黒の服ばかりを着る私からの卒業
二十歳を超えてから、黒の服ばかり買うようになった。
上下黒・靴も黒・カバンも黒。
それは、たまたま見かけたインスタグラムで、黒の服を身に纏い明るい口紅をしていた女の人を見て「かっこいい〜」と思ったからだった。
すらっとした背の高いその女の人は、孤高で凛としていて、姿だけでも真似をしたいと当時は思ったのだろう。そして私も黒の服を着るようになった。
〜〜〜
でも、どんなにあの女の人を目指したところで残念なことに、私の身長は152cmでピタリと止まったままだし、凛とした表情をしてみても、迫力が足らないモヤッとしたものだった。
本当はずっとわかっていたことだった。
”あの女の人みたく格好良くはなれないことを。”
「黒は何にでも合わせやすいから」と言いつつも憧れを消せずに黒を着続けた私は、いかに若く悲しく、いかに愛おしい。そんな憧れにぶら下がったままの自分から卒業しようと思った。
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今日、
今まで手にしたこともなかった黄色のニットを買った。
持ってるものに合わせられるかな?
派手すぎないかな?
そもそも似合うのかな?
考え出したらキリがないから、手に取りそのままレジに向かった。
買った。心臓が少しだけドキドキした。
クローゼットで1つだけ異様に明るい黄色のニットは、「醜いアヒルの子」状態。でもとても可愛くて、新しい自分を受け入れられた気がして、
あぁ、今日の買い物は間違いなく正解だったなと
久しぶりに満足のいく一日でした。
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