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明日からの採用担当

私は、前職時代、法務スタッフの採用担当をしていました。今回はその時の経験を書きたいと思います。

目次
1.伝えたいこと
2.採用担当のお仕事
3.ターゲットを決める(母集団選択・形成)
4.自分たちのことを知ってもらう
5.面接で大切なこと
6.おわりに

1.伝えたいこと

・どんな人と一緒に働きたいか、どんな人材が足りていないか真剣に考える
・そんな人がいるところに行ってみる
・そんな人が就きたいポジションを用意する
・ちゃんと自分たちのことを知ってもらってミスマッチをなくす

2.採用担当のお仕事

企業の採用担当がどんなことをやっているのか、流れを見てみましょう!あくまで、一般論なので、他にも色んなやり方があるかなと思います。

2020年12月頃までに、法務スタッフについて、5人内定を出して、2021年1月頃から働いてほしいと考えたとしましょう。

2020年4月中旬
・採用プロジェクト発足・キックオフミーティング(所属部と人事部)
・スケジュールの確認
・予算と負担部門の確認
・各種決裁のフローについて確認
・人事システムの利用方法の確認
※応募期間を設定するのか、通年にするのかなどはここでしっかり決めておきましょう
※今回は応募期間を設定するパターンでいきます。
応募期間:8月中旬から9月末日まで

2020年4月下旬
・ターゲットの決定
法務部として、どんな人が欲しいのか、上司と相談していく。その際には、自分の中での法務に必要な人材がどんな人がしっかり考えて、報告する。ある程度、方針が固まったら、プロジェクト内で共有。

どんな人が欲しいか、即戦力か、未経験可か、若い、ベテラン、スタッフ、管理職候補、総合職、専門職、、、など色んな要素を検討することになるかと思います。

この方針に基づき、彼ら、彼女達がどこにいるのかを考え、仮説を立てます。また、彼ら・彼女らのニーズについて、仮説を立てます。ニーズの部分が待遇とかになりますね。

2020年5月上旬
・母集団の形成方法について検討
本社説明会を開催するか、少人数制の座談会を開催するか、学生へアプローチするために大学や大学院に出向いて説明会を開催するか、即戦力が欲しいからエージェントからの紹介にするか、社員によるリファラル採用にするか、、などの選択肢があるかと思います。
エージェントも、職種ごとの専門にするか、広く人材が集まっているサービスを使うか、若手向けかベテラン向けかなどもあるので、大手であれば安心てことはないので選ぶ際には注意しましょう。
この辺りは、人事部が詳しいので、相談してみるのもいいでしょう。

また、キャリア採用や専門職スタッフの採用ページなどを立ち上げて、情報発信する方法なども考えられますね。

2020年5月中旬
・HPオープンの準備
コンセプト決定とオープン日を決定(7月オープン予定)
委託先選定→決定→決裁
サイト構築(原稿依頼、チェック、動画作成など)
・エントリーシートと適性試験について検討
応募者がどのくらい集まるかを予測する。
一次審査をするのか、応募者全員に会うのかを検討
その上で、どういう内容のエントリーシートを書いてもらうのか、SPIなどを実施するのか検討しましょう
取りたい人物像が分かる内容のエントリーシートになるといいですよね。これは、本当に難しい。
この辺りは、人事部が詳しいので、しっかり連携しましょう。
専門職の採用を行うのであれば、最低限求める能力があるかもしれないので、書類選考で絞るという選択肢もあるかと思いますし、この内容はなかなか人事部では分からないので、自部門で検討するべきかと思います。

2020年5月下旬
・説明会、座談会などの実施内容の検討(8月頃に実施)
・社内からの参加者と会場確保
※周りを巻き込んで大掛かりにやることも多いので、なんでやるのかを明確にして納得して、協力してもらえるようにしましょう
社外での説明会などを実施するのであれば、学校や大学院にアプローチしてみましょう。知り合いから繋げてもらうなどすると、比較的スムーズです。
※私は、お世話になった教授に連絡した、ゼミにお邪魔して、企業法務ワークショップを実施しました。

2020年6月上旬
・エージェントに接触する
市場の現状把握のためにも、会っておくのがいいでしょう。その上で、自分たちの取りたい人物像を話してみましょう。どこにいるのか聞いてみましょう。転職サイトに登録している人が多そうな職種であれば、エージェントに依頼してみましょう。
※かなりコストかかるので、そこは注意です。

2020年6月中旬
・社内報やイントラネットを利用して、法務スタッフ募集したい旨を拡散する
リファラル採用に貢献してくれたら、ボーナス!みたいなのもいいかもしれませんね!
やはり、社員の繋がりだと、フィットする可能性も高いですし、期待する能力も近いしい人が集まりやすい気がします。

2020年6月下旬
・HPのオープン直前
最終チェック、サーバーへのアップロードでバグがないか、テストをしっかりしてもらう
IT部と連携して、受け入れて準備を進めてもらう

2020年7月上旬
HPの内容はこんな感じが多いかな。
募集要項とエントリーページ(ESとSPIのリンク)
説明会や座談会の開催日時を記載
様々な社員のインタビュー記事や動画
求める人材像
会社のPR
※PRは新卒のサイトのリンク貼るとかで十分な気がします

2020年7月中旬
・説明会などの詰め(ワークショップをやるのか、単なる説明会か、座談会かなど)
・プレゼン資料作成開始
・会場確保できてるか確認
※予備日を設けるか、台風地震の際の対応方針、交通費の支給の有無などをしっかりと検討しておく

2020年7月下旬
ちょっと休憩

2020年8月上旬
・説明会の当日の動きを確認
・水、出席確認用紙、名札などを用意
・会場設営
・説明会の実施
※学校などにいく場合には、プロジェクターの環境、インターネットの環境、ペンや紙、名札などを忘れないようにしましょう

2020年8月中旬
・応募開始
ちょっと休憩

2020年8月下旬
・面接担当のスケジュール確保
・面接会場の確保
※お偉い方に最終面接のスケジュールを抑えていただかないといけないので、とても恐縮します

2020年9月上旬
・応募者から順次選考スタート
※締め切るまでは、選考やらないってパターンもあると思います!

2020年9月中旬
・一次選考通過者決定
選考通過の連絡をする
会話のマニュアルは作成しておく
面接日時、場所、持ち物などを正確に伝える

・面接実施
当日は、会場まで案内して、交通費の精算などを行う
※支払う場合には、交通費の用意を前日までにきちんとしておくこと
※面接担当には、前日までに応募者の情報を正確に伝えておく

・面接フィードバック
採用担当と面接担当で、フィードバックを実施
合否を決定
または、面接担当のみで、合否を決定

2020年9月下旬
・合否の連絡
システムに必ず登録して、管理する
誰が、いつきてくれて、合否の連絡したか、受かったかとか、間違えると大変なことになるので

2020年10月上旬
上記の面接のフローを繰り返します。

2020年10月中旬
・はじめての最終面接実施し、最終面接通過。
通過の連絡をする。
併せて、内定受諾の期限を設ける。

2020年10月下旬
・内定応諾の返信あり。
・人事部に連絡。入社の手続きを進める。
詳しくは、人事部と相談する。

2020年11月上旬
引き続き、面接を実施。
エージェントからも連絡が来ており、即戦力になりそうな人が!!!

2020年11月末
無事に、5人の内定者を確保

2020年12月
入社の準備
ネームプレートなどの作成
ロッカーの用意
初出社日の連絡や当日の流れの連絡
来年のための引継ぎ書の作成

はい!長くなりましたが、こんな感じで採用選考が進んでいくかなと思います。
かなり余裕をもったスケジュールになってるので、中途採用やともっとギュッとなるかなと思います。

3.ターゲットを決める!

何よりも大切なのは、どんな人と働きたいかだと思います。
・カルチャーフィットする人
・積極的な人
・自分で課題設定をして、乗り越えてきた人
・健全な猜疑心を持てる人
・真面目な人
・弁護士
・英文契約書が読める人
・ヒンディー語が話せる人
とか、色々あるかなと思います。

会社や部署にとって、今何が足りてないのか、どんな人がいたらより強みが伸びるのかを真剣に考えることが大切だと思います。一番把握してるのは、部長や次長クラスだと思うので、しっかりコミュニケーション取るのが大切かと思います。

その上で、決まったターゲット像の人はどこにいるのかを考えていきます。

大学、大学院、転職サイト、SNS、ブログ、セミナー、飲み会、異業種交流会、社員の友人、、、
これも色々あるかなと思うので、色んな人と話をしてみて、方針を固めていけばいいかと思います。
市場の動向は大切なので、エージェントなどのプロに会って話を聞いたり、他社の法務部の方と情報交換するとかが大切です!

4.自分たちのことを知ってもらう

自分たちのことを知ってもらえるように、工夫するのは大切です。就活は、恋愛に似てるとよく言われますが、就活生は素直にさらけ出してるのに、企業側が真っ裸になってくれないから、ミスマッチが起きることは珍しくないかと思います。

社外向けブログやHPでしっかり情報発信するようにして、できるだけ、違和感なく働けるような環境を用意するのが大切だと思います。

実際、私が採用担当をしていた時も、説明会や座談会などでも、出来る限りリアルをお伝えして、お互いが幸せな状態で働けるようにしたいなと感じていました。

5.面接で大切なこと

私は面接官をやったことはありません。
しかし、色んな人のフィードバックを聞いてきました。そうすると、やはり、いい面接官っているんですよね。
私の考える面接官側の大切なことを書きたいと思います。もちろん、異なる色んな考え方があるかなと思います。

・事前準備を怠らない(応募してくれた人のことを知る)
・面接官は、事前に自分の採用軸を決めておく(フィードバックで迷わないように)
・この人が自分の会社にいるイメージをしっかりする。(違和感チェック)
・話を聞く。しっかり聞く。会話する。(面接官の話だけは意味ない)
・ちゃんとメモして、反応する(反応くれると安心できる)
・少し待ってあげる(みんな緊張してる)
・彼ら彼女らが、どんな課題を設定して、どのように乗り越えてきたのか聞く(リーダーシップには大切)
・長所や短所など自己理解ができてるのか確認する(ストレス耐性とかも分かる)
・難解かつ哲学的な質問をしない(難解なことや考えたこともないようなこと聞くのはいいけど、訳わからんこと言われても後味悪いだけ)

私は待合室まで案内するときに、対等な立場で、しっかり会話して、その人の本当の姿を見せて欲しいなと思っていました。
お茶出しながら、頑張れー!って思って、交通費渡していました。

6.おわりに

採用担当は本当にやることが多いです、、
人、物、金、場所の確保、スケジュール調整が異常な大変、、、などなど。

しかし、説明会に来てくれていた人が通過したりすると、やはり嬉しいですし、やりがいを感じました。
しんどかったけど、楽しかったし、勉強になりました。

急に採用担当やってーって言われた人が、何をやったらいいのか伝わればいいなと思い、書いたので、そんな人に届けばいいなと思います。


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