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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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2019年6月の記事一覧

オンラインメディアの生活時間占拠が“旧”消費者にもたらしたモノ。

筆者はインターネットの勃興期からネット業界・デジタル業界が主戦場だったので、ずっと疑問に思ってたことがある。 それはズバリ、ネットの閲覧が(接続回線コストを除けば)タダであるということだ。 TVなどの放送メディアが広告費で成り立たなくなるという傾向は、ネットが普及する前から予想されてきたことだ。それでも、ネット業界の主たるプレイヤーは『無償モデル』を選択した。 そのことがここまでのネットおよびスマートフォンの全世界的な普及に貢献したことは否定はしない。しかし……それは消費社会

GDPデフレーターを吹き飛ばせ!…無自覚なデフレに喝。

日本のGDPデフレーターは2018年12月の 102.73から、2019年3月(四半期単位)に103.37へとやや回復。しかし予断は許さない状況。 デフレ懸念が再燃している。 そもそも今のニッポンは強烈なデフレ国家だ。大分古いデータだが以下のランキングを見てほしい。先進国の物価上昇率が低いのはあたりまえだが、日本は先進国の中でも極端に低い位置にあり、ランキング150位にもはいっていない。 『物価が安い』って良いことのような気もするが、次のようなBad Cycleに陥ってし

本革を知らない人は“フェイクレザー”も評価できない。これ今の経済の象徴?

これ…ゆゆしき問題だと思う。 僕は実はフェイクレザーという素材が大好きだ。 カバン、シューズ…色んなグッズでフェイクレザーグッズを持っている。安くて機能的で多様なテイストがあり、素晴らしいものを開発したなぁ!と感じてる。この商品が普及することには肯定的だ。 なんだけど、実はその『“フェイク”である価値がわからない人が増えてる?』もしくは『増えるんじゃないか?』と感じてる。そうなった時、フェイクレザーは市場からフェイドアウトするんじゃないかって? どういうことか? 『元となる

モノとサービス(コンテンツ)の“個別価格”提示で何が変わる?『NOTEのビジネススキーム』は大正解。

①様々なプラットフォーマーが提供し始めたコンテンツのサブスクリプションサービス(定額課金モデル)。 ➁そしてそれよりずっと前から各種コンテンツ業界で行われていた再販固定価格という売り方。 この二つの販売方法、当たり前のように見えるが、実は消費者のモノやサービスに対する“評価眼(ものさし)育成”を妨げてる……というのが筆者の持論だ。 これ、どういう意味だろうか? 映画業界、ビデオ業界、音楽業界、書籍・出版業界、ゲーム業界。 この全ての業界が確立してきたクリエイティブコンテンツ

キャリア女性:“カバンの中味調査”にご協力を!ゴディバのソフトクリームを洩れなく進呈💛💛

弊社シンクエージェントでは激変する時代、女性のキャリア&ライフスタイル進化を見越して、その象徴たる“カバンの中味”調査を実施します! 普段だと、 マクロミルさんとかの一般ユーザーパネルを使って調査するんだけど、NOTEユーザーの方は、企業内スタッフ・フリーランス・経営者の区別なく、キャリアに貪欲で、時代の先端を走ってる女性が多いと考えてるので、 そんな女性の回答を入手したく、この場を借りてお願いします<(_ _)>。 謝礼は『ゴディバ・ソフトクリーム』チケットです! 上記

ファッション店舗の『売場作り』を変えよう! その2

商業施設のフロアレイアウト日本のファッション市場とそれを担うはずの店舗が縮小して苦戦している理由は数多くあるが、 まずは商業施設(ショッピングモール)側の事情とテナント店舗側の目論見の食い違いがある。以下の大型郊外型SCのフロアマップを見て欲しい。 この中で 知っているブランドやショップ名称はたくさんあると思うけど、この広大なショッピングモール内で、何か単一のファッションアイテムを捜そうと思ったとき、貴方は探せるだろうか? 例えば今年のトレンドで言うと、“偏光レンズ”のお洒

“モテ”とファッションとの距離 その1

モテ系ファッションと正統派ファッション(そんなものが在れば…だけど)の間には大きな距離がある。 さらに、女性の場合は、異性モテファッション以上に結構意識されるのが、同性モテ(うけ?)ファッションだ。 一方で男性の場合は、かなり昔からモテ意識よりも『自己主張とこだわり』がファッション要素として強かった。なので男性のお洒落とかテイスト追求型はことごとく女性受けしなかった(笑)。女性から見ると、変な恰好の突飛な人!アクの強い人!自分をわかってない人。……にしか見えないのだ。 まあ

『積極的に消費』しないが『儲けたい』志向の“リッチゾンビ”。

今の時代…増殖してるこの方たちが増えるとどうなるか? 先進国(最近言わないか…)の成長は消費する新興国頼みということになり、そこが足踏みすれば経済危機が訪れる。 どういうことか?ちゃんと説明しよう。 リッチゾンビ というのは筆者の造語(和製英語)だ。 ゾンビという命名は過激だが、まあまあ的を射たネーミングだと思ってる。 簡単に言えば、お金を儲けたい(クラスアップ)欲求は強いが、使いたい(消費)欲求は弱い人。最近で言えば例えば以下のような人 スタートアップ経営者で、仕事が生

サブスクは有りだけど『お金払ってることを忘れさせる』のは逆効果。

月額200円とか300円のサブスクリプションって微妙な金額だ。 そして危ない金額!でもある。 昔、i-modeでボロ儲け(失礼…)したdocomoさんが結果的にやってた(狙ってたわけじゃないけど)手法。顧客はアプリとかサービスを契約したこと(毎月の携帯利用料から引き落とされてること)を忘れてしまうのだwww AmazonやZOZOの定期便ならモノが届くのでそんなことはないのだが、目に見えないサービスで請求が他のものとごっちゃになってる場合、あるあるな話。 これ、サービス事

顧客&行動分析はニーズとポテンシャルを知る目的で実施。『今の行動に合わせてしまう施策』は打つべきじゃない。

分析のやり過ぎに注意しましょう! これが、デジタルマーケッターの方に、僕が言いたいコトだ。 デジタルマーケッターが陥りがちな落とし穴として、 ①アクセスログやCRM分析をやり過ぎて、お客様は『その行動しかしない!』と思い込んでしまったり、 ➁この広告、ページ、サービスを『踏んだ』人にこれを見せれば、買上率が2ポイント上がるとか、 『セコイ事』(笑)ばかり考えるようになってしまうケースだ。 セコイよそれ、セコイ!そんなことを半年もやり続ければもう買上率なんて上がらなく

『パーソナライズし過ぎ』って「提案の放棄」!状況はヤバイことに…。

これ結構笑い話じゃない。 『パーソナライズ』ってオンラインビジネスの世界では、とっても良い事でそれによって顧客の買上数や買上頻度が上がる!と言われてるけどホントは嘘だ。パーソナライズの種類と精度にもよるけどね。 パーソナライズのメカニズムってその人の過去の行動履歴にレコメンドエリアの表示(商品やコンテンツ)を合わせちゃうってこと。 ECサイトとかを運営してる人ならわかるだろうけど、一番単純なのがカート放棄対策で、カートに入れて買わなかった商品を片っ端からDMPで広告に出しち