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東京都の新規陽性者数の動向 年代別移動平均の変化 〜2/25

 東京都の新規陽性者数の7日移動平均データです(2022/1/4~2/25)。ピークを越え低下してきています。ただ、前の記事でも書きましたが、検査の飽和や検査・受診の控えによりかなり過小評価されている可能性はあります。流行曲線は前記事の予想通り山のてっぺんがつぶれて、いびつになっています。検査陽性率はまだ37.4%と高いです。

 下の左上の図をみてください。年代別の移動平均の変化です。年代別人口で標準化しています。遅れて増加していた高齢者の波もピークを越えたようで、それとともにさらに右下の重症患者数のグラフ(東京都のHPより)では増加がとまって、少し減少しているように見えます。ここは検査飽和などには影響されにくいので、本物の減少かとおもます。

 心配なのはやはり10歳未満。左上図で人口補正した10歳未満の数は20歳代を越え、減少が遅く見えます。右上図はY軸を対数目盛にしていますが、10歳未満だけ減少傾向が弱いことが明確にわかります。実際、臨床の場でも小児の感染は多く、まだ収束に向かいそうもない印象です。小児では不顕性感染を含め、症状がはっきりしない感染が多いこと、ワクチンが接種されていないこと、感染防御策が難しいこと(保育士や教師の方々はめいっぱい努力されていますが)などが原因です。

 私は最初、どっと増えるが、減少も速いと考えていました。どうやら少し遷延しそうです。上記に加えて、子ども→おとなの感染の流れが今までより大きく増加していることが、成人も含めた全体の減少速度を遅くさせるのではないかと懸念しています。

 BA.2も懸念材料です。感染速度の大きいBA.2が独立した波を形成し第7波が来るのか、BA.1とBA.2の波が融合して少し遷延する程度で済むのか、ほぼ影響がないのか、まだわかりません。BA.2にほぼ置き換わったデンマークでは下図のように減少しており(NHK特設サイトより)、独立した波とはなっていないようですが・・東京都におけるBA.1、BA.2の比とその変化を知りたいですが、今のところデータを見つけられていません。私はこれについては楽観していますが、どうなるか注視していきます。

そろそろ高齢者を守りつつ抑制を恐る恐る弱める可能性を為政者には考えて欲しいな。難しい決断となりそうですが。

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