ひとりそたぶ83 そっくり

83回目は「そっくり」です。久々にコントです。

私事ですがアルバイトを申し込んで会社から連絡待ったり、折り返したりするの心臓に悪いですね。もっと嫌な面接もあるし、幾つか申し込んだからどれか受かったらどれかはキャンセルしなくちゃならないしで心が重いです。そろそろ働きたい今日この頃。

ではご覧下さい。

レイニースターライト
コント/レプリカ

刑事:椎名美術館に怪盗セイントピーチから予告状が届いたんだ。

   どうやらヤツはこの時価10億のサファイヤ、「ブルートゥース」を狙っている様なんだ。

職人:ネーミングセンス。そんで時価10億をアンタが持ち歩いて大丈夫なの……?

刑事:大丈夫大丈夫。これは本物そっくり、つまりはレプリカだ。本物は別の所にある。

職人:それなら良いけど。でもそんな話聞かされても私も暇じゃないのよ。要件を言って。

刑事:まあ早い話がお前に作ってくれないかと思って。

  

  

  

   本物の時価10億のブルートゥース。

職人:ん!?

刑事:だーかーらー!このレプリカを参考に本物の時価10億のブルートゥースを作れって言ってんの!

職人:聞き間違えじゃなかったっ!何で本物あるのにまた本物作らなくちゃならないのよ!?無理よそんなの!!

刑事:腕利きの若手美女宝石加工職人のお前を見込んでだ!頼む!

職人:頼まれても!褒められても!とどのつまりはレプリカじゃないのよ!

刑事:偽物から偽物を作れば本物を超える本物になる筈だろ?

職人:なワケないでしょ!レプリカから生まれたレプリカは何処まで行ってもレプリカだわ!

刑事:スペアキーってあるだろ?あれだって本物と一緒だろ?そのスペアからスペアを作れば本物じゃないか!

職人:鍵のコピーと一緒にするんじゃないわよ!

   てかさ、本物が別の所にあるなら私に頼まなくたって良いじゃないの。

刑事:それがさー、警備の不手際で先月怪盗ビューティーウィングに持ってかれちゃってさー、本物。

職人:は!?

刑事:で、今月までにブルートゥースを取り返さないと全員首だって言うんだけど、見つからなくってさー。

   だから本物をお前が作って、それをビューティーウィングから取り戻したって事にすれば一件落着。

職人:別の所にあるってそういう意味だったの!?何をおめおめと盗まれちゃってんのよヘボ刑事!!

刑事:仕方ないだろ。別の職人にレプリカ作らせたら何を間違ったかパプリカ作りやがって。

職人:もうそいつバカとしか言いようが無いわ!頼んだ警察も警察だけど!

刑事:てなワケでそいつが作ったパプリカやるから頼むっ!!味は保証する!!

職人:要らないっ!!もう帰って辞表でも書いてろへっぽこ刑事!!

  
  
(刑事、工房から立ち去る)  

  

職人:やれやれ……。ビューティーウィングに先を越されてしまったわ……。

   折角このセイントピーチがあの刑事から情報盗んで美術館からブルートゥース盗もうって計画したのに……。偽物だなんて練り直しじゃない……。

   それにしてもアイツが本当にクビになったらこの後色々不都合が生じるわね……。どうしようかしら……。
  
  
(ある雑居ビルの一室にて)
   

刑事:(パプリカに仕掛けた盗聴器を聞きながら)

   奴がとうとう尻尾出しましたよ!!ビューティーウィング様の読み通り、やっぱりあの女職人がセイントピーチでしたね!!

   まあでもアイツは所詮三流のコソ泥だから、レプリカだって信じ込んでこれが先月我々が盗んだ本物のブルートゥースだって気付かないままでしたよ!!

   それじゃ刑事の立場でアイツを逮捕して、引き続き警察の連中騙してやり易くしときますね!!は~……刑事の真似事も面倒だなぁ~……。

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