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不登校で劣等感、小4で希死念慮


こんにちは。志賀です。
本日のテーマをお伝えします。
「不登校で劣等感、小4で希死念慮」です。
今回は不登校になった時、
劣等感をあまり感じなくする、
やわらげるためにはどうしたらよいか、
皆さんと一緒に
考えたいと思います。
本日のポイントは
「劣等感」、
「承認」になります。
宜しくお願いします。

小学4年生で希死念慮

私が4年生の担任をしていた時、
気になっている女の子がいました。
ここではAさんとします。
3年生までは不登校だった期間も
あったのですが、
4年生になってからは
登校を続けていました。
Aさんはいつも表情が乏しく、
クラスで話しかけられたら
返すのですが、
自分から話したり、
遊んだりする友達はいませんでした。
私はもっとAさんと
仲良くなりたいと思い、
休み時間に色々な話や
折り紙をしたり、
絵の描き方を教えてもらったり、
授業の初めにゲームをする時に、
一緒に遊んだり、
授業を早く終わらせて、
一緒に勉強したりしました。
次第に明るい表情に
なってくれるのですが、
時間が終わると
また無表情に戻りました。

1ヶ月くらいたったある日、
理科係さんがお仕事を忘れて、
遊びに行ってしまいました。
教材を理科室に
取りに行かなければなりません。
私がどうしよー!と叫んでいたら、
Aさんが手伝ってくれるとのことで、
理科室に取りに行きました。
教材を取ろうとした時に、
Aさんが私の手をぎゅっと握って、
泣いていました。
私は幽霊がでたのか!!?と思い、
急いで理科室を出て、
応接室で話をすることにしました。

話を聞くと、
「お母さんはテストで悪い点を取ると
バカ、ありえないといって頭を叩く
お仕事で家にいないし、
いても話さない。
私はいらない存在なんだ。
学校の先生はみんな、
テストができる子や運動ができる子が
好きなんだ。
家にいるのも、学校にいるのも辛いんだ。
死にたいし、嫌なんだ。
2年生くらいからずっと思っていた。
でもおばあちゃんだけが好き。
おばあちゃんの家が私の家」
と話をしてくれました。
Aさんが2年間、
心の奥に押し込めていた
思いや感情が爆発したのかと思います。

三重苦、劣等感から希死念慮

母からの愛情不足、父はいない、
それだけでも辛いと思います。
私はAさんの苦しみ、
悲しみは計り知れない、
とても小学校4年生が
背負い続けられるものでは
ないと思いました。
発達心理学では「親と子の関係で、
親の期待にそえないことで
劣等感を感じる場合」が
あると指摘しています。
さらに心理学者のマズローは、
テストの点はとれない、
運動もできないなど、
「自己実現ができないことで
劣等感を感じる場合が
ある」と指摘しています。
さらに心理学者のフェスティンガーは、
認められている、「評価されている人と
比較して劣等感を感じてしまう場合が
ある」と指摘しています。
マズローは劣等感が
成長の原動力と考えましたが、
Aさんは逆で、
自己否定になり、死にたいと思い
希死念慮になりかけていました。

劣等感と自己否定をやめるためには

劣等感の原因は
色々とあるのですが、
人から認められないこと
にもあります。
ですので「人に認められる」こと
が必要になります。
ここでは、
「自己肯定感を高める」ことも
大切だと思います。
自己否定をして、希死念慮に
なりかけているからです。

劣等感と自己否定を
やめるためには、
「ありのままの
子供を大好きだよと伝える」
「子供の性格を
大好きだよと伝える」
「子供の好きなことを褒めて、
自分も一緒に
子供の好きなことをする」 
「子供の得意なことを褒めて、
教えてもらう」
「子供がやりたいことをした時に、
皆んなでやりたい理由を褒めたり、
皆んなでその結果を褒めたりする」
ことなどをおすすめします。

Aさんの自己実現

最後にAさんが
自己実現するために、
学校でしたことの一部をお伝えします。

Aさんには、
私のありのままの気持ちを
ストレートに伝えました。
「Aさんのことが大好きだよ」
「困っている人のことを思って、
助けてくれる、
繊細で優しいところが大好きだよ」
「手が器用ですごいね」
「折り紙、絵は素敵だね」
と伝えました。

クラスをAさんの「安心できる
居場所」にしました。
席替えをして、
彼女を理解してくれそうな子、
折り紙や絵を描くのが好きな子を
Aさんの隣と後ろの席にしました。

プレイワークをして、
「友達」をつくりました。
Aさんと私と隣の席の子で
折り紙を一緒にしたり、
Aさんと後ろの席の子に
私が絵を教えてもらったりしました。

八木仁平さんの「自己実現メソッド」
(好きなこと+得意なこと+信念)、
を使いました。
Aさんは優しい性格、
折り紙と絵を描くことが好きで、
手がとても器用でした。
これを活かして
何か係でやりたいことはない?
とAさんに伝えました。
後日、Aさんはお誕生日係を
後ろの席の子と一緒に
やりたいと伝えてくれました。
その数日後、Aさんはお誕生日の子を
帰りの会で発表しました。
お誕生日の子に
可愛い絵が書いてあるメダルを
メッセージを書いた
手紙と一緒にわたしました。
お誕生日の子は
とても喜んでいました。
その子の笑顔を見ている
Aさんも、とても嬉しそうでした。

その他には
「認知行動療法」もしました。
その成果もあったかもしれません。
1学期の終わりには、
喜怒哀楽の表情をするようになり、
友達をつくり、
友達と一緒に遊ぶようになりました。
お誕生日係も頑張っています。
「死にたいとは思わなくなって、
友達と自分を比べる」ことも
少なくなったそうです。

皆さんは劣等感と自己否定、
どう思いましたか?

子供たちの中には
劣等感や自己否定のために、
Aさんとは違う形で
歪んだプライドを持って
自己承認してしまう形もあります。
自分より弱いと思われる子に対して
暴力や支配関係などで
自分は「弱い子より上の存在」で
自分が「主導権を握っている」と勘違いしてしまう子です。

その子たちもAさんと同じように
苦しんでいるかもしれません。
私は苦しんでいる子に、
今私にできることで
力になりたかったです。
どうか劣等感で苦しんで
辛い思いをしている子がいたら、
少しでも愛情をかけて
頂きたいと思います。

読んで頂いて、
さらにスキやフォローをして頂き、
ありがとうございます。
私も皆さんの記事を読ませて頂き、
とても勉強になり、励まして頂いています。
皆さんの記事を楽しみにしています。

次回は「希死念慮の構造」と
「希死念慮の消し方」について、
皆さんと一緒に
考えたいと思います。
宜しくお願い致します。


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