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五月の半ばごろから二男が風邪をひき、その後夫に移っていたのですが、それが先週の初めに私にも感染してしまいました。
ずっと喉だけ痛かったんですけど木曜日の午後から全体的に(熱っぽくてなんだかおかしい)具合が悪くなり、それからずっと自宅で引きこもって休息。本日ようやく復活しました。

三日と半分引きこもっていたわけですが、その隙を縫って読書したので、感想をアップします。

辻村深月さんの傲慢と善良を読了。
婚活小説と聞いていたけども、全体的な感想としては恋愛小説だなあと思いました。

全ての結婚している人、もしくは結婚していた人は、この小説の主人公たちのような切羽詰まった気持ちにはならないだろうけど、かつて婚活という試練をくぐってきた猛者になら刺さると思う。
文字通り突き刺さるような文章だな、と思いました。

<以下感想とネタバレ注意>

お話としては、39歳のイケメン男子「架」(かける)が主人公。数年前に年下女子の「結婚したい」アピールをのらりくらり躱していたら、別れを告げられてほかの男と結婚されたのがトラウマになっている。
彼女みたいな女性を探していたらなかなか見つからずにいたところ、ようやく結婚してもいいかと思う女性が出てくる。
これが「真実」(まみ)35歳。
キレイで育ちがいいけど面白みがなくて親の言う通りの「いいこ」で生きてきた女性。アラフォーとアラサーの中間で婚活市場でも微妙な世代。

架の女友達(同世代)は彼を持ち上げているけど、本人は自分の市場価値は嫌というほど思い知らされている。それが婚活の俎上に載るという事だとわかっている程度には賢い男性。

真実はいい意味で育ちがいい。そのためあざといテクニックに気づかれていないと思っているけど、架の女友達は百戦錬磨なので何をやってもバレている。これは恥ずかしいだろうなと思う。

一番きついだろうな思うのは、ピンと来ないという理由でお相手をはねようとするけれど、ピンと来ないのは自分を高く見積もっているからだというところだと思う。
真実は逞しいし、ちゃんと自分の手で未来をつかみ取る力のある人だと思う。毒親に支配されていても最終的に幸せになっている。

架もまた、自分の落としどころを知って幸せを取りに行くところが良いなあと思う。

周りに惑わされたところで自分が幸せと決めていたら幸せになれるのだ。それは人が決めることじゃない。



この本でその通りだと思ったのは
・自分の人生は自分で決めないと悔いが残る(親の言う通り従うという事も含めて)
・人の期待には振り回されるな(そのうち手のひら返される。特に親)
・女の敵は女(彼の女友達というポジションって一番彼女の敵になりやすい)
・今目の前にいる人を幸せにできない人に、それ以上の幸せはやってこない
・自分を高く見積もるのは人として当たりまえ(自分はそうじゃないなんて思うのは傲慢)

こんなところだろうか。
どんな立場でも「アイタタタ」と思う箇所が出てくると思うので、おススメします。面白かった!


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