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#53 石山恒貴さん著『定年前と定年後の働き方』は未来に対する希望だった

竹内義晴です。この番組は組織づくりやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといったこれからの働き方についてゆるゆるとお話をしていく番組です。今日の話が面白かったあるいは参考になったらフォロー、コメントなどいただけるとうれしいです。

石山恒貴さんのご著書『定年前と定年後の働き方 サードエイジを生きる思考』

今日はですね、今読んでいる本についてご紹介しようかなと思うんです。本のタイトルは『定年前と定年後の働き方 サードエイジを生きる思考』です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4334046622/

法政大学の石山恒貴先生の本で、最近刊行されたばかりです。帯を読んでみると「これからの日本社会に必要な発想」ということで、「個人と組織の在り方を捉え直す」と書かれています。

この本について、ボクは多くの企業の、特に人事に関わっている方々や、あと個人ですね。個人でも中堅以上の方々、そういった方々が読むといい本じゃないかなと思います。普段、あまり「べき」という言葉を使いませんが、この本は「読むべき本」じゃないかなと思います。

なぜ、この本を読むべきかといえば、世の中の「働き方が変わっている」ことが1つ。もう1つは、人口減少社会という大きな課題がある中で、この本は「1つの希望だな」って思ったこと。それは、働く人々にとってもそうですし、組織にとっても、企業にとってもそうです。そして、行き着くところは、さまざまな課題がある社会にとって「希望だな」と思ったのです。

「社会にとっての希望」とは?

「社会にとっての希望」とは、労働者がどんどん減っている中で、「じゃあ、どうすればそれが解決できるのか」を考えたとき、わたしたち一人ひとりが、いままでとは異なった働き方の選択ができることだと思っています。

特にこの本のタイトル、『定年前と定年後の働き方』とありますが、いままでだったら、定年前後に何が起きるのかといえば、役職定年であるとか、あとは、再雇用ですか。給与がガクッと落ちて再雇用になる……みたいな、そういった選択肢しかなかったわけです。その背景には「年齢を重ねると、人は衰退する」というアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)があったのではないかと思います。

しかし、この本の「はじめに」には、次の一文が書かれています。

個人の幸福感は20代・30代では高いが、その後低下し40代の後半で底をうつ。そして、その後は年齢が上昇するにつれ、幸福感も上昇し続けるのだ。

『定年前と定年後の働き方 サードエイジを生きる思考』(光文社)

一般的に、高齢になれば、身体が衰えてさまざまな喪失があるはずです。でも、この本に書かれているのはそうではなく、40代後半で幸福感は低下するものの、それからはむしろ高くなると書いてあるんですよね。本書ではこれを「U字型カーブ」と「エイジング・パラドックス」の2つの言葉で説明しています。

これが、これからの個人にとっても、組織にとっても、そして日本社会にとっても「1つの希望だな」って思った大きな要因です。

幸福感が上昇するのならば、生かしたほうがいい

この本の帯には、「最新の研究理論と実例から」と書いてあるので、「もしも」ではなく「事実として」と、あえて言いますが、50代以降から年齢を重ねるにつれて幸福感が上昇し続けるのであれば、そういった特性は生かしていった方が、個人にとっても組織にとってもいいはずです。

また、もしも幸福感が上昇するのであれば、いままで、いわば戦力外だと言われていた人たちが、より自分の能力や可能性について理解し、そして、社会に還元していくことができれば、いま、人口減少と言われている問題、特に労働者不足の問題解決にもつながるかもしれない。特に、人材不足、人手不足と呼ばれている地方の企業に、ひょっとしたら光が射すかもしれない。

このような働き方が可能であれば、いままでだったら、自信を喪失して生きなければならなかった世代が、より充実して生きることができるんじゃないかと思ったとき、この本は「希望だな」と思ったわけです。

また、この本には、シニア世代の働き方の1つの事例として、ボクがいま、ポッドキャストやnoteで発信している複業の話についても書かれています。

この本では「オンライン・リモート副業という選択肢」と書かれていますが、コロナ禍で働き方が変わり、多くの人たちがリモートで働くっていう選択肢を手に入れたいま、もしも、リモート副業のような働き方が可能となったら、人材不足の問題が、少し解決するかもしれない。そんな可能性を感じます

できるだけ早い時期から準備をしておく

もちろん、こうした働き方を実現するためには、企業の在り方や、人材教育みたいなことも必要なのかもしれません。所属する企業がすぐに変わられるか……というと、組織が変わっていくためには、もう少し時間はかかるとは思うんです。

ですが、ボクはこういった未来に対する働き方に対して準備を始めるのであれば、多様な働き方ができるように、できるだけ早い時期から、仕事の在り方、個人の在り方、組織の在り方を捉え直し、自分の気持ちのや働き方の部分を整えて、計画的に行っていく必要があるんじゃないかなと思います。

まず個人の在り方から変えていくことならできるかもしれません。

認知クラフティングをし、前向きな発信をしていきたい

一方で、ボクはこうした社会の変化は、企業が変わっていって初めて、大きなムーブメントになると思っています。このような働き方に対する企業の在り方について、今後、変えていきたいなと切に思った次第です。

そのうえで、この本を読んで個人的に「まさにそうだな」と思ったのは、認知クラフティングの大切さですね。

認知クラフティングとは、仕事に対する認知を変えていくことですが、ボク自身こうやって発信していることが、社会に対する認知クラフティングにつながるといいなって思いますし、仕事の在り方、自分の生き方みたいな認知を変えるきっかけになればいいなと思います。

また、いままではどちらかというと、衰退していくというイメージで発信していたところを、より前向きに、楽しく働くことにつながるような言葉遣い、発信の仕方、そんなことを意識していきたいなと切に思ったところでございました。

というわけで、今日は石山先生の『定年前と定年後の働き方』を拝読して、とても前向きになれる明るい未来に感じたので、思ったり感じたりしたことをご紹介してみました。今日のお話はこれで終わります。

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