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洋楽を受け次ぎつつJapanメロディに返り咲いてるJPopアーチスト達。その3

前回の続き
(筆者はサブカルマニアという側面もあるので定期的に音楽ネタを…)

90年代後半以降のJPOPは、日本流Alternative Musicがやっと浸透してきた感じだった。多様化してきた90年代ロックのリズム感や音の深み、ノイジー感、暗さと緩さのアンビバレンツな抒情性などを日本のアーチストが消化し始めた時期と言える。その意味でサイケ臭はあるけどシンプルPOPだった単純ビートルズフォロワー系からちょっと脱皮した感じの、
ヘビーな曲、エクスペリメンタルな曲が登場し始めた時期。

欧米で言えば20年のタイムラグがあるけど……従来型の商業ロックへのアンチテーゼとして70年代中盤に爆発したパンクムーブメントや、その前の70年代初頭のビートルズ解散や若手アーチストの自殺、学生紛争の敗北感……などが反映された物悲しい雰囲気にちょっと似てる…?
POP&Rockの世界では常に、商業ロックとそれに対するアンチな若者エネルギーの爆発が常に隣り合わせでスパイラルに進行するケースが多い。
『Alternative』という言葉自体がその現れだね。

その当時僕が好んで聴いてたのは、GRAPEVINE、椎名林檎、初期のくるり、Zeppet Storeなどかな。その後はむしろ彼らが主流になるんだけど、どのアーチストも、小室哲哉とかに代表されるそれまでの商業的な音楽に対する無言の抵抗を感じた。

2000年~2001年のITバブル時期の僕は、インターネット制作会社の役員をやっていて、疲弊が半端なくてメンタルとカラダを壊す事態が発生。そんなこんなで…2001年以降は、癒されるDiva系JPOPにかなり走った。鬼束ちひろ、aiko、宇多田ヒカル、矢井田瞳、MISIA、BONNIE PINK等。
でも彼女たちも、日本流Alternativeを超えてきた逞しさがあるのよね。
今のガールズPOPほど洗練されてないけど、それまでには見られなかったロック要素やブラック要素、ファンク要素が強かったな。


2005年以降のJPOP史は次の回に譲って最新JPOP紹介へ移ります。

Nulbarich

2016年結成。Jeremy Quartusをリーダーとする5ピースバンドだがユニット的色彩も強い。Soul&Black Musicがベースにあり、英語と日本語を混在させた歌詞に特徴がある。コーラスワークなど非常にPOPで同系統のSuchmos、Sirup、mol-74、Five New Old等の中でも口ずさめる明るいメロディに特徴がある。

Awesome City Club

男性3人女性2人からなる日本の5人組バンド。2013年春、それぞれ別のバンドで活動していたatagi、モリシー、マツザカタクミ、ユキエにより結成。
JPOPの王道を継承したCity Pop。80~90年代初期の青春の香り満載。けだるい夏の午後に海岸線ドライブで泣きながら聞くPOPかな?(笑)横ノリビートが心地よい。

PELICAN FANCLUB

久々に登場したRock ’n’ rollするギターPOP。エンドウアンリ(Vo&Gt)カミヤマリョウタツ(Ba)シミズヒロフミ(Dr)の3ピースで2017年メジャーデビュー。
シューゲイザー、ドリームポップ、ポストパンクの影響化にあるサウンド。
ギターのリフと絡むメロディアスなVocal。そして歌詞がよい!昭和歌謡の匂いも少し……クレイジーケンバンド再来か?!

Official髭男dism

2012年結成された日本の男性4人組ピアノPOPバンド。
島根大学軽音学部の先輩後輩だった藤原聡(ボーカル・ピアノ)、楢崎誠(ベース・サックス)、松浦匡希(ドラム)と、隣の学校に通っていた小笹大輔(ギター)で結成。
誰もひげは生やしてない(笑)そこはかとなく漂うアイドル臭。しかし、楽曲は素敵だ。
藤原くんの作るメロディ+ファルセットを多用するボーカル…は女子受けしそうのようで、実は傷心した男子に受けそう。日本のピアノロックというとスキマスイッチを思い出すが、Official髭男dismの方がリリカル。

Tempalay

Tempalay(テンパレイ)は2014年に結成された日本のロックバンド。埼玉県志木市出身。サポートメンバーだったAAAMYYYが正式メンバーとなって新たに男女混成スリーピースバンドへ。
全体に漂うブルースやサイケデリックの香り。こりゃ『くるり』の初期のアルバム以上にカッコいい!
ゆったりとしたグルーブ感と皮肉の混ざった普遍的な日本語のリリック。
脱力系ともいわれる小原君のボーカル、ハスキーな声で印象的なリフを繰り返す。

For Tracy Hyde

これは良い。
EurekaのボーカルはJPOPでは定着した感のあるロリ声・アニメ調。しかし、その背後でうねるワウペダルEffectのギターや複雑な転調コードなど、随所に機知にとんだスパイス満載だ。
とにかく楽しいギターポップバンド感。街でのイヤホン視聴でも、都会を離れたリゾーチや田舎でも元気を貰えそうなゴキゲンポップ。