見出し画像

#605 「ホームを越えて広がる世界」越境学習で見える新しい景色

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

音声はこちら。

さて、ここ何日かは、11月29日~30日に新潟県妙高市で行った越境学習に関するイベントのお話をしております。

今日はですね、法政大学の石山恒貴さんのお話をしてみたいと思います。

越境学習の第一人者・石山恒貴さん

石山さんといえば、越境学習の第一人者ですね。さまざまなご著書も刊行されていらっしゃいます。たとえば『越境学習入門』とかですね、最近ではキャリアに関するご著書も何冊も出版されています。

石山先生のお話にはいくつかのテーマがありました。

越境学習とは?

「越境学習とは何か」について、石山先生によれば、自分が普段いる環境を「ホーム」と呼び、そうではない環境を「アウェイ」と呼びますが、ホームとアウェイを行ったり来たりするのが越境学習です。

ホームは基本的に自分の日常があるところで、居心地が良く、言葉も通じるというような環境。一方で、会社の外に出たアウェイの環境では、なかなか言葉が通じなかったりすることもあります。上下関係がなかったり、必ずしも仕事だけの関係ではないこともありますよね。

越境学習は、必ずしも仕事に限った話だけではありません。たとえばPTAみたいなものや、地域の関わりみたいなものも越境です。こうした、普段自分がいる環境から少し離れたところに一歩足を踏み出してみる。そんな勇気を持って、新たな環境に行ってみる。それが越境学習です。

関係人口とは?

あと、石山先生の話の中では「関係人口」の話も出ていましたね。

関係人口とは、「観光以上、移住未満」の関わり方ですね。観光は「交流人口」と言います。交流人口が増えるのはもちろん大事なんですが、交流人口はそんなに深い関係性がないがゆえに、すぐに他の地域に行ってしまうという特徴があります。

一方で移住のような「定住人口」を増やすのはハードルが高い。

ということで、近年「関係人口」が、行政や地方創生に関するところでは注目を集めています。特定の地域に関心を持って関わる人、これが関係人口ということになりますね。

人口減少の未来

あと、石山先生のお話の中で挙げられていたのが人口減少の話です。

日本の人口が減少していることは、皆さんもきっとすでにご存じだと思います。そのために、少子化対策などが行われていますが、残念なことに、どんなに少子化対策をしても人口減少はもう止まりません。確実な未来です。

そうなると、今後、労働力人口が絶対的に不足するわけですよね。地域の企業のみなさんはもちろんですが、僕は、まだ人がいるように見える都市部のみなさんにも、人口減少のやばさを気にかけておいてほしいと思っています。

いまは、女性活躍とか、高齢者が活躍できるようにしよう、みたいな取り組みもありますけれども、人口が絶対的に減っていく以上、今までのやり方では難しい。だから今後、どういう環境で経営していくのか、特に地方の企業の経営層の方々は、いろいろ考えないといけません。

越境学習と働き方のアップデート

僕は思うんですけれども、ここまでの話を考えてみると、越境学習というのは、単に学習ではなく、「今までの働き方をアップデートしよう」ということでもありますよね。

また、地域外の人たちとの「新たな交流を作る」という意味でもあります。これは、人材を送り出す会社側にとってもそうですし、人材を受け入れる地域の会社側にとってもそうです。両方のアップデートになります。

また、越境学習は働き方を変えていくことにもなります。たとえば、普段関わらない人たちと仕事をするためには、結果的にデジタルツールを使って連絡を取ったり、コミュニケーションを重ねたりしますよね。そうすると、自然とデジタル化が進むという2次的なメリットもあります。こういうことって、本当は大事なんじゃないかなと思います。

こういったことは、気づいた人たちから始めていくことが重要だと思います。もし「今の働き方を変える必要があるな」と思っている方がいらっしゃったら、できる範囲から関わってみると良いのではないでしょうか。

じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。

いいなと思ったら応援しよう!