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#583 【多様性の自分ごと化】エイジダイバーシティのメリットを具体的に考える

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

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エイジダイバーシティとは?

今回は「エイジダイバーシティ」、つまり年齢の多様性について、その具体的なメリットをテーマにお話ししています。

これまで3回にわたりこのトピックについて話してきましたが、今日はそのまとめとなるかもしれません。改めて、年齢の多様性のメリットを振り返り、考えていきたいと思います。

エイジダイバーシティのメリット

エイジダイバーシティのメリットは、いろいろと細かく分けることもできるんですが、一言でいえば「多様性を自分ごと化しやすい」という点が大きなメリットの一つではないかと考えています。

「多様性の自分ごと化」とは……これは人事界隈の方々からよく聞く話ですが。多様性というと、「一人ひとりの違いに目を向けて、それぞれの強みを活かそう」とか、「個々の人を尊重しよう」みたいなことが大切だと、一般的には言われています。

しかし、「大切にしよう」というのはわかるけど、具体的に、どうすればいいのかよくわからないというのが、多様性の問題ではないかと思います。言い方を変えると「自分ごと化しにくい」ということ。

個別の視点で見ることの重要性

一方で、エイジダイバーシティの視点では、「私」と「あなた」という個別の関係性で人を見ることが大切ですよね。普段、つい「おじさん」とか「若者」といった属性で一括りにして見がちです。エイジダイバーシティでは年齢層に囚われず、「私」と「あなた」として相手を捉え直す、という視点が重要になってきます。

「最近の若い子は〜」とか「昔の人は〜」のようなステレオタイプから離れ、「年齢が違えば、経験も考え方も違う」という視点を持つと、お互いの立場や経験を自分ごととして捉えやすくなるのではないかと思います。

自分ごと化しやすい年齢の多様性

特にエイジダイバーシティは、他の多様性(例えば、障害や性的少数派、国籍など)に比べても、自分ごと化しやすい特徴があります。

というのも、自分自身が経験していない状況については、具体的に想像しにくいですが、年齢の違いについては、身近な部分として考えやすいですよね。

例えば、今の若い世代が感じている不安、つまり「転職が自由になった一方で、将来が見えにくく不安がある」「人生の選択を自分で決めなければならない」というプレッシャーなどは、他の世代から見てもなんとなく想像できます。

ベテラン世代は、昔は「飲み会に強制参加しなければならなかった」とか、「先輩後輩の厳しい上下関係が当たり前だった」といった経験をしている人が多いですが、そうした、現代とは異なる時代背景について、若い世代のみなさんが想像することも、比較的想像しやすいのではないかと思います。

このように、相手の立場に対する理解が深まるし、自分ごと化しやすくなります。

世代を超えた共感と理解

また、相手の時代背景を想像し、経験を理解すると、お互いに「あの時代は大変だったんだな」とか、「その不安は分かるよ」といった、相手を思いやる気持ちが芽生える。それが、エイジダイバーシティを通じて得られる大きなメリットだと思います。

このように、エイジダイバーシティでは年齢に基づく違いをきっかけに、多様性を自分ごと化しやすくなり、世代を超えて互いを理解し合う土壌ができます。それによって、お互いを労ったり、尊重し合ったり、時には共感し合えるという点が、この多様性の魅力の一つではないかと感じます。

というわけで、エイジダイバーシティの具体的なメリットについては、今回で一区切りにしようと思います。他にも話せることはいろいろありますが、それはまた別の機会に詳しくお話ししたいと思います。

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