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【つくりもの】四季の器・冬

静寂と凛とした美しさが広がる季節。冷たく澄んだ空気が身も心も引き締め、吐く息は白く漂います。
最近は関東でも、雪が降ることも多くなりました。雪が降り積もると、いつもの風景が変わり、音が吸い込まれたかのような静けさ。
実は、私は冬が一番好き。吸い込んだ冷たい空気が体の隅々まで届いて、頭がすっきりしますよね。

紫峰窯の周りは家があまりないので、夜になると真っ暗。冬の夜空を見上げると、これでもか!というくらいたくさんの星が見られます。空気が澄みわたっているので、星々がキラキラと輝いています。

梅の花が咲くと、そろそろ暖かくなるかなぁと期待しませんか?梅の香りが穏やかな風に乗って鼻をかすめると少しホッとしますね。
冬の名残が感じられる中、凛とした寒さの中でぽつりぽつりと咲き始める梅の花。薄紅色や白い花びらが、枯れ木のような梅の木に色彩を与え、木が生気を蘇らせていきます。

奈良時代までは、花=梅の花。派手さはないものの控えめでありながらも気品がある佇まいは素敵です。梅花のほのかな甘い香りもその存在を無言で教えてくれます。

窯場には3本の梅の木があります。小春日和に外を散歩していると、冷たい風の中に梅の香りが紛れ込んできます。
私のお気に入りの時間です。

梅の器

梅をモチーフにしたものはたくさん目につきます。白、赤、ピンクが多い印象を受けます。
シックな色合いの梅もいいものです。
ロクロをひいた直後に、5か所のくぼみを入れますが、完全に感覚でやるので微妙に花弁の大きさが違う(笑)
まぁ、自然のモノって非対称ですから、これはこれで良し!ということで。

平たい皿なので、小さめのサイズは醤油皿にも使えます。
三寸には、梅干し、柚子を散した白和え、あん肝
四寸には、ぶりのお刺身や白子ポン酢やみそ田楽

よもやま話

冬は、季節を感じさせる多くの伝統や風習がありますね。冬至・お正月・雪見…寒さの中でも心身を温かく保つ工夫が凝らされていて、日本ならではの楽しみ方とも言えます。

冬至(12月21日頃)は一年で最も昼が短い日。この日を境に日が長くなることから、運気が上昇するらしいけど…。
私にとっては、柚子湯に入ってカボチャを食べる日。(笑)
血行を良くして、しっかり風邪予防しています。

そして、冬の最大の行事はお正月。
一年の行事で一番好きです。時間が普段より数倍のんびりと流れる感覚が大好き。12月に掃除して、おせちを作って、正月飾り、鏡餅を飾りる、〆の年越しそばで就寝。
大晦日には美味しいお酒を飲みながら、みんなで新年を待つ。考えるだけで楽しい♪
年越しそばって、「細く長く生きる」ことを願う意味があるらしいけど、我が家では飲んだ後の〆の軽食になっているなぁ(笑)

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