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消費行動と社会心理・構造Magazine

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生活者の価値観や心理と行動はどう変化したのか?それによってこれからの社会はどうなってゆくのか?マクロな視点で世界とニッポンの経済成長に直結する潮流を分析します。
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2019年5月の記事一覧

プラットフォーマーが壊した消費・市場経済を再構築する未来図と未来職種 その2

前回の続きです。 まず僕の考えている未来の(といっても5年以内位)メディアデバイス型社会空間は、都市の建物の室内の内壁、内装、テーブルの上面が全てディスプレイ化されて、GUI化されたイメージだ。 びっくりしないでね。そのコンセプトは20年以上前からあり、海外では一般的になってきてるから。 言葉にするならば『フルUI型インテリア』とか『フルUI型内装』。 以下の複数の欧米の紹介動画をご参照。 (別に全部じゃなくても良いんだが、イメージしやすいので一旦その観点で議論する) 流

プラットフォーマーが壊した消費&市場経済を再構築する未来図と未来職種 その1

表現は悪いのだが、プラットフォーマーは消費市場を破壊した!と僕は捉えてる。 もうちょっと具体的に言うと、スマホと検索エンジンとSNSが(狙ったのではないと思うけど)生活者に対する『思考停止エンジン』として機能してしまい、かつ依存性のあるSNSは一日の生活時間を埋め尽くして奪ってしまった。結果として消費市場のデフレ化を助長していると感じるのだ。 スマホに見入ってる時間がもし無くなったら、人はもっと生活をより良く、楽しくする工夫をする・思考を巡らす…ように思うのだ。 以下、同じ様

ポジショントークが増えた理由【その2 】

本記事の第一回は、昨今「自分が帰属する会社や仕事をしてるブランドに乗っかって自分を売る『ポジショントーク』のヒトが増殖しており、それはなんと、フリーランス界隈まで及んでいる!」という話を書いた。 もちろん、自分がご飯を食べてゆくために、営業に勤しむ、自己アピールに勤しむのは全然OK。僕も30代のフリーランス時代から、前のめり営業で過ごしてきた。 では何が引っかかるかというと、 今のビジネスパーソンやフリーランサーは全体を見てないというか、大局観がない…ことかな。とても近視

『Googleが無くなる!』はかなり正しい…三年以内かな?

ジョージ・ギルダー氏の著作、『グーグルが消える日』が話題だ。 僕もサクっと読んでみた。自分が元々イメージしていたオンライン社会への疑念や今後の未来論と被るところが多く、僕にしてみると久々に全部読んだ。 確かに論点が拡がり過ぎて、結論がでてないところはある。 しかし、これを齢80歳!のエコノミストが書いてしまうところに、 まだまだ米国の面白さがあると思う。 とは言え、難解である。 著者のジョージギルダー氏は見事なほどの数学者&哲学者信奉の強い人だ。シリコンバレーにはそういう

“無くなる仕事”じゃなくて、世の中の『要らない事業』をリストアップしてみた。

世の中には、冷静に素に戻って考えると、 『要らないビジネス』なんだけどお金を稼いでるビジネス が沢山あるよね。 要らないという意味は、人々の生活を良くしない、むしろ人々の脳を劣化させてる、無駄な時間を費やさせてる、生産的じゃない・創造的じゃない。そんなビジネスの意味だ。 僕の過激な私見だけど ①今の世の中の大多数のSNSとメディアビジネス(オンライン、オフライン問わず)……これ大量の人とお金が関わってるけどホントは要らない。 ②あと分析系のツールビジネス(MA、BI等)、

女性の自分の売り方の先鋭化とジャンル分化。

この記事はもしかしたら、批判受けるかもしれない。 でも感じてることちょっと書いてみる。それは女性の自己表出の仕方が非常に先鋭化してる件についてだ。 男である僕の目からみると今の女性のタイプは以下の6つに映っている。 ●見た目(顔とスタイル、肌)徹底磨き&訴求タイプ ●仕事&そのスキルやキャリア、自分が歩いてきたステップを売るタイプ ●SEXそのものや性的魅力を売って商売にするタイプ ●ちょっと特異なポジションやマイノリティ、多様性をカミングアウトして売るタイプ ●幸せやリ

おっさんずJOB!~50代以上の再始動。

自分もオッサンなので自戒を込めて。 今の日本で50代以上のオッサンだと、もう上がっちゃってる感じの人というか、これまでの仕事や職場の延長でなんとか食っていこうという人が多いけど、それだと、どう考えても先細りするよね。 だって時代はどんどん変わってるし、既存の事業は市場が萎んでしまったり、海外勢にシェア奪われたり、仕事自体が無くなる・不要になるものが多い。 で、とりあえず今自分が持ってるものを信じなければいんじゃないか? これまでやってきたことで食おうなんて虫が良すぎる(!

ロールモデル問題。男性は上司を自分のロールモデルにするな!

最近女性の方が、仕事での成長や自分のスキルの獲得に熱心だ。 男性ビジネスマンは、ストレスをため込んで、色々我慢しながらも、それを打開する努力をほとんどしてない…と感じるヒトが多い。 これは20代、30代、40代……全ての年代に当てはまる気がする。 なぜなんだろう。私見だけどこれ、 日本社会の縦構造=悪く言えば『男性中心の猿山構造』に原因があるように思えてならない。 今の時代、そんなものは有効に機能しなくなってきてるのに、 自分の未来をその機能しなくなったモデルに重ねてしまっ

日本の『ファッション業界』建て直しの提案【その3】。“服の楽しみ方”再構築。

ファッション市場の沈滞。 洋服が売れなくなったり、平均購入単価が下がったことの原因として、 服の訴求価値そのものが『ライフスタイル型消費』と結びつきにくくなったこと、それに対してファッション業界側が何も対応をしてこなかったこと……があると僕は考えている。 例えば、インテリア雑貨や食品販売の場合は、生活の楽しみ方、部屋のデコレーション、インスタ映え、健康習慣…などを提案することでコトに付随する需要を喚起してきた。 それに対してファッションはあくまでも、『貴方が綺麗になります』

服を着るならどんな風に?…ファッション業界は男のカッコよさに寄り添えてない。

ファッション産業って、元来機能やサービスを提供するというよりも、 『カッコ良さ』『外部受け』『自己アピール』を価値として提供するビジネスだ。 レディスファッションに関しては、雑誌媒体、オンライン媒体、アパレルメーカーの企画などでもこのポイントを踏まえて生活者の気を惹いてる気がするのだが、メンズファッションに関してはここが見事に失敗してる!と感じる。なにがまずいのか?ちょっと考察してみた。 まずは、男性にとってのかっこ良さ(本来)の基準をちょっと抽象化してリストアップしてみた

ファッション店舗の『売場作り』を変えよう! その1

苦言を呈してみる。 僕はファッション業界に特化したコンサルティング会社からキャリアをスタートした。それから30年近く経つけど…… ファッションショップって実は栄枯盛衰の歴史で……専門店⇒DCブランド⇒百貨店⇒インポートブランド⇒セレクトショップ⇒SPA⇒ファストファッション⇒オンラインモール……を長らく見届けてきた。 まさに歩く業界年表(笑)かしら。ちなみに以下はその実年表を絵にしてみたものだ。 で最近、 Eコマースに対して旗色が悪そうな実店舗の活性化を促進するために 『実

『マーケティング』の意味が変質?…【古】生活者への価値提供⇒【新】売れるしくみに上手く乗っかる

どうもひっかかる。腑に落ちない。 世の中の人のマーケティングという言葉の使い方だ。 「マーケッターとは生き方だ!」と僕は今年の元日の記事で描いた。でも、マーケティングというタイトルやハッシュタグを付けてる記事を検索すると、どうもそうではない記事がやたらと目につくのだ。 例えば以下のようなテーマの記事が『マーケティング』ということに世の中はなってるらしい。 ●SNSでフォロワーを増やす方法 ●Instagram広告でLPへの誘導率を上げる方法 ●SNSを意識したこれからの

メンズファッション・オンライン購入記2019SSまとめ版①@ZOZOTOWN

僕は小売業のコンサルタントで かつEコマースや通販についても2000年くらいの勃興期から色々お手伝いをしてきた。 でも、今、日本No.1のファッションモールであるZOZOTOWNやそれに追従するオンラインファッションモールに危機感を感じてる。 端的に言うと、 『これだとファッション商品をその質やテイストやデザイン、ライフスタイルとかで選べない』『安ければ買うって感じになっちゃうよ!』という印象だ。 実際にZOZOTOWNの客単価や一品販売単価はここ数年ダダ下がり。クーポン&タ

ミニマリストに喧嘩売ってみる…マキシマリスト代表。

※タイトル画像は、本文や筆者とは とっても無関係 です(爆) 僕は最近のトレンド(?)ともいえる「ミニマリスト」の方々とは、 超アンチに見えるポジションの人間。 モノをやたら集める、情報や資料も集める、多趣味・多ジャンル、色々なモノのデザインや機能に拘る、比較吟味・検証が大好き。 大量のモノや情報を徹底して整理・分類・体型化するのが趣味でかつそれを仕事に転換して小売業のビジネスコンサルをしている…。 筆者がちょっと腑に落ちなくて、噛みつきたいポイントは、 『ミニマリスト』