいいいいいいいい!!!下さあああああああああいいいいいいいいい!!!

秋崎:だから良いよ。君にあげちゃう。

夏宮:チクショオオオオオオオオオオオオオオオ!!!期待させやがってえええええええええぇぇぇぇぇ!!!!騙されたあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!

秋崎:騙したつもりは無かったし、易々と騙される君が悪い。てか騙されて良いタイプだよこれ。

夏宮:やっぱし前提崩すしかないのかああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:君、さっきから凄く叫んでるけど、ウチ団地なんだよね。少しは落ち着きたまえ。

夏宮:会社を経営しなければ良いんですねえ!?じゃあ今から社長なんて辞めます!!

秋崎:え。

夏宮:(スマホを取り出す)あ、私だ。秘書のモモ君かね?私の持ってる株全部を君に全部あげちゃうよ。

秋崎:ちょっとちょっと……。

夏宮:うん、君が今日から我が社の社長だ。うん、宜しく頼んだよ。じゃあね、新社長。(通話を終える)

秋崎:…………えーっ…………何この人ォ……えーっ…………。

夏宮:お待たせしました。僕は今日から何も持ってない只の一般人です。

秋崎:バカかね、君は。

夏宮:社長辞めました!!では早速再々チャレンジに挑みます。

秋崎:一旦タンマ。一旦タンマ。一旦タンマ。

夏宮:何ですか?僕は落ち着けって言われましら。だから落ち着いてます。

秋崎:態度だけ落ち着いてるけど、お互い今全然心の中バックバクだよ?

   え!?何自分の人生棒に振ってんの?何秘書に株と椅子やってんの?

夏宮:あ、ひょっとして社長の椅子欲しかったですか……?これは申し訳無いです……。

秋崎:そう云う問題ちゃうわ。貰っても突然のスピード出世に付いて行けないよ。

夏宮:これ以上出世の見込みの無い窓際課長に甘んじる結果にさせて本当に申し訳ありません。おとぼけ社長にさせられなくてゴメンなさい。

秋崎:別に甘んじているワケじゃないんだよね。勝手に植田キャラとして出世したくないし。

   君さ、何やったか分かってんの?社長辞めちゃったんだよね?どうすんのこれから?

夏宮:決まってるじゃないですか!!これからあなたに結婚の挨拶をします!!

秋崎:そうだった。私の所為で失脚させちゃったんだ。本当にゴメン。

夏宮:では今から!!

   私が!!

   あなたに!!!

   結婚の挨拶をします!!!

   そしたらあなたは!!

   全力で反対して下さい!!      

秋崎:やたらテンション高いけど日曜5時半の匂いがしたね。

夏宮:その後に!!

   もう今度は頭を下げます!!

   そしたら次にあなたは!!!

   もう一度全力で反対して下さい!!

   そうしたら今度は私は「幸せにします」って言います!!

   でその次にあなたは!!

   全力で怒鳴って下さい!!!

秋崎:いつ終わるのこのお題?

夏宮:5~60回位繰り返しますので!飽きた段階で「よし、仕方ない。そこまで言うなら結婚を許そうじゃないか」って答えて下さい!!

秋崎:飽きた段階でね……。はいはい……。

夏宮:では行きますよ!!ではおとぼけ亭課長さん

秋崎:やだそんな芸名。

夏宮:娘さんを!!!!

   私に!!!

   下さああああああああああああああいいいいいいいいい!!!!

秋崎:よし、仕方ない。そこまで言うなら結婚を許そうじゃないか。

夏宮:早ええええええええよおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!早漏だろアンタ絶対よおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

秋崎:飽きた段階で言ったまでだよ。

夏宮:そんなんあるかああああああああああああ!!!

   山田くうううううううううううううううんんんんんんんんーーーー!!!

秋崎:部外者が居ってたまるか。今この家に居るのは君と私だけなんだよ。

夏宮:課長さんの座布団全部持ってっちゃいなさああああああああああいいいいい!!!

秋崎:ソファーだよソファー。君こそさっさとミワ持ってっちゃいなさいよ。

夏宮:では二問目参りましょう。

秋崎:行くな行くな。今夜の笑点お開きにしろ。

夏宮:先程「身なりのしっかりした男」って仰いましたよね?

秋崎:うん、まあ言ったね。一応自分の発言には責任持つよ?

夏宮:果たして本当にそうなんでしょうか?

秋崎:どう云う事だね……?

夏宮:(秋崎の右腕を掴む)

秋崎:?

夏宮:(自分の胸に当てる)

秋崎:!?

夏宮:(何度か揉ませる)

秋崎:嘘おおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!?何驚異の柔らかさ!?妻や娘のよりデカい!!!うおおおおおおおおおおおお!!!

夏宮:んっ……くっ……はぁん……。

秋崎:うおおおおおおおおお!!!……って違う違うそうじゃない!!止めろっ!!!(腕を振りほどく)

   えっ!?君女だったの!?

夏宮:ええ。私は女よ。(ポッ)

秋崎:突然赤くなるなよ。突然女言葉になるなよ。うっわ、知らんかった。

夏宮:そりゃ男だって言ってないからね。

秋崎:自分の先入観が恐ろしいと感じたのは初めてだ。名前もレイだし、普通に男と言えば納得するし、女って言っても納得する顔してたんだもん。

夏宮:身なりのしっかりした女と直して頂きたい所存です。

秋崎:これは失礼した。先程の揉んだのと併せて謝るよ。

夏宮:分かって頂けた様で良かったです!!では身なりを崩させて頂くわね。(ゆっくりと服を脱ごうとする)

秋崎:わーわーわーわー!!!!

   それは止せっ!!!全力で止せっ!!!妻が見てたら100パー誤解される!!!隣に聞こえてたら絶対団地中に知れ渡る!!!

夏宮:さあ、女に恥をかかせたくなかったら素直に言うことを聞きなさい。

秋崎:完全に脅迫じゃないか。男が完全に悪いパターン入るぞ。

夏宮:じゃあ改めまして……。

   お義父さん!!私に!!娘さんを!!下さい!!

秋崎:あげる。

夏宮:何でよ!?何でなのよ!?普通の家庭だったら女同士なんて絶対反対するに決まってるじゃない!!どうしてどうしてなのよおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!?

秋崎:だってオッサンだけど根っからの百合好きだし。

夏宮:何ですって……?この世代だと同性愛には寧ろ厳しいと思ってたのに……。

秋崎:百合姫は前身の百合姉妹の創刊号から買ってるし、百合系が多く載るまんがタイムきらら系統は毎月全て購入してるし、各種百合アンソロも買い揃えているし。

夏宮:やるわね……。まさかこんな所に光が存在するとはっ……。だけどこんなんだから出世できないんだこの人生フリテンくんめっ!

秋崎:ここに来て急に別の植田作品で罵って来ないで。

夏宮:い、言っときますけど、日本では女性同士で結婚は出来ないんですからねっ!

秋崎:知ってる。日本は駄目だけど、オーストラリアやオランダ、フランス、後はアメリカの一部の州でも結婚は出来るだろうが。

夏宮:そうですよ!?結婚する為に海外に移住しますからねっ!!ミワに気軽に会えなくなっても良いんですか!?

秋崎:うん、まあ、同じ地球に居る訳じゃん?何も永遠に会えなくなると云う訳でもあるまい。

夏宮:こんだけ理解があって、何で結婚の挨拶を断らせてくれないんだこの人はっ!!

秋崎:もう分かっただろ?君に娘をあげるから早く帰りなさい。正直心臓が持たない。

夏宮:くっ……!!し、しかしっ……!!まだ三つ目の前提を崩させて貰いますよ!!

秋崎:そっかまだ一個あったかあ……。手短に頼むよ?

夏宮:ミワを愛してる事!!!これを覆す!!!これでお義父さんを思い通りに操ってやる!!!

秋崎:またこのテンションになった。もうウンザリだよ。

   で、娘を愛さないって事か?君に出来るのかね?

夏宮:勿論です!!お義父さんが反対してくれるなら私は彼女の事を嫌いにでもなってみせます!!!

秋崎:やってみなさい。

夏宮:あんなヤツ……あんなヤツ……。

秋崎:…………

夏宮:きら……きら……

   チョクショーーーーーーー!!!!!

   嫌いになんてなれないよおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!

   私はミワの事世界で一番愛してるんだあああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

   誰にも渡したくないよおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!!

秋崎:それで良いんだ。君は娘を愛してくれてる。それで良いじゃないか。

夏宮:私は彼女が居たから救われたんだあああああああああああぁぁぁぁぁっ!!

   あの子が居なかったら今頃粉飾決済で網走の塀の中か借金地獄で地下帝国に落されるか南の島で売りさばかれるかだったからああああああああああぁぁぁぁぁっ!!   

秋崎:君そこそこのクズだね。ミワはどうやって救ったんだろうか。

夏宮:会社を秘書に渡しちゃったけどミワが買い戻してくれるだろうしどうにかなるわね。

秋崎:ウチの娘はめっちゃ平々凡々に育てたつもりなんだがね。

夏宮:では全部の前提崩しきれませんでしたが、最後に一回だけ挑戦させて下さい!!お願いします!!

秋崎:うっわ、しつけえ。早い所会社どうにかするなりゼクシィ買うなりしなよ。

夏宮:この位の熱意が無ければ社長になれないのよ!!

秋崎:元じゃないか。今私より立場低いよね?

夏宮:大体そんなにお義父さんにやる気が無いから出世出来ないんだ!!このボーナス一律かりあげクン!!!

秋崎:また違う植田作品で責めて来ないでよもう。

夏宮:ホラ!!熱くなれよ!!アンタの情熱はそんなもんなのかあああああああああああああああああああああ!?

秋崎:松岡修造レベルで来ると流石に何も言えない。

夏宮:お義父さんお願いします!!

   一旦断って私を罵って下さい!!

   そして何やかんやあって私達の関係を認めて下さい!!

秋崎:…………分かった。君の熱意に負けたよ。そこまで言うなら付き合おうじゃないか。

夏宮:……えっ?

秋崎:君の模様を見たら私の若い頃を思い出したよ。後もう面倒臭くなった。

夏宮:ありがとうございます!!ありがとうございます!!

秋崎:良し!!じゃあ全力でぶつかって来い!!私も全力で応えようじゃないか!!

夏宮:では……。

   娘さんを!!!

   私に下さい!!!

   お願いします!!!

秋崎:駄目だ!!!

   貴様のようなどこぞの馬の骨も分からぬようなヤツにミワは絶対に渡さん!!

   渡さんぞおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

夏宮:愛してるんですうううううううううぅぅぅぅぅ!!!

   世界で誰よりも彼女を愛してるんですうううううううううぅぅぅぅぅ!!!

   お願いしますうううううううううぅぅぅぅぅ!!!

秋崎:大体君は女じゃないかあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

   とっとと帰れえええええええええええええええぇぇぇぇぇ!!!

夏宮:帰りません!!!

   お義父さんが娘さんをくれるまで帰りません!!!

秋崎:黙れ黙れ黙れえええええええぇぇぇぇ!!!

夏宮:(裏声で)何よおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!お父さんの意地悪ううううううううううぅぅぅぅぅ!!!

秋崎:お前もこんな女に騙されてんじゃなあああああああああいいいいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!

   って何ミワの声真似してるんだあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!すっげえ似てるしよおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

夏宮:騙してなんていません!!愛し合ってるんです!!!娘さんを!!私に下さい!!

秋崎:やらんやらんやらんぞおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

夏宮:どうしてくれないんですかあああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:君の望みを叶えてやってるんじゃないかああああああああぁぁぁぁぁ!!!

夏宮:意外と面倒臭かったあああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:考えりゃ分かんだろうがああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

夏宮:もうちょっとだけお願いしますうううううううううううううううぅぅぅぅぅ!!!!

秋崎:分かったああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

   (裏声で)お父さん、良いじゃありませんか。ミワももう25よ?

   何を言ってるんだ母さん!!

夏宮:そっちも裏声やってるううううううううううううぅぅぅぅぅ!!!臨場感あるうううううううぅぅぅぅぅ!!!

秋崎:(裏声で)お父さんも私と結婚する時、私のお父さんに反対されたじゃありませんか。

   それは今関係ないだろおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

??:さっきからうるせええええええええええええええぇぇぇぇぇ!!!

夏宮:誰だお前えええええええええええぇぇぇぇぇ!?いきなり乱入してくんなやああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!!

秋崎:うっわああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!お隣の冬月さん!!!

夏宮:隣人かよおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

冬月:どうも隣人ですうううううぅぅぅぅぅ!!!

秋崎:うるさくてごめんなさいっ!!!!!

夏宮:失礼しましたああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

冬月:胸揉んでた辺りから聞いてましたああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:よりによって一番マズいシーンからああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

夏宮:恥ずかしいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!

秋崎:で、何か御用ですかああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!?

冬月:借りてた百合漫画返しに来ましたああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

秋崎:タイミングうううううううううぅぅぅぅぅ!!!

夏宮:今じゃ無いだろおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!せめて落ち着いてから来いよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

冬月:私も百合好きだから頑張ってねえええええええええええぇぇぇぇぇ!!!

夏宮:ありがとうございますうううううううううぅぅぅぅぅ!!!

冬月:では失敬!!!

秋崎:何のお構いもしませんで!!!

夏宮:それより話を戻しましょう。

秋崎:そうだな。

夏宮:ミワさんを私に下さい!!!

秋崎:そっからかよおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!駄目だ駄目だ駄目だああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!娘はやらん!!!やらんぞおおおおおおぉぉぉぉぉ!!!

夏宮:絶対に幸せにします!!!お願いです!!!

秋崎:駄目だって言ってんだろうがあああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

夏宮:早く寄越せえええええええええええええ!!!

秋崎:嫌だああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!

   (裏声で)もう良いじゃないですか。

夏宮:お母さああああああああああああああああぁぁぁぁぁん!!!

秋崎:(裏声で)私達も何度も断られましたが、一生懸命説得してどうにか結婚したんじゃありませんか。

   …………うぐ、しかしなあ……。

夏宮:わくわく。

秋崎:娘を宜しく頼むよ。

夏宮:ありがとうございます!!ありがとうございます!!ありがとうございます!!

   (裏声で)パパ!!ありがとう!!ありがとう!!アタシ幸せになるから!!

   私の我儘に付き合って頂いてありがとうございました。

秋崎:いや、良いんだよ。私もこうしてあの頃を思い出したんだ。

   課長止まりがなんだってんだ!これから私も頑張るよ!!

夏宮:その意気ですよお義父さん!!

   では三問目に参りましょう。

秋崎:もうそれは良いだろ!!!夏宮君、娘を持っていきなさい!!!

夏宮:(山田隆夫の声真似で)はいいいいいいぃぃぃぃぃ!!!かしこまりましたああああああああああああああああぁぁぁぁぁ!!!


(秋崎の無駄な暑苦しさが会社での査定に響き、定年前に部長代理に出世出来ました)

(夏宮はどうにかこうにか社長に復帰してミワと幸せに暮らしましたとさ)

(冬月は今日も秋崎から借りた百合漫画読んでます)

(植田まさし先生は今日もコボちゃんの原稿を描いています)

(山田隆夫はまたパーマに失敗しました)

~THE HAPPY END!~

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?