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【ゲスト紹介#9】丸山 裕太「枠組みは、取っ払うもの。美しさを世界中でアートする、旅する美容師」


▼丸山 裕太(まるやま ゆうた)/Hair Lounge EGO代表・国際美容ボランティア協会代表理事 ・Shibuya Cift

<何に命を燃やしているか>
発展途上国で美容の概念を変える。

こうあらねばならぬ。そんな世間一般の常識を覆し、ご自身のキャリアを切り開いてきた丸山さん。
美容の国家資格がない発展途上国にて、美容師として働くことの意義をより多くの人に感じてもらい、孤児や女性の雇用を生み出していきたい。そんな想いが多くの人を動かし、現在は日本で美容室を営む傍ら、NPO法人を立ち上げ、発展途上国で美容学校の設立や現地の講師の養成を行っています。
世界を飛び回って仕事をし、誰もが知っている雑誌に数多くの作品が掲載され、様々なショーでもご活躍をされていらっしゃる華やかなお仕事を拝見し、美容業界を目指してこの道一本で突き進んできた方なのかと思いきや、意外にも、理容師であった父親の背中を見て美容業界の厳しさを感じていたこともあり、自分は美容業界には入らないと決めていたそうです。
美容業界であれば誰もが憧れる道を歩み順風満帆に見えるキャリアですが、ご自身が描いてきた夢の挫折から立ち上がり、自分の軸を見つけるまでの道のりは、本当に厳しいものでした。


<どのようなキャリアを歩んできたのか>
学生時代の苦難と、思わぬきっかけから始まったキャリア。
「学校行ってないんで!そのあたりも話せたら面白いかなあ〜。」笑顔でお話をされる丸山さんですが、学生時代には社会の「こうでなければならない」という圧迫に違和感を感じ、苦しむ経験をされてきました。
中学時代には、学校の義務教育や日本社会のしがらみに苦しみ、布団にカビが生えるまで寝込んだ経験も。



「なんて息苦しい世界なんだっていう風に思っていました。知ってます?人間寝込みすぎると体の形にカビが生えるんです。笑 それで、さすがにやばいと思いまして。布団を上げることから始めました。」
その後、高校に進学するも、始まって2ヶ月後には学校側ともめたことが原因で、中退。


父親の美容の国家資格だけはとっておきなさいという言葉を受け、専門学校に進学をします。
しかし、美容の道に進むことはなく、卒業後は音楽やデザインに関わって働く為に、渡米するも、ニューヨークという厳しい環境にて、夢を諦めるという経験をします。


そんな苦しい生活を続け、アメリカに来て2年が経とうとしていたいころ、なんと街で暴漢に遭遇し、自分の所持品を全て持ち去られてしまうのです。
ボロボロになって、助けを求めて入ったとある街中の美容室。
丸山さんはそこで日本人の経営者と出会い、働くことを決意しました。
「ものが全てなくなって、お金も取られてしまった中で、美容室の扉をドンドンと叩いた時が仕事を決めるという瞬間だったんですね。その時は美容業界で働きたいという思いはありませんでした。自分が稼げるすべというのはここしかないと決めました。」
「そのうち、シャンプーを任せてもらえるようになって、お客さんからチップをもらえるようになったんですね。その時に、あ、お金を稼ぐってこういうことだって気づいて。」
目の前にいる人から感謝され、その対価としてチップをもらうということから、働くことの意義を感じるようになっていったというエピソードから、自分の目の前にある環境で全力を出し、そこから自身の道を切り開いていくという姿勢に丸山さんの底力を感じます。


<今、一番脳が痺れていること >
「作品を作って、自分自身の世界観を表現している時が楽しい。」と語る丸山さんの笑顔から、やっぱりアーティストなんだなということを感じます。
アメリカ、日本、ニューヨーク、パリと世界を渡って修行し、積み重ねてきた技術。そこで得た経験を、現在は日本だけでなく、発展途上国で美容業界を目指している人の為に使おうと、仲間と共に日々奮闘していらっしゃいます。
彼が経営する美容室で働くスタッフの方は丸山さんと一緒に発展途上国の小学校や孤児院を訪問して、ボランティアカットをしていらっしゃるそうです。
美容の国家資格が無い途上国において、美容師の価値を底上げし、貧困に苦しむ人々の課題を解決する手段をつくっていきたいと、目の前の人と向き合います。



<この人をゲストに推した私の想い>
丸山さんは、まだ誰も歩いたことの無い道を、自分で描き、形にしてきた美容業界の革命家とも言える方だなと思います。
ご自身の中に大きなつまづきを感じる瞬間を乗り越えて、未知の世界へ大きく一歩踏み込み、感じたものを形にしてこられたこれまでのキャリア。
お話を伺ってから、私も自分の中の”こうでなければ”を取っ払って、生きていきたいと考えるようになりました。
固定観念に縛られず、時には思いっきり自分をリセットし、前に前に進む。
枠組みなんて本当はなくて、自分が飛び出せばなんだって出来るのかもしれないと感じさせてくれるバイタリティー溢れる方です。



インタビュアー、記事:弘重

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