なぜ俺はここで10円玉を数えないといけないのか

IT関係のライターとして活動しているので、東京ビッグサイト(東京国際展示場)や幕張メッセで開催されるような見本市、展示会の取材によく行きます。その度に納得できないことがあるんです。今回はもう我慢できなかったので、このエントリを書くことにしました。

インバウンドマーケットEXPO 2018を取材

2018年2月に、東京ビッグサイトでインバウンドマーケットEXPO 2018というイベントを取材しました。イベントの内容は商用媒体で記事にするのでここで詳細に触れることはしませんが、出展の一部は電子決済に関するものでした。簡単な手続きを経て端末を設置すれば、いくつもの決済手段を使えるサービス。大陸で多大な利用者を獲得しているアリペイやWeChatPay、中には店舗に設置するのは印刷したバーコードだけというサービスもありました。

FeliCaを使ったおサイフケータイの普及でガラパゴスと言われた日本でも、インバウンドマーケット対策として電子決済が普及すればいいなあ。そんな期待を抱きながら取材をし、エリアの片隅に設けられた休憩ブースに向かった私は愕然としました。そこにはおばちゃんがいて、コインカウンターをレジ代わりにペットボトルの飲み物を売っていたのです。コインカウンターって、あれですよ。機械で分類して勝手に計数するやつじゃなくて、1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、、、、と硬貨ごとに1列に並べるプラスティックのトレイ。

なんでジュース1本買うのに10円玉数えんとあかんのや!
バーコードだけで簡単にスマホ決済できるって言ってる、その数メートル先で!

もうね、意味がわかりませんよ。ほんと。

むしろ休憩エリアは無視して、決済サービスのブースでジュースを売ればいいんですよ。「いまここでアプリをインストールすると、買い物体験できますよ」って。来ている人は新しいものを探して、時間を割いて来ている訳ですよ。そこでジュース代くらいで決済サービスを試せるのであれば、試すと思いません?

まあ、ブースで飲食品を販売していいかどうかわからないのでそれは極論としても。休憩ブースでは決済サービスを提供していいと思うんですよ。最新決済サービスを散々説明された挙句、休憩しようと思ったら「現金のみ」って。ITって何。

極め付けが、取材が終わったあとのひと休み。のどが乾いていたので自動販売機に向かった訳です。そしたらなんと、ここも現金のみ。いまどき、下手したら街中にある自動販売機でさえ電子マネーくらい使えますよ。なんなら私の財布にはクレジットカードもWAONも入っていましたし、スマートフォンはiD対応、腕にはSuiCaを登録したAppleWatchもありました。でも、ここでもまた10円玉を数える羽目に。

国際展示場も何か考えようよ

ほんとね、これに違和感を覚えないようじゃまずいと思います。ITがどーとか先進国がどーとか言ってても実態がこれでは。「これが当たり前」って思って暮らしていて、理性だけで「新しいものは」「外国人に使いやすいものは」って探しても、見つかりっこありません。

会場運営者も会場運営者です。最新の情報を発信する場として運営したいのであれば、会場自体に最新の設備がなければ。いまどき自動販売機が現金のみって、高速道路のSA/PAより遅れてますよ。

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