「旗を立てろ」について

立憲民主党はもっとわかりやすいはっきりした旗を立てろ、ですか。

ここで本当に旗は立っていないのか、立ってるんだけどもう一声必要だということなのか、考えてみるのも悪いことではないでしょう。

すでに「まっとうな政治」と「立憲主義の回復」、「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会」という旗は党の結成時から一貫して掲げています。

選択的夫婦別姓や同性婚が選択できる法改正や不妊治療への保険適用を党の政策に含めていることから、「多様な事情をもった個人の権利を促進する政党」「個人を互いに尊重することで社会や国が良くなると考えている政党」ということもできそうです。

さらに言えば、今や自民党にいる細野さんや長島さんなどが中心メンバーとなって小池都知事と立ち上げた「希望の党」に野党の大半が飲み込まれそうになったときに、かつて東日本大震災の時期に官房長官を務めた枝野幸男が「私たちは立憲民主党で行くんだ」「だが、立憲民主党はあなたに背中を押してもらって始まった政党だ」「だから立憲民主党はあなただ」と言って立ち上げた政党が衆議院総選挙で野党第一党になったこと自体が旗だとも言えます。

それだけではわかりにくいところをさらに補う言葉としては、「信頼できる行政をつくり直す」、もう少し見栄を切れば「信頼できる日本政府をつくる」でしょうか。

「分かりやすい旗を立てるべき」「いやもう立ててます」というやり取りがされているとき、何か食い違いがあるのだと思います。

立憲民主党の方針や政策はまっとうだし、体系的によくまとまっている。

しかし、一本の旗に書ける文字は十数字かせいぜい20字です。「旗を立ててくれ」と言う人の意図は、何か一つだけ言えるとしたら、20字以内の電報を一本だけ打てるとしたら(この表現は年少世代には「わかりにくい」かもしれませんね。ごめんなさい)、何を伝えますか、何と言いますか、というあたりなのではないかと推察します。

ここで経済について言えば、「経済の礎は社会保障」「人間のための経済」(「経済は人間のためにある」)という認識を持った政党が政権を担うことで「社会保障と経済の好循環」を実現する。「経済を良くするには政治を変えること」となるのではないでしょうか。

たとえば、新型ウイルスに感染したかもしれないけど、仕事休むと有休使わなきゃいけない、休むとその分給料が出ないとなると、具合の悪い人たちが無理して出勤してしまい、ますます健康を壊し、感染症は広がり、経済だって駄目になるでしょう。そこで有給休暇の他に病欠の際の給与の支払いとか有給の自宅待機を法律に定め、その費用を企業の負担と国の予算でどう分担するか決めていくのはまさに社会保障と政治の出番です。「社会保障政治で健康に稼げる国」にしていくわけです。

なお参考までに、立憲民主党の党綱領の冒頭を引用して今回の記事を終えましょう。

「私たちは、「立憲主義に基づく民主政治」と「多様性を認め合い、困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合う社会」を実現するため、立憲民主党に集いました。

私たちは、一つの価値観を押し付ける政治ではなく、国民のみなさんとつながり、日常の暮らしや働く現場の声を立脚点としたボトムアップの政治を実現します。

私たちは、公正・公平なルールに基づく自由な社会を実現し、一人ひとりの持ち味が発揮され、それぞれに幸せを実感できる社会経済を目指します。」

https://cdp-japan.jp/about-cdp/principles


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