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炉開き

11月に入って最初のお稽古は、炉開きだった。11月はお茶の世界の正月と言われており、5月に摘まれた新茶の入った茶壷の口を開ける季節。夏の間は畳の下に閉じられた小さな囲炉裏、炉を開けて火を入れ、みんなでおぜんざいを食べて、1年を無事に迎えられたことを感謝する。

床の間に飾られる掛け軸は「開門落葉多(門を開けば落葉多し)」。これには「聽雨寒更盡(雨を聴いて寒更尽き)」という前の句がある。夜、屋根に落ちる雨の音が聞こえてきたけど、朝起きて門を開けてみたら、地面にたくさんの落ち葉があった。昨夜、雨音だと思ったのは枯れ葉が落ちる音だったんだな~という意味らしい。とてつもないワビサビ感。

こういう、今まで知らなかったことを学べるのもお茶の素晴らしいところだけど、やっぱり私は、いろんな世代の人と共通の学びの時間を過ごせることが楽しい。時間に追われたり、仕事に悩んだり、イライラしたり、日常のゴチャゴチャから、突然エアポケットに入ったみたいにホッコリした時間を過ごせるのがお茶の魅力だと改めて感じた1日でした。

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