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【つくりもの】四季の器・春

日本にいると四季があるのは当たり前に感じます。
でも、これってけっこうめずらしいなのでは・・・?
せっかくなので、どうにか日本の四季を器で表現できないかと考えました。
日本の四季を代表する植物で小皿を作ってみました。
器を作る時は、実際に盛り付ける料理をイメージしながら作ります。
四季の皿ということで、四季折々の旬の食材がたくさん思い浮かびました。あれも美味しそう、これも美味しそう…考えながら作っていたら楽しかったけどお腹がうるさい(笑)

世界が淡い色に染まり始め、風が心地よくなるころ。
冬を越して、あちこちで顔を出す生命の芽吹き。見つけると、ちょっとワクワク、嬉しくなります。
四季の中で一番好きな方も多いですよね。

桜の花

花といえば、桜が一番先に頭に浮かぶ人も多いのでは?
日本の国花である桜。
卒業、入学、お花見…春のイベントの傍には必ずといってもいいほど登場します。主役でありながら名脇役。桜が嫌いな人ってあまりいないのではないでしょうか。
満開の桜も見ごたえありますが、桜吹雪も素敵。

紫峰窯には大きな桜の木が2本あります。
周りに遮るものがないので360℃のびのびと育っています。
夜桜で花見酒!と息巻くのですが、夜は思いのほか寒い。
なので、昼にお弁当広げて鶯の声を楽しみながら「今年もよく咲いたなぁ」としみじみするのがいつもの情景。

さくら

桜の器

2センチほどの少し深さのある小皿です。
桜特有の花弁への切込みと、それぞれの花弁を作りこんでいます。
ベースの器に切れ込みを入れるタイミングがなかなか難しい。乾燥しすぎるとヒビが入ってしまうし、足りないと形が丸みが崩れる。かつジャストタイミングが寝る直前とか…

3寸と4寸のサイズ違いで作っているので、入れ子になります。
作っている時に考えていた料理は、
3寸皿には、菜の花のおひたしや釜揚げシラスなど
4寸皿には、初カツオのお刺身や筍土佐煮など

よもやま話

実はこの季節はちょっと苦手。寒さが緩むとともに靄がかかった感覚になります。この時期の山では、フキノトウ・タラの芽・蕨などの山菜や筍が取れ始めるので、それはそれで楽しいのですが…
菜種梅雨の時期でもあり、スカッと晴れる日が少ないからか、体が冬から春に切り替わっていないからなのか、なんとなくだるい日が多いです。

その中での楽しみはお花見ですね。
毎年、大きく天に手を伸ばすような窯場の桜を眺めて楽しんでいます。窯場の火事から復活して大きくなっている桜は儚くて愛おしい。満開の桜はもちろん、散りゆく桜も、無常観や自然の美しさを感じる大切な時間。

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