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日食観測記念碑 風景印と記念碑

 北海道礼文町にある内路ないろ郵便局の風景印には、日食観測記念碑が描かれています。しかし、現地にある実際の碑は新しくなっておりこの風景印とは異なります。

日食とは

 天文現象である「日食」は、太陽が月によって遮られる(地球と太陽の間に月が入ってくる)ものです。地球から見ると月も太陽もほぼ同じ大きさであることから、完全に太陽を隠すことができるものを皆既日食と呼んでいます。皆既日食が起こると太陽光は直接入らなくなり、太陽周囲のコロナが観測できるようになります。地球から月が離れた時に日食が起こると、太陽より月が少し小さくなるため、月の周りに僅かに太陽がはみ出る「金環日食」となります。

 1948年(昭和23年)5月9日に礼文島で観測されたのは金環日食としては極めて皆既日食に近いもので「金環皆既日食」とも呼ばれています。また、金環日食が観測できたのは礼文島でも幅1キロメートルに満たないエリアで継続時間もわずか1秒だったそうです。

 日米の専門家が礼文島に集結し観測の成果を上げたのですが、それとは別に名寄市の木原秀雄さんが日食の写真と時刻を克明に残されています。

記念碑について

 礼文町起登臼きとうすにおいて金環日食観測が日米協力のもとに行われたことを記念して、1954年(昭和29年)8月、観測中心地となった起登臼に「日食観測記念碑」が建立されました。2001年(平成13年)6月には新しい記念碑を海岸沿いに設置し、元の記念碑は香深の厳島神社の忠霊塔下に移転されています。

地図

風景印の旧碑は厳島神社の忠霊塔の場所にあります。

碑文

萩原雄祐は東京天文台(現在の国立天文台)台長でした。

昭和二十三年五月九日
日食観測記念
日食委員会委員長 萩原雄祐

写真

内路郵便局

 風景印は郵便窓口で郵便物を差し出す時に押してもらえる赤茶色の絵入りの消印です。郵便窓口に「風景印を押して出してください」とお願いすれば、差し出す手紙やはがきに押してもらうことができます。また、63円以上の切手を貼ったカードなどに押してもらって差し出さずに持ち帰る(記念押印)こともできます。

 風景印は1983年(昭和58年)7月1日から使用開始されたものです。郵便窓口は平日のみの営業です。

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