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お寺の仕事は、人に寄り添うこと

妙勝寺は東京都江戸川区にある日蓮宗の寺院。

1307年に開山した由緒ある古寺です。4000坪ある広い境内には木々が青々と生い茂り、東京であることを忘れてしまうほど。

44代目住職の高松孝行さんは、被災地支援など“人に寄り添う”社会活動に力を入れています。

現代社会の苦悩と向き合い、専門的な知識や実戦経験をもとに行動する仏教者のことを「臨床仏教師」と呼びます。

高松さんもそのひとり。「お寺の仕事は、人に寄り添うこと」。そう考えて日蓮宗東京東部電話相談室でも相談員として、多くの人の悩みを聞いています。

そのとき大事にしているのが「傾聴」です。

いきなり説法をするのではなく、相手の話にじっくりと耳を傾け、アドバイスを求められた時だけ、仏教の考えを説いているそうです。

東日本大震災後は何度も東北へ足を運び、被災者の心のケアを行ってきました。

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「なぜこんな悲しいことが起きるのか」「亡くなった人はどんな想いなのか」ーー

そんな問いを抱えている方も、お坊さんから話を聴くことで気持ちが和らぐのでしょう。時には、家族や友人が亡くなった現場に行って、お経を上げることもあるといいます。

また、若者がお寺に親しむきっかけをつくるため、男女の縁結びイベント『寺社コン』など、流行を取り入れた活動もしています。

東京JC(公益社団法人東京青年会議所)で活動していたので、イベントの仕切りや調整は得意なのだそう。

妙勝寺は「ご祈祷」に力を入れているお寺です。

高松さん自身、妙勝寺で行われた悪鬼払いという特別なご祈祷を見て、「こんな世界があるんだ」と驚き、家を継ぐことを決意しました。

群馬県館林にある日蓮宗でも数少ない特別な祈祷を扱う寺院に20年以上通い、ご祈祷を教わっているといいます。

出来合いのお札で済ませるお寺も多い中、高松さんは全てのお札を手作りしています。「心願成就」や「家内安全」など、目的によってお札の書き方や作り方は異なるそう。

「本気で良くなりたいという想いと、本気で良くしてあげたいという想いが重なって、初めてご祈祷は効果を発揮するんです」と高松さん。

額に光る汗から、その真剣さが伝わってきます。

高松さんの"仕事場"をのぞいてみたい。そんなあなたに、この旅を。



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