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#575 上司が「本当に望んでいること」を考えてみる――世代を超えた良い関係

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織作り、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。

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若手世代ができる「良い関係づくり」の第一歩

さて、今、「世代を超えた良い関係」についてお話ししています。若手世代がベテラン世代に対してできることについてですが、昨日は「相手のことを思うことが関係づくりの第一歩ではないか」という話をしました。

良い関係を作っていくためには、待っているだけではなく、若手世代からも積極的に行動したり、声をかけたりすることが大事なんじゃないかと。何かしら自分から働きかけることが大切ですよね、という話でした。

そのためには、まず「人との関わり」において年齢はあまり関係ないということなんです。ある意味、これは当たり前のことかもしれませんが、それでも大切なポイントだと思います。

相手が「本当に望んでいること」を考える大切さ

さて、今日お話しするのは、「相手が本当に望んでいることを考えてみる」という視点です。

どうしてこの話をしようと思ったかというと……

少し話はずれるんですけど、例えばお客さんとの関係について考えてみるとわかりやすいと思います。

「お客さんに商品を販売する」といった、営業やマーケティングの観点で、お客さんとの良好な関係を築くうえでの大切な内容を理解するための例え話として「ドリルの話」があります。「ドリルの話」とは……

「ドリルの話」に見る、言葉の背後にある「本当の思い」

例えばお客さんがホームセンターに行って「ドリルが欲しい」と言ったとします。この時、本当に欲しいのはドリルでしょうか? という話です。実は、本当に欲しいのはドリルではなく、「穴を開けたい」のではないか、と。

つまり、お客さんが口にしている言葉の背後には、言葉にはしていない、あるいは、できていない「本当の思い」があるのではないか、と。

行動の背景にある「インサイト」を知ることの重要性

さらに言えば、「ドリルが欲しい」と言っているお客さんが、そのドリルを使って何をするのか、具体的に考えてみます。例えば、穴を開ける理由は、「お子さんの工作物を手伝うため」ということ場合もあるかもしれません。

この場合、お父さんがドリルを買う理由の背景には「お子さんと一緒に工作をして良い時間を過ごしたい」「お子さんと良い関係を築きたい」「お父さんとして少し頼れる姿を見せたい」といった気持ちがあるのかもしれません。

このように、「ドリルを買う」という行動の背景には、本当は「こうしたい」という思いがあるといこと。これをマーケティングの専門用語で「インサイト」と呼びますが、営業やマーケティングを考える時に重要なのは「お客さんが本当に望んでいることは何か?」「その人が言葉にできていない気持ちは何か?」を知ることなんです。

顧客の本音を知り、最適な提案をする

このように考えてみると、お客さんが「ドリルが欲しい」といっている最適解は、必ずしもドリルとは限りません。もし小さな穴で十分であれば、ドリルじゃなくて「キリ」の方がいいかもしれません。

あるいは材質によっては「接着剤」で良いかもしれない。だからこそ「顧客が本当にやりたいことは何か」「本当に望んでいることは何か」を知って、それに基づいて提案することが大切だと思うんです。

ベテラン世代との関係においても活きる「本当に望んでいること」の理解

この話は、ベテラン世代との関係にも応用できると思うんですよ。

例えば、上司やベテラン世代の人が若い世代に仕事のことで色々とアドバイスをくれることがありますよね。たとえば「プレゼンの資料の文字をもう少し大きく、内容をシンプルにした方がいいんじゃないか」と言われたとします。

その時、「なぜ上司がそう言うのか」を想像してみると、上司は「見ている人にとってより分かりやすく伝えたい」「顧客との信頼関係を築きたい」といった思いがあるのかもしれません。

また、プレゼンする人にとっても、たくさん話すよりもシンプルに伝えた方が大事なメッセージが伝わりやすい、そんな意図があるのかもしれません。

相手の本音を理解し、信頼関係を築く

つまり「文字をもうちょっと大きくしてシンプルにした方がいいんじゃないか」という言葉だけを見ると、「批判された」と感じるかもしれませんが、その背景にある「本当に伝えたいことは何か」を考えてみると、「顧客にもっと分かりやすく伝えたい」という気持ちが見えてくるかもしれません。

こうして、お互いの本音が理解できると、仕事のミスも少なくなりますし、「本当に大事なのはこういうことだ」「相手が伝えたかったのはこういう意味だ」と理解し合うことができる。そういった行動が、信頼関係や良い関係に大きく影響を与えるんじゃないかなと思うんです。

まとめ:相手が本当に望んでいることを意識してみよう

今日は、「相手が本当に望んでいることは何か」を考えたり、聞いてみたりすることが大事だよ、という話をしました。じゃあ、今日の話はこれで終わりにします。

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