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【 下着はプライベートに左右される 】

日本はもう何年も前から一度に降る雨の量が極端に多くなった国だ。ただ、昔仕事でいた石垣島の、スコール後のカラッとした晴れ間とは明らかに違う。梅雨の合間は雨降らずともどんよりのまま何かと蒸し暑い。

「あーっ、可愛い下着見つけたっ!」

この言葉を発するのに男性の顔はほぼ浮かばない。そもそも女性意識を持つ人々の「カワイイ」など理解できるものではない。フォルムなのか色なのか、はたまたキャラかアップリケ(死語)なのか。とにかく、カワイイ下着など大半の男は望んでいない。僕の好きなのは…それはまた別の話。

機能性下着という言葉が溢れて久しいが、それは大抵がユニクローン(ファストファッション派生が世に広まる様を勝手に銘々)に表れる冷感や即暖テイストのものであり確かに色々な場面で役立ってはいるが、ここで言う下着はその奥にある「パンツ」(長いズボンではない)のことである。

ゴルフ場ではラウンド後の風呂で大抵リサーチが出来る。目上の男性はブリーフが多く、僕世代はトランクスが多いように思う。若い人はローライズブリーフかボクサータイプか。しかしそれもほぼ体型にも寄るものだ。

僕はと言えば、子供の頃の入門グンゼからBVDブリーフ(白)に始まり、トランクスでおしゃれなバリエーションを覚え、体を鍛えだしたら通称ブーメラン(これはヒデキの歌から来た訳じゃあるまいが、ギャランドゥは間違いなくブーメラン競泳用水着だった)なんて履くようになるが、そのうちローライズが入ってきて、今は断然ボクサーパンツ派になった。

若い時みたいにもう筋肉バカではないが、数年前たまたま見つけたコロンビア発ブランドの下着がフィットした。見ようによってはセクシーで、はたまたスポーティーでもあり機能性にも長けている。決め手の細かい理由はこんなとこでは到底書けないが(それは二人っきりになった時に)もうそれ一辺倒になっている。その下着が自分に合わなくなれば、僕は潔く男をやめるだろう。言うてええんかそんなこと。もう少し抗ってみる。

ともかく、基本的に誰に見せるものではない下着に関しては、女性の感性が少し解る。決してカワイイなどとは考えないが、僕の中でもまぁいいかとは思えない重要なものになっている。そして、相手の下着をちゃんと褒められるかどうかは、見る余裕がないとなし得ないことだと知る。大人じゃん。

そうなるとそれなりに値段の張るモノ(女性ほどではないが)になってしまう。ユニクローン3枚いくらってのもアリだが、ここは見えないところのオシャレに生き様を見せたい。それほど大げさなほどに力を尽くせば、少しばかり体も鍛えてみるかと思えたりもする。病は気から、下着は色気から。

わざわざ下着について書こうと思ったのには訳がある。

さすがに毎回それなりのものを買い続けると贅沢が過ぎる。そしてそのブランドのサイズとタイプは選べるが、色やデザインはお楽しみの福袋的販売があることを知って、定価の4分の1ほどの値段に飛びつくこともある。正月に百貨店に駆け込む人々の気持ちが少しばかり理解できるようになった。

で、今回送られてきたのを開けると、色はダーク(好みではない)だったが、ボクサーパンツの新しいカタチのようだったので良しとした。斜めにウエストとは違うゴム素材がクロスしている少し面白いデザインだった。

履いてみる。

こりゃナンだ?



ヒップサポート、いわゆる矯正下着だった。



このブランド、優しい提案のつもりなのか、年齢で判断しやがった。美尻自慢だったはずなのに…ビーフ神農はゴルフ場の脱衣場で僕の尻を馬尻(バケツ)だと褒めてくれてたのに…近頃お尻がかっこ悪くないか?運動不足?と、パンツから衰えに気づかされるとは。しかし、いつ履くのか?


僕がこのパンツをもしアナタに見られるとすれば、

すでにアナタとの素敵な狂おしい時間を諦めたと思ってくれていい。

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