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「Apple市民になるか、ならざるか」/ 2020/09/03 #クロス 出演セルフまとめ

TOKYO MX「モーニングCROSS」に2020/09/03に出演しました。その際、オピニオンクロスで発信した情報のセルフまとめです。

堀さん「さて松浦さん、何が起きていますか。」

自分「そうですね。手数料の問題ってこのfacebookの問題に限らず、直近だと『フォートナイト』っていうゲームがありまして、課金に対してキャンペーンを立てるといったようなことがありました。古くは、サブスクリプションのサービス、例えばspotifyとかも課金手数料に対して異議申し立てをしてたっていうのがありました。

さて、こういうとき、片側からみるのはよろしくない。Apple側からもみないとです。」

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https://www.apple.com/jp/ios/app-store/principles-practices/

自分「ちゃんと説明責任やってるんですよ、もちろんポジショントーク的なところはありますが。

『私たちの使命は、すべての人に最高のストア体験を届けることです。』というページを作って、どうしてこういうことをやっているのかを説明しているんです。」

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自分「週間10万件のアプリを全て審査してる。僕もアプリ申請をしたことがあるんですけど、本当に事細かにみている。バグはもちろん、プライバシーに関しても、ユーザに悪影響が起きないようにちゃんと見てます。

ユーザーはアプリの84%は無料で使えて、Appleにはこの時点で何も報酬がはいりません(Appleがデベロッパから手数料をもらうのは、デジタルの商品またはサービスがアプリケーションを通して提供された時だけ)。非常にこれ見よがしなんですが、実際そうですからね。

また作り手の支援もするわけですよ、学生向けのキャンペーンだとか。

さらに、Apple謹製のアプリがあっても、それと同じジャンルのアプリが出たときに消すことなく歓迎する姿勢です。

要は不動産におけるテナント代ですよ。これが不労収入かと思ったらさすがにそれは違いますよという話。10%の消費税が何に使われているのかわからないと思うことがあるかもしれませんが、ちゃんと説明責任は果たしています。

もちろん30%が適当かというのもあります。実際サブスクリプションサービスは2年目から15%という契約もありますし、この30%も最初に決まった数字を頑なに守ってるところもありますからね。

Appleは『安全で信頼できる場所』を保とうとしてます。Appleを使ってくれる人のために。」

堀さん「確かにね。『このアプリを入れたらウイルスに感染するゲートになっちゃうんじゃないか』そういう心配が、Appleの場合は軽減されてるわけでしょ。」

自分「そうですね。この10年色んなアプリでウイルス騒ぎがありましたけど、ios上で大きな課題になったことはないと思います。

今年の秋に新しいiPhoneのオペレーティングシステムが出るんですが、そこではプライバシーがさらに強化されます。」

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https://www.apple.com/jp/ios/ios-14-preview/

自分「例えば、個人が利用する端末を識別する情報があるのですが、秋からのバージョンではデフォルトオフになります。そうすると個人にあわせた形の広告が出しにくくなります。また、GPS情報も『おおよその位置』に変わったりとかになります。」

堀さん「事細かくピンポイントな情報が伝わるわけじゃなくなるんですね。」

自分「個人情報としてはいいんだけど、利便性は落ちます。カスタマイズされづらくなって、自分に関係ない広告が出てくるだとか。そして現在位置の天気情報くらいならおおよそでもいいですが、例えば待ち合わせとかがおおよそだとそれはそれで困るじゃないですか。」

堀さん「え〜そういうことになると、例えばUberEATSとか、タクシーの配車サービスとか、お互いの位置情報の共有で待ち合わせに使うとか、そのあたりの利便性が変わってくるかもしれないということですか?」

自分「そのときはユーザー自ら設定する必要があります。」

堀さん「あ〜それが出来るならいいですね。」

自分「選択肢が増えるっていうのは非常に良いと思いますよ。このような形で、Apple市民になるとカチカチに守ってくれます。」

宮瀬茉裕子アナ「ユーザー側からすると全く問題ないように感じますね?」

自分「そうですね。ただ直近の利便性が落ちるというか。何かしらユーザー側からアクションしなければならない。それを良しとするかどうかっていうところがあります。」

堀さん「こうして解説を聞いていると、Facebookもフォートナイトもわがまま言うなっていう目線に今度は変わってきますね。」

自分「そう。だからここは見方が色々あると思うんですよ。アプリを作っている企業側からしたら手数料を下げて欲しいというのがあると思うんですけど、AppleはAppleで守りたいものがある。こういう報道があったとき、アピールする側の言い分だけをみるのではなく、言われてる側の言い分も確認することが大切。

もちろんプラットホームを選ぶ選択肢はユーザーに委ねられるわけだからこそ、Apple市民としてどういう選択をするか、今一度考えられるいいきっかけでもあるかなと思いますね。」

堀さん「福島さんどう聞かれましたか?」

福島香織さん(ジャーナリスト)「私は、デベロッパが手数料30%徴収されるのが嫌なんじゃなくて『30%徴収してますよ』っていうのを表示しろって言ってるだけなんじゃないかなと思ったんですよ。」

堀さん「『表示くらいしたら?』っていう話ですよね。」

福島さん「私は『30%も取ってるんだ。結構大きいな〜』と思いましたけど、でも別に表示したらいいじゃん。何で嫌なの?って思って。」

堀さん「そうですよね。松浦さんどうですか?」

自分「数を明示すると、『30%なんだ』って思っちゃうじゃないですか。例えば消費税の倍率が不明だとして、5%なのか10%なのかわからないけど使う側からしたらレシートに書いていなければわからないまま進むじゃないですか。でも手数料が30%って書いてあると「え?」って思う。そこでAppleの説明責任が増してしまう。そこのところのバランスも含めてどう捉えるかって話だと思います。」

クリエイターというわけではないですが、受けた支援は自分のモットー「みんなでしあわせになろうよ」のために使います!